第182回 2011年初読み 「一流の習慣術」

明けましておめでとうございます。本年もよろしくお願い致します。

さて、新年明けた初読みは何にしようかと本屋に行き探したなかで、イチローのバッティングピッチャーを務め「イチローの恋人」といわれ、退団後に中学野球のチーム「宝塚ボーイズ」でマー君こと楽天の田中将大選手を育てた奥村幸治氏の「一流の習慣術」を読みました。

奥村氏がイチロー選手初めプロ選手との会話や練習の中で学んだことや、宝塚ボーイズで自らが指導者として教えながら学んださまざまな「習慣術」についての知恵が6章に渡って書かれており、非常に読みやすく面白い。
あっという間に読み終えてしまいました。

本書の中でさまざまなケーススタディが語られているのですが、イチローやマー君に限らず、チームメイトも野球の練習を通じ自分の可能性に挑戦していくなかで自分の方向性を見つけ、しっかりとした人間として成長していくという意味のことが書かれていました。

小さな時から努力を怠らず、真剣勝負の世界に生きてきた人の言葉は年齢に関係なく説得力があり、本当にすごいなあと思うのですが、本人達の努力や資質はもちろんのこと、指導者の方や周りの環境によって人格形成がなされ、あのような素晴らしいコメントをできる人間になるのだとも感じます。

幼少時代からのそのような経験は彼らがもしプロスポーツ選手にならなかったとしても、人間性の形成には非常に良い影響を与えているのは間違いないでしょう。

そう考えると、奥村氏のみならず、昨年お会いしたゴルフの石川遼選手の恩師 吉岡先生、2007年賞金女王 上田桃子選手の菅原先生の例も含め、優れた指導者の重要性・価値づけが今まで以上に積極的にフィーチャーされるべきではないでしょうか。
そしてこれはさらに視点を拡げてみれば、スポーツに留まらず、その他全ての業界においていえることなのではないかと思うのです。

先行き不透明な時代に、今まで以上にリーダーシップが求められているといわれます。
その為には、リーダー育成の為の環境づくりを行うことができる優れた指導者を社会的に支援する体制づくりが今後重要になってくるのではないでしょうか。

そんな結構たいそうなことを新年早々考えさせてくれたよい本です。野球を知らない人でも読める内容ですから、ぜひよかったら読んでみてください。

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