第83号『仕掛け』

恒例になったNHK紅白歌合戦での小林幸子の衣装は、地方巡業の客寄せの道具立てとしてフル回転し、その製作費を回収しても余りある活躍をするのだという話しを聞いたことがある。 だから、歌よりも衣装や仕掛けの製作に多くの時間が割

第82号『11月23日』

11月23日、今年最後のマラソンの競技会に出た。 微風、曇り時々晴れ、気温11度、湿度50%、そして10キロを海岸に沿って走った。 驚くほどの距離でもないし、タイムも凡庸なものでしかなかったがレース後、なんともいえない達

第81号『コスト』

『ギルマンの方程式』によれば変革は、N−O>CCのときに起こる。 N:新しい方法の、認知された価値 O:古い方法の、認知された価値 CC:変化にともなう、認知されたコスト イノベーションが受け入れられ、変化が起こるために

第80号『豊かさの呪縛』

本来、コトやモノを限定することは、豊かを手にする最良の方法である。 しかし、限定することが、選択の幅を狭め、みすみす豊かさを手放す愚行であるかのように言われた時代もある。 だから、例えば新幹線も高速道路も文化会館も工場誘

第79号『GET UP』

すこし憂鬱な雨の降る午後、井筒和幸監督の新作『ゲロッパ』を観た。 映画が始まって間もなく、これはイケルな、との予感が当たった。 遠景の団地群を背に、中央に精悍で逞しい、まるで男らしさの記号そのもののような煙を噴き上げてい

第78号『サステナビリティ』

風が吹くと桶屋が儲かるという仕組みが正しいのかどうか、定かではないが、気温の上昇が穀物の収穫に影響を与えていることはもはや科学者の間で総意となりつつある。 世界に向けて日本の環境情報を発信しているwebサイト「ジャパン・

第77号『宣言』

なりたい自分になるべく、誰もが一度は此岸から彼岸に渡ることを思い立つ。 しかし、その多くは眼前に広がる、大きく激しく得体の知れないうねりを見て躊躇し、立ちすくむ。 そして、いまある自分と此岸に留まることを不承不承ながら折

第76号『本気』

最近、本気で何かをすることがカッコわるいという風潮がある。 それは若い人ばかりではなく、自分と同年代の幾人かの人たちからも時々感じる。 どうやら「適当にやってもそこそこやるね」というスタンスが当世風のようである。 でも、

第75号『アスリートという名のアーティスト』

「スポーツ」は、体を動かすことで肉体を鍛え育てる「体育」とは似て非なるものである。 それは、学校の体育や部活で経験した先輩後輩の上下関係の規律や、汗と涙から生まれた勝利への執念とか、戦いに挑む悲壮感とは別な次元のものであ

第74号『プライド』

周知の事実ではあるが、右席に紅梅、左席に白梅を配している尾形光琳の傑作、国宝『紅白梅図屏風』の構図は、俵屋宗達の『風神雷神図屏風』から得たものである。 http://www.moa-inter.or.jp/japanes