第93号『豊かさ』
東急文化村で開催されている「棟方志功展」を観て、昔のことを思い出した。 中学に入学早々、美術の授業で作った版画が公募展に入選した。 そして、公募展に入選した弘前市内の中学生と高校生の幾人かが、なぜ、どんな趣旨で集められた
第92号『鵜呑みにする』
知人のYさんは、人から聞いたことや、本に書いてあることを実験するのが大好きである。 例えば、ジョギングする時、サランラップをお腹に巻いて走るとお腹の脂肪を効果的に減らすことができる。とか、焼酎のお湯割りは、グラスに先にお
第91号『5432100』
先週末、今年最初のレース「新宿シティマラソン」に参加した。 場所は千駄ヶ谷にある陸上競技の聖地、国立競技場。 その競技場のトラックからスタートし外苑外周を走り、また競技場にかえってくる10キロのコースである。 昨年からタ
第90号『こだわり』
(こだわり)ということばが溢れている。 少し早い時間だがランチを食べようと、最近出来た有名和食料理の店に入った。 照明や内装も凝っている。 ランチメニューから一品選び、注文した。 ウエィターは、料理の用意に20分ほど時間
第89号『虚食症』
腹がへったら食べる。 健康な体は、それを美味いと感ずる。 しかし、以前に比べ、食べ物に力がない。と思うことがしばしばある。 1950年に作成された初訂日本食品標準成分表と、2000年に作成された五訂日本食品標準成分表に記
第88号『誤訳』
父親に折檻され、電気ショックで息絶えた女の子の事件が昨年末あった。 母親に放置され、餓死した男の子の事件もそう古い話ではない。 いずれも、不快な、でも、ありふれた日常の事件として、新聞の片隅に記載されていた。 こうした事
第87号『火をおこす』
年末、南房総千倉町にある「海岸美術館」を訪ねた。 この美術館はカメラマン、浅井愼平氏の個人美術館である。 氏の代表的な写真が飾られた空間の一角に、美術館にしては珍しいモノがあった。 薪を焚く暖炉である。 夕暮れ、閉館まで
第86号『未来日記』
ここ数年、この季節になると決まって本屋さんや文房具店のスケジュール帳が並べられているコーナーを徘徊する。 今年と同じものを使えばいいじゃないかととも思うのだが、なんだかいまひとつ気に入らず、これはというものを求め、結局探
第85号『チャレンジ』
妹の病気見舞いで帰省した。 山の中腹にある青森空港は一面、雪に覆われていた。 その景色の中、ところどころに、ななかまどの木々の赤い実が鮮やかな色を挿していた。 空港からバスで家路に向かう。 モノトーンの世界を眺めながら、
第84号『醜さということ』
また近所に、ミニ分譲地が造成されている。 さらに、そこから数十メートルも離れていない空き地に部屋数、数十個の集合住宅が建設予定との看板が立った。 不景気が叫ばれて久しいが、住宅建設の需要は止まることを知らないかのようだ。