ファンランドへようこそ #13 ミドル世代が直面するアビリティのパラダイムシフト

ファンランドへようこそ。ファンサイト有限会社、取締役の川村勇気です。

先日長男と話していて、シーズンが終わる前に1回は滑ろうぜという事になり、日帰りバスでゲレンデに向かったのですが、現場はなかなかのボタ雪。
とにかく脚が重く、「ボードってこんな疲れるんだっけ!?」と驚きながらも、休憩をはさみながら一日楽しんでいたのですが、ラスト一本で逆エッジにつかまり一回転半をしながら背中から落ち、肋骨にヒビを入れてしまいました。
この火曜日でちょうど2週間経ち、ようやく運動が再開できるかなというまでに回復してきましたが、気持ちは若いままでも、身体はしっかりと加齢している事実を痛感しています。

少し前にNHKの「SWITCH」という番組で、探検家の角幡唯介が、女優の門脇麦との対談の中で、「43歳頂点論」という自著のピーク説を語っていたのが非常に印象に残りました。
かいつまんでみると、成人後の肉体の衰退と精神の成熟の曲線が交わるポイントおよそ43歳あたりにあり、名だたる探検家がこのタイミングで偉業を成し遂げている例が数多くあるということです。
お好きな方は彼の著書も興味深いのでぜひ。

人間の頂点は「43歳」…探検家が至った結論探検家の角幡唯介氏が著書『43歳頂点論』で、43歳が人生の全盛期であると論じた。彼は自身の経験を基に、年齢による肉体の衰えgendai.media

一方で、探検家が落命する年齢も43歳前後がもっとも多いとのことで、挑戦の成功度と失敗を見極める絶妙なポイントがちょうどそれぐらいの年齢であることは間違いなさそうです。

私も来月には45歳となり、おおむねこの世代にあたるわけですが、こうした万能感はフィジカルな分野以外にも、なんとなく共感できるところがあります。
気力体力のピークは過ぎたものの、知識や経験だけでなく、人脈やリレーションがふんだんにあり、使いたいところにリソースを充てることがある程度自由になってくる。
どんな組織でも大抵重宝がられ、結果を出すためにそこまで労をかけずともすべきタスクに見当がつく。
いくつかの組織を横断したり、事業で一定の継続性が見えてきた方であれば、この感覚に覚えがある方は多いんじゃないでしょうか。
この社会で「これさえやっておけば勝ち」といったものは存在しないものの、がむしゃらに動き続けてきた中で、なんとなく再現性みたいなものが見えてくるのも確かです。
余談ですが、以前知人とこの話になった際に聞いたのですが、大企業など一定規模の組織で自分の出世や能力に限界が見えてくるのもこの世代らしく、突然そばを打ち始めたり、早期退職して脱サラでペンション経営をし出したりすのも、この世代だそうです。いわゆる「ミドル・クライシス」というやつですね。

非常に難しいなと思うのは、43歳付近を頂点としたパフォーマンスの質量については「点」的な感覚として分かりやすいのですが、重要なのはその時点をピークに「上っていく」、あるいは「下っていく」という単純なものではなく、「上がっていくものもあれば下がっていくものもある」という「線」的なものだということです。
若いときは過不足がありつつも、当然そのフェーズでの戦い方があります。量的な経験が詰めるのはこの時期でしょうし、物理的にフィジカルに寄ったチャレンジが許されるのも、このタイミングを逃すと二度とやってきません(前述の探検家は若い時から探検をしてきたから43歳でピークを迎えられるわけであって、43歳になったからといって突然偉業を成し遂げることは当然できません)。
43歳でピークを迎えたとして、その後は徐々に衰えていく、という単純なものではなく、体力と引き換えに違うアビリティが高まっていくため、その世代に最適な戦術や戦法を選択する必要があるということになります。

たとえば私の場合、とにかくトライアスロンしかやってこなかった20代を経て、個人事務所をはじめた30代半ばのころは制作や進行などの現場仕事が圧倒的に多かったのですが、44歳現在ではPMやファシリテーションが多くなっており、そしてこれもまたおそらく50代に向けて徐々に変化していくのだと思います。
ファンサイトの会社経営に参画したのも、自身のアウトプットの質が変化していく中で、個人でできることに限界を感じてきた、という経緯もあります(個人の能力だけで十分スケールする超優秀な方もいますが…)。

ということは、ある程度その世代ごとに適した役割で必要な経験値を積めていないと、次のフェーズに進むことができない、ということです。
つまりは、ずっと頑張り続けないといけないって事じゃん!という絶望的な気分にもなるのですが、裏を返せば「焦ることはない」ということでもあります。
RPGでジョブのアビリティが徐々に成長していくように、20代のころは20代の、50代には50代のファンクションがあり、いきなり遊び人は賢者になることはできません。
最近はチートブームなので、先行き不透明な時代の中、20代で賢者になりたがる若い方が多いのは大いに理解できるのですが、時が解決したり成長させてくれるものも多分にある故、今は無我夢中になれることに集中した方がきっと楽しいよ、とまだ賢者になれない遊び人のオジサンは思うわけです。

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