第1091号『心の壺の奥底に沈んでいた記憶』

時々、心の壺の奥底に沈んでいた記憶が蘇ることがある。過去の行動や決断が違えば今どうなっていただろう、そんな妄想のなかで遊んでみるのも一興だ。 大学3年の夏、デザイン史の研究者になることを諦めた。恩師、柏木博先生の弟子とし

第1090号『毎週、書くということ』

ファンサイト通信も、気が付けば今号で1090回目。あと10回で1100号。書き続けているかぎり、数は単に通過点にすぎないが、それでもなんだか頂上の見えない山を登っているような感じだ。そして、もう一つ。毎週、書くということ

第1089号『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』

昨夜、三宅香帆著『なぜ働いていると本が読めなくなるのか』を読了した。タイトル通り、働いているとなぜ本が読めなくなるのかについて、日本の近現代の労働の変遷と読書との関係を分かりやすく順を追って解き明かしてくれた新書本である

第1088号『あんこを煮る』

歳を重ねて、新たに発見したことがある。それは、僕は甘党で、それもかなりなあんこ好きだということを。 この発見のきっかけは、2年前の1月2日、僕の誕生日に家族が集まった日のことだ。夕食までの間、孫娘とバレーボールをして遊ん

第1087号『映画『国宝』を観た』

週末、妻と映画『国宝』李相日監督作品を観た。6月6日(金)に公開されたばかりの作品だから、口コミなどの事前情報もほとんど入っていない状態での鑑賞だった。エンドロールが終わっても、しばらく席を立てず、ただただいま観た映像体

第1086号『絶滅美味』

先週、旧友本橋松二の写真展へ行った。場所はかつて四谷第四小学校校舎をリユースしたスペース。今回の展示は、舞踏家森下こうえん氏を題材にしたものである。その帰り、久しぶりに四谷三丁目に来たのだから、「八竹(はちく)」で大阪鮓

第1085号『線を引く派』

本を読んでいて、気になる箇所に線を引く派(そんな派があるかどうかは定かではないが)である。書物を汚すことはもってのほかとのお叱りを受けるやも知れないが、むしろ本に対しての愛情表現であるとすら感じている。ともあれ、この方法

第1084号『2025WTCS横浜大会レースの報告』

先週日曜日、第15回World Triathlon Championship Series YOKOHAMA「世界トライアスロンシリーズ(WTCS)横浜大会」に参戦した。今号ではその模様を報告したい。 この大会、土曜日は

第1083号『あとは楽しむだけ』

いよいよ今週の日曜日、第15回World Triathlon Championship Series YOKOHAMA「世界トライアスロンシリーズ(WTCS)横浜大会」である。 僕は第5回大会から毎回参戦しているので、今

第1082号『人生ラスト10年問題』

2002年にノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンの研究発表によれば、幸せには長続きしない幸せと、長続きする幸せがあるという。長続きしない幸せは、お金やモノ、そして地位など、人と比べる「地位財」と言われるものだ。