第1094号『夏祭り』

週末は、わが街、横浜市金沢区”金沢シーサイドタウン”の夏祭りだった。金沢シーサイドタウンは横浜市でも最南端に位置し、約2万人の人たちが暮らしている。

この街は1970年代、遠浅の海岸の埋立事業で開発されたニュータウンである。計画にあたっては、槇文彦、神谷宏治、藤本昌也、内井昭蔵、 宮脇檀 、西脇敏夫ら気鋭の建築家や都市デザイナーを採用した。当時の集合住宅地としては新しいアイディアを盛り込み、例えば、電線が無い、低中高層と画一的ではない集合住宅、景観や標識など計画的に配置され、まさしくドイツのバウハウスの影響を受けた画期的な街づくりのモデルだった。余談だが、デザイン史の研究者だった恩師柏木博からそんな街づくりの概要を聴き、憧れて移り住んだ。

そして40数年が経ち、現状多くの集合住宅エリアが抱えている問題、・人口減少・高齢化・外国人居住者との折り合いなど、ご多分に漏れず大なり小なりこの街も抱えている。

さて、夏祭りの会場は、富岡八幡宮の杜を背に海へと続く小さな入江のある広場、ここを”ふなだまり”と呼んでいる。この広場と隣接する商店街とスーパーマーケットや各街区自治会からの屋台も並んだ。会場ではステージも用意され、歌や踊りなど様々なイベントが繰り広げられている。そして最後は打上花火で幕を閉じる。

僕たちは、入江に面した少しオシャレな木造のデッキの一角に陣取った。花火鑑賞には最高の場所である。このデッキは数年前、ふなだまり周辺を毎朝清掃しているボランティアグループ”ふなだまり公園愛護会”の方々のご努力で出来たものである。その代表の高島哲さんとご縁をいただき、今回の場に参加することが出来た。このご縁をつないでくれたのは、トライアスロン仲間で、横浜国際映画祭のプロデューサーでもある石野恵子さん。皆で輪になり酒を酌み交わし、宴を楽しみフィナーレへと進む。街の人々の手作りで開いた地元の小さな祭りだが、なんとも心地の良いものだった。

打ち上げ花火も終わり、帰り支度をしていると、浴衣を着た子供が、お財布を拾ったけれど、どこに届ければいいのかと聞いてきた。顔を見ると褐色の肌をしている。お財布を手にした子供のご両親は外国から日本に働きに来ているという。そして、少年は地元の小学校に通っているとも。主催者本部テントの場所を教え、ボランティアメンバーが同行し届けた。少年の後ろ姿を見ながら、親御さんからきちんと作法を教えらている子だなと感じた。そして、家族でこの街に馴染もうと努力されているのだなと想像することができた。住む人、みんなが気持ちよく暮らしたいと願えば、自分の街を大切にし、きれいにする。祭りの終わりの余韻とともに、なんだか海からの風が格別に気持ちよく感じた。

【付録】ファンサイト有限会社の取締役、川村大輔のブログです。2011年に入社し、メインプレーヤーとして頑張ってきました。これから更に主軸として活動していくとの思いも込め、仕事の取り組みを中心に、隔週でブログを配信します。ご高覧いただければ幸甚です。

大輔の七転八倒
第117回「応援すること」
相変わらずの酷暑、いかがお過ごしでしょうか?
4才の娘がいる我が家はもっぱら室内で楽しめるスポットに行きます。※もはや、公園は行けないレベルで暑いです。


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