
先日ヤフーのニュースで「福島の子供調査 甲状腺がん 新たに2人 他7人に疑い」というニュースを読みました。
すでに昨年9月に1人が発見され、疑いのある7人とあわせ最大で10人になるとのこと。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130213-00000080-mai-soci
「疑いのある人を含めた10人の内訳は男性3人、女性7人で平均年齢15歳。11年度に受診した原発周辺13市町村の3万8114人の中から見つかり、地域的な偏りはない」とのことで、かつ県立医大の先生によれば「通常子供の甲状腺がんの発生率は100万分の1」だそうですが、今までの発生例が少ないうえに今回のような精度の調査がなかったため、因果関係は突き止められないということでした。
しかし上記コメントは、1986年に大惨事を起こしたチェルノブイリで、事故発生後4年経って児童の甲状腺がんが急増したというデータに基づき、これはたまたま前からあったものが発見されたにすぎない、という理屈は詭弁以外のなにものでもないと感じます。
テレビはほとんど見ませんが、テレビだけを見ているかぎり、東北は元気に復興し始めている、のほかは原発に関してすべてが終わったかのような錯覚を受けます。
しかし現実と向き合わねばならないのはこれからです。それはネットでちょっと探せばいくらでも実証データとして信頼に足るものが出てきます。
いまだに1~3号機は手付かずのまま。最も危険とされている4号機でさえ、新しく組んだはずの鉄骨が何があったのか、またグニャリと曲がってしまった映像が公開されたりして、本当に何も進んでいないのが現状です。
私は京大の小出先生の著作や映像を見て、先生の考えに同意しています。
それは「大人は責任をとって汚染された食物を食べればよい。しかし放射性物質に対して感応性が高い子供には少なくとも汚染の疑わしいものは食べさせるべきでないし、子供は避難するべきだ」という意見に賛成しています。
しかし福島の人に聞けば「そんなことを口にできる雰囲気では全くない」とのこと。
これから私たちが向き合わなければならない現実を皆で見ないふりしていけばいいのでしょうか。
春にむけて他のことを書きたいな、と思いつつも、残念ながら想像もしたくない状況はすでにはじまっていることを書きました。
子供に「どうしてこうなっちゃったの?」という問いに答えられる大人であることが、自分の大人としての責務だと私は考えています。