第199回 Unite and Against2 つぶされたイベント

横浜中華街 関帝廟にて 関羽も怒ってます
横浜中華街 関帝廟にて 関羽も怒ってます

前回このブログでお伝えした7月開催の復興支援の写真展。

そのお話しを聞いた数日後、Nさんからメッセージが入りました。

「実は開催場所であるデパートのトップからいきなり中止と告げられた」というのです。
担当者ベースでも内諾をもらっていたそうなのですが、理由は「震災の姿を見せて客が呼べるか」という
ものだったそうです。

提案したNさんは、第1弾としてその震災から立ち上がる姿を描き、かつ第2弾として石巻出身の有名な漫画家石森章太郎さんの写真展も提案していたそうです。

それは、あくまでも子供たちに希望をもたせ、この震災について考えさせるという写真展の戦略ができていたにも関わらず、やはり最初にシビアな現実を見せることが集客という意味でマイナスになる、と考えた経営サイドの一声で中止になることが決まったそうです。

私はその展開に「びっくり」そして「がっかり」すると同時に「やはり」とも思いました。

先週のブログには書きましたが、震災後起こっているムーヴメントは、私が記憶する限りまさに日本人が、市民として初めて直面する局面であり、そんなに簡単にはいかないという意味で「戦い」のはじまりなのだという認識でいたのです。

そんなような今まで体験したいなかった「ひずみ」的な現象が震災関連のニュースを通じていくつも出てきています。まさに「うみ出し」のような感じですね。

興味深い例としては朝日新聞が行った世論調査では、実に74%の人が原発の段階的廃止に賛成という意思表示をしたにも関わらず、全国47都道府県の知事に同じような質問をしたところ「やめるまたは減らす」と答えたのは11人、「増やす」は0人、そして「無回答」は実に31人、残り5人は「現状維持」だという結果を読みました。やはり今までの産業構造的に民意を知っていても意思表示ができないという現実を象徴的にあらわした結果ですね。

参照記事 http://www.asahi.com/politics/update/0615/OSK201106150211.html

また自民党の石原氏(都知事慎太郎氏の息子さん)にいたっては「反原発は集団ヒステリーだ」との発言。政権交代を唱えるのもいいですが、7割以上の合意を得た民意を「ヒステリー」といってしまう感覚に、彼らが普段市民感情をどう見ているかという地金の部分が垣間見えてしまいました。

その反面、確実にいろいろな Unite & Against (連携とたたかい)の流れも出てきています。
先日もこれもまたフェイスブックを通じて知り合った出版社のFさんとお会いし、今後にむけてこれを一元的なムーブメントにせず、これから新しいライフスタイルを提言していけるような流れをつくっていこうと盛り上がりました。

今の時代は個人的に「幕末」と似ていると思います。
世の中を変えようというパワーと、古くからの価値観に基づいたパワーとの戦いは、まさに幕末の日本と似ていると思うのです。
幕末の志士は、未来の日本の為を思いその命をかけていったわけですが、私達にとっても未来の日本の国を子供たちに引き渡すうえで、この戦いだけは止めてはいけないんだと改めて思った今回の出来事でした。

とはいえあまりヒートアップしすぎず、押しつけになりすぎず、あくまでも自然の道理として、新しい価値観に基づいたライフスタイルを創り出すために、息の長い動き方をしていこうと思います。

ちなみに写真展の中止を宣告されたプロデューサーで福島出身のNさんはじjめとするKSVNの人たちとは、引き続きこの企画を実現させる為に協力してくれるところを探そう!必ず実現させよう!と固い握手を交わしました。
皆さんのなかで何か良い情報を頂けたら嬉しく思います。

これからもよろしくお願いいたします。

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