第279回 時代が動く音

ミュージシャンでありながら立候補した三宅洋平氏の「選挙フェス」に集まる人々。渋谷駅前を埋め尽くした。
ミュージシャンでありながら立候補した三宅洋平氏の「選挙フェス」に集まる人々。渋谷駅前を埋め尽くした。

時代が動く音が聞こえます。それはまるで幕末のように。

明治維新は、黒船来航(1853年)から戊辰戦争(1869年)まで、実に16年間の歳月を要し、そして多くの命が失われて成し遂げられました。
こうして過去のものとなれば、ネットや教科書では文字にしかならないものですが、その中に人々のリアルな生があったことを思うと、本当に時代の動く時というのは、来るべくしてくるのだ、そう思います。

ヒロイズムや美学的な話しをするつもりはありません。
なぜなら、私達は2年と4カ月前のあの日から、確率でいえば100%危険度の増した世界に生き続けていて、そしてこれからさらにその危険と直面していかなくてはならないからです。

7月21日(日)の参院選。
昨年の衆院選に引き続き今回も自民党の圧勝があたかも決まったかのように連日マスメディアから流れています。
多くの人が今まで受け続けていた手法で「周りが入れるから」という流れ、またもしくは「反対しても仕方ない」という風潮がここまで強い国って本当に珍しい。

以前に海外で仕事をしていましたが、まあどの国に行っても、どんな立場の人でも自分の主義主張をもち、そして日本人との大きな違いは「発言」する。
それがいい悪いの問題ではなく、ちゃんとそれをコミュニケーションの中で成立させるために各自がそれなりにルールを持っているということが、日本人との大きな違いだなとつくづく感じます。

そんななか、今回の参院選では、自分の考えを持ち、そして自分の言葉で語る候補者が、脱原発、そして自民党に対抗して多数出てきたことも、今までと違う時代の音を感じます。
代表的な方でいえば、東京選挙区で出た俳優の山本太郎氏、比例区で出たミュージシャンの三宅洋平氏、そして原発事故で町民全員が避難した福島 元双葉町長の井戸川かつたか氏。

彼らの言葉を聞いていると、右だ、左だ、という今までの狭いイデオロギーを超えた「時代の音」を感じるのです。
特に山本氏・三宅氏の応援には、今までそんなことに興味もない、と思われていた若者達が中心に殆どボランティアで連日熱戦を闘っています。

彼らを突き動かすものはなにか。
今までへの反省であり、そして未来への希望だ、私はそう思っています。
日本人である前に人間としてどういう時代をこの国で創っていきたいのか。
世代を超えて話しあえる風潮が出てきた。まさに「時代が動く音」が聞こえてきます。

今度の選挙でどうなるかは分かりません。しかし以前にも書いたように、もうこの流れは止まらないのです。
これからが本当の始まり、ということでもあります。
人間の良心に基づいてあと2日考え、そして未来に向けた1票を投じようと思います。

あの日から日本は、日本人は変わり始めた。
あの日から日本は、日本人は変わり始めた。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA