第331回 ならぬものはならぬ

毎回政治的なことばかりで私自身ほとほといやになるときもありますが、気になって仕方が無いのでまた今日も。
安倍首相がいきなりの解散総選挙を打ち出し、ただでさえ忙しい年の瀬がざわついています。

解散総選挙って聞いたらなんと700億円もかかるものなのだそうです。
全国の国会議員の総入れ替えですから、政治家のみなさんにしてみれば本当に忙しい年の瀬になるでしょう。
しかし、700億もかけてこの忙しい年末に選挙をやる大義がどうしても見えない、というのが実感です。

アベノミクスの成果を問うにせよ、鳴り物入りで入閣した二人の女性大臣の不祥事をごまかすにせよ、あれだけの反対を押し切って閣議決定した秘密保全法の信を問うにせよ、私を含め一般市民からは「なぜ今なのか?」ということに関する明確な理解の声は一切 聞こえてきません。
私は見ていませんが、先日TBSで放送したニュース番組に首相が登場、「暮らしが厳しい」という街の声を「作為的に作られたものだ」と表情を変えて言ったということも聞いていますし、タクシーに乗る度に運転手さんに聞く「街の景気はどうですか?」という問いには、一つも「いいですよ」という反応がありません。

そして言わずもがな「原発事故」に関しては悲しいことに、どこからも選挙の争点として聞こえてこないという有様。
フタバから遠く離れて」でも見られるように、未だに被災者の方は住まいを失い、仕事を失い、どうなるか分からない不安のなかで生きています。
そして子供の甲状腺がんは確実に増えている。チェルノブイリのデータではあと1年ほどで飛躍的に疾病率が向上する、その結果すら見えてこない。

口を揃えて与党の方々が唱える「経済経済」の大合唱に、アベノミクスの成果を問うのがなぜ今じゃなければならないのか、本当に不思議な感じを受けます。

とはいえ何もなかったように安倍首相の言う通りに進む世の中。私一人がブチブチ言っても仕方が無い。
それがどこまで今の市民のあいだに浸透しているのか。今度の選挙は、安倍内閣の強権ぶりを見ていても、この先10年くらいの日本の行く末を占う重要なものになると考えています。

私としては、この混迷した状況の中で原発問題・被災者問題を置き去りにしての経済発展だけを声高にうたうだけの政党には「ならぬものはならぬ」という意思表示をしていこうと考えています。

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