第287回 個のちから

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昨日地元の駅前でたったひとり脱原発の嘆願署名をもって立つおばさんがいました。
全て手作り、手書きの署名セットをもち、選挙のとき以外そういう人を見たことのないロータリーにポツンと立っていました。

私が「署名します」と近づくと「山本太郎さんに似てるって言われませんか?似てるわねえ」と。「営業」うまいなおばさん(笑)
署名しながら「私も微力ながらちょこちょこと横浜でやってるんです。」と話すと、意外だったようで「アラ嬉しい!若い人達がそうやって動いてくれるのは希望です」とても喜んでくれました。普段彼女は市内の別の区でやっているそうですが、今日はたまたまこちらに来たそうです。

「息子もいるんだけどね、毎日仕事に追われてしまって社会の問題に向き合う時間がないのよね」と言うので、「でも若い人たちもね、少しずつだけど確実に変わってきていますよ。」と話すととても嬉しそうな笑顔を見せてくれました。

ツイッターやフェイスブックの大きなうねりの繋がりが見えているならまだしも、何もしていない彼女のその信念と行動力、勇気、それに感動した私は、少しでも彼女が立つエネルギーになってくれたら、と私が妻と仲間で制作した「LOVE the EARTH, NO NUKES」のピンを渡して「写真を撮らせてもらえませんか」とお願いしました。

「こうして一人でも頑張ってるおかあさんのような人がいることをお知らせするとみんなとても勇気づけられると思うのです。」
彼女は当初「え?」と驚きつつ「ちゃんとお化粧してくればよかった」といいながらもとびきりの笑顔でカメラに収まってくれました。
とてもすがすがしい、信念をもった美しい笑顔だ、そう思いました。

握手を交わし、ありがとうございました、とその場を離れた私の背中に「頑張ってね」と言う声のあと、ちょっと小さめに「頑張りましょうね」と彼女は二度いいました。

そして昨日、フェイスブックにこのエピソードを写真と共に公開したら、実に688人を超える人が「いいね!」と応援の意思表示をし、325人以上の人が「こんな人がいる」と私の写真を紹介してくれ、さらに50人を超える人が「勇気をもらいました!」「感動しました!」とコメントをくれました。
この1000人以上の「アクション」はおそらく軽く数万を超える人がこの写真を見ているということが推測できます。
インターネットを知らない人にしては想像できないかもしれませんが、あの山本太郎氏だってインターネットがなければ絶対に67万を超える民意を集めることは不可能だったでしょう。

しかし、それを起こすのは、たった一人の勇気ある行動だったりするのだ、と私自身が改めて強く教えられ、励まされました。
これを全員とは言わないまでも、国民が一人ひとり始めたら、国なんてあっという間に変えることができる。
御礼を言われたけど、逆に彼女に会えたことを本当に感謝しています。

この結果、彼女に知らせてあげたら喜ぶだろうなあ。
いつかお会いできる日を信じて。おばさんありがとうね。

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