第457号『りんごジャム』

年末から年始にかけて、辛いことや厭なことが続いていた。 師の突然の他界、立て続けにプレゼン失敗、予定していたプロジェクト中断による売上の減少。 何から、どう対処すればいいのか? そもそも、なぜこうした事態になったのか?

第456号『理想郷』

1月2日、60歳の誕生日をむかえた。 これで、年金納付の義務を終え、受給の権利を得た。 30数年間、どんなに苦しい時も納付し続けてきた。 この国には、皆で皆を支え合う、健康保険と年金という制度がある。 制度に完璧なものは

第455号『師死す』

年の始めに、とても辛く悲しいお知らせから話さなければなりません。 12月28日、病気療養の入院先病院で、心不全のため、弊社顧問、宇田一夫氏が亡くなりました。 享年72歳。 創立当初からファンサイトの顧問として指導いただき

第454号『不文律』

50年以上も前のことである。 小学校の学芸会で、浜田広介作『泣いた赤おに』を上演した。 僕が青鬼役で、友達の竹浪くんが赤鬼役を演じた。 ——————

第453号『予兆』

横浜にアトリエを移して早、一年。 めっきり外食が減った。 ほとんどアトリエで飯を作り、食べる。 だから、近所の八百屋や魚屋、スーパーで食材を買う。 寒さも一段と厳しくなり、鍋物を作る機会が多くなった。 そして、最近、気に

第452号『いっしょに食べよう』

想像してみて欲しい。 一度に、1000人もの人々が同じ食卓を囲むというシーンを。 見知らぬ人々が、テーブルを囲み食事を共にする。 ただ、そのためにだけ集まる。 はじめは、途方もない話しだと半ば唖然とした。 そして、そのシ

第451号『インサイト』

1996年8月最後の日曜日、僕は新潟県巻町にある角田山妙光寺の駐車場にいた。 100台以上もの車を誘導しながら、車の出し入れに追われていた。 ここには、宗派を超え、跡継ぎを必要としないお墓、「安穏廟」がある。 この「安穏

第450号『続ける』

ファンサイト通信第1号の配信は、会社創業を翌月に控えた2002年3月だった。 資金も、仕事も乏しく、会社を立ち上げるという高揚感や期待感より、不安と焦燥に身も心も覆い尽くされ、何かせずにはいられない、そんな状況だった。

第449号『デザインの行方』

デザインの力が弱まっている。 最近、そう感じていた。 縁あって、デザイン教育の現場に30年以上関わっている。 かつてと違い、ここ数年、従来の印刷や広告デザイン関連の就職活動は低迷し、生徒募集にも四苦八苦している。 僕の中

第448号『日記を書くということ』

スケジュール帳と日記帳を買うなら、11月が良い。 9月の終わり頃から、本屋さんや文房具店の店頭に列びはじめるが、ここ数年そう決めている。 11月は、10月の紅葉を愛で、豊饒な実りを祝い、ハロウィンの賑わいを楽しむこともな