第326回「ヘイトデモ」という存在

先週呼びかけた桜木町駅前の「フリーハグ」作戦は、おかげさまで大成功に終わりました。
予期せぬお友達がたくさん会いに来てくれて(一番遠い方は福井から!)、本当に嬉しい思いを共有できました。
国際平和映像祭も非常にクオリティの高い作品ばかりで、また新たな繋がりができました。
この笑顔を見てください。
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その2日後の23日(祝)、私らが立っていた桜木町駅前に、全国で「中国人・韓国人を殺せ」と叫びながら日章旗を振りかざして行進を行う「在特会(在日特権を認めない市民の会)」が「ヘイトデモ(外国人排斥デモ行動)」を行うというニュースを聞きつけ、いても立ってもいられずに出向きました。

この日は全国で在特会のデモが行われたのです。会場である広場には、差別や彼らの行動に反対する人々、カウンターと呼ばれる人達と警察で物々しい雰囲気。

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何重にも囲まれ守られた輪の中で、約10人ほどの在特会メンバーが、聞くに堪えない言葉で在日外国人を排斥する訴えをがなり立てていました。周りの通行人もそのただならぬ雰囲気に、緊張しながら通り過ぎて行きます。
デモは1時間で終了、彼らはカウンターの人々の怒りの声のなか、警察に保護されタクシーで会場を後にしました。

開港以来中韓限らず外国の窓口として開かれ、そして発展してきた国際都市ヨコハマで、こともあろうに中韓の人を排斥するような人々が警察に守られて演説をする光景。

言論の自由は保証されているとはいえ、殺人を公言するような人々を警察が守っていると言う光景は、異常以外のなにものでもありません。
彼らが同じ行動を中華街で、また私の住む黄金町近辺で無事にできるのかどうか。
両者が怒鳴り合う光景は、怒りと憎しみしか生まない空気に満ちていました。

在特会に対抗して抗議、彼らを囲む「カウンター」の人々。
在特会に対抗して抗議、彼らを囲む「カウンター」の人々。

しかし見ていてこうも思いました。
彼らの姿は、本当に今まで世の中に相手にされなかった「恨み」なのだろうと想像できましたし、彼らのような極端な人達がいるからこそ、一般の何も政治について考えない人達にもそのきっかけを与えるのではないかと。

この先にいるのが在特会
この先にいるのが在特会

これは一部のマイノリティ同士の話ではないと思います。
国際化が叫ばれ、グローバルグローバルと連呼しながら国際社会へ入ろうと戦後70年必死にやってきたこの国が、今後どうなるかを真剣に「考える」だけでなく、何かしらのアクションや意思表明をしていく時期にきているのだと思います。いろいろな理屈で沈黙することは簡単です。

しかし、この憎しみや怒りをぶつけ合う国になっていくスピードをひしひしと感じている以上、私達は遅かれ早かれその選択を迫られることになるだろうと思っています。

(写真提供 長束芳彦さん)

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