昨日、自然農の野菜や味噌を作ったり、ヨガ講座をしている「おだやか家」を経営する島崎ご夫婦の味噌づくり講座に妻と参加しました。
横浜から電車で約2時間。
まだ先日の雪が残る相模湖のそばに、311後に移り住んだという、薪ストーブがパチパチと音をたてるとても素敵なお住まい。

さて、いよいよ講座の開始です。
最初に出されたのは全国各地の10種類の味噌の「利き味噌」。味も色も風味も全然違います。

改めて日本各地に古来から伝わる味噌の深さを知ったうえで、いよいよ仕込み。
おだやか家自家製、相模原在来種の柔らかく煮たダイズを皆で潰します。これが麹のゴハンになるのですね。
その後、福井から取り寄せた芳ばしい麦麹を塩と混ぜる「塩切り」をしたものに潰したダイズを混ぜてよーくコネコネします。

そのコネコネをダンゴにして、樽の中にバシッと投げ込んで空気を抜き、しっかりと密封してハイ、終了!ここから熟成10カ月後に再会です。
講座が終わり、待ちに待ったゴハンの時間。奥様のハルさんが作ってくれる最高のベジ料理。
麹で作った甘酒がアペリティフ。むちゃくちゃウマイ!
ひじき、茹でたほうれん草、甘酢の大根、自家製ダイズの納豆、車麩と玉ねぎのくし揚げ、ダイズの煮汁でとった味噌汁、玄米ご飯。
自然のままのやさしさとおいしさ溢れるとても美味しいご飯で、たっぷりご飯とみそ汁をお代わりしました。

食べた後にも楽しく優しい時間が流れ、あっという間に時は過ぎていきました。
参加者は3年前のあの日を境に、原発や今の日本の生き方に疑問をもち、ライフスタイルを変えたという方がほとんど。
なかには最初の自己紹介のときに感情が高まって涙する人もいました。
それを見て、多くの人が息詰まるような日本の環境の中で愚痴も言えずにきたんじゃないか、そしておそらく、今日集まった人達の醸し出す温かい空気に、無意識に感情をリリースできたのではないかと感じました。
あの日をきっかけに、そういう優しい心をもった人の繋がりが、実際にたくさん生まれていることを日々実感します。
「それは甘い」という方もいるかもしれません。それでは厳しい世の中に生きていけないのだと。それもある意味では事実かもしれない。
ただ、そこに苦しんでいる人が、こんなふうに優しい生き方を選べるようなスペースがもっとあってもいい、そう痛感しました。
そしてそういう繋がりをつくる動きを私はしていきたいと思います。
12月、一緒に作った皆さんと、愛を込めて漬けた味噌との再会が今からとても楽しみです。
