第153号『町並み』

少し蒸し暑い休日、菖蒲を観に千葉県佐原市にある水生植物園まで出かけた。 例年、6月下旬にはとっくに盛りを過ぎるのに、今年は気温が低いせいか幸運にも、水辺の花々を愛でることができた。 夕方、伊能忠敬記念館に立ち寄ろうと、佐

第152号『躾け』

雨が降ってきた、駅まで歩くには少し億劫に感じた。 バス停でしばらく佇む。 なにげなく足下を見ると、空き缶や吸殻が目につく。 近所にある高校の生徒の仕業か? しょうがないなと、ひとりごちる。 しばらくすると、傘とビニール袋

第151号『目利き』

5月6日、雨混じりの空模様。 その日NY53番街西11番地、改装されたニューヨーク近代美術館(MOMA)にいた。 NYラガーディア空港から、グランドセントラル駅近くのホテルにチェックインし、荷物を部屋に放り込む。 歩いて

第150号『基準』

最近、デザインの専門書以外でも文字を特集した雑誌を目にする事が多い。 何を基準に文字を選ぶのがいいのか? 趣味で友達のバンドのCDジャケットを作っているS君と、時々仕事を依頼する若手のデザイナーH君から、たて続けに同じよ

第149号『途中下車』

若いうちは考えもしなかったことで、四十を過ぎたころからやっとわかったことがある。 「人間は死ぬ」、というこの明瞭で簡潔な事実である。 そのことがわかり始めてから、今日という一日の大切さが身にしみてくる。 そして、その事実

第148号『ブログ』

ブログとは、社会的な出来事や興味のある事柄に関して、個人的な意見や批評、解説をネット上に公開する「日記」のことである。 ただ、そこには一方的なメッセージばかりではなく、コメント欄やトラックバック(「相互リンク」が自動的に

第147号『旭山動物園物語』

雪景色の道路の脇に出来た長蛇の列、その道の真ん中を10羽ほどのペンギンが歩いている。 なんとも不思議な風景である。 先月、新刊本コーナーで、この気になる写真を表紙に使っている本を見つけた。 本のタイトルは「旭山動物園物語

第146号『なごり雨』

4月23日、土曜日、雨、気温7度。 8時55分、青森空港に到着。 山の中腹にある空港は滑走路を除き、残雪に覆われていた。 この日、午後から執り行われる友の埋骨のため、帰省した。 空港ロビーから外に出る。 寒い。 羽田を発

第145号『なりたい自分になる方法』

ロスアンゼルスからの帰り、機内で映画を観た。 「パルプフィクション」では、聖書を朗読する殺し屋役で、その圧倒的な存在感をみせたサミエルL・ジャクソン主演の「Coach Carter」である。 1999年、カリフォルニアで

第144号『一期一会』

土曜の午後、スーパーで買い物をし、パックに入った惣菜2,3品を皿に移し変えるのももどかしく、発砲スチロールの容器に入れたままテーブルに並べ、食べ始めた。 食事の途中、なんだか不快な気分になった。 あたかも、陶器の絵皿のよ