第94回 アイデア・アイデンティファイのたたかい

080221_0611~0001

あきれるというかなんというか。
腹立たしさもここまでくると麻痺してしまったほうがラクな気もします。

「道路調査報告書:3部で9千万円、内容もずさん 公益法人」
国土交通省所管の公益法人「国際建設技術協会」が07年、道路特定財源約9200万円で
作成した海外の道路事情の調査報告書が、わずか3部しか作られず、インターネット上の
百科事典「ウィキペディア」の表を丸写しするなどずさんな内容だったことが、21日の
衆院予算委員会で分かった。    2月21日付「毎日jp」より引用

ご存知ウィキペディアはウェブ上の「辞書」で、ネットユーザーが自由に書き込める
技術を使って普及した素晴しい仕組みですが、一般の人が書き込めるという仕組みから間違った
事実も散見されます。またそのリスクがある、と明示されています。

私達はウェブサイトや紙といったコミュニケーションツールを制作することが生業ですが、
川村が創りあげた「ファンサイト」という「知財 アイデア」のクオリティを高めるために、
まさに全員で必死に考えます。
今は自分からアイデアを提示したりというレベルではなく、宇田先生や川村の経験則から
導かれる考えに対して私見を述べるレベルですが、それでも自分がそれなりの根拠をもって
意見がいえるように意識をしています。

上の記事がどこまで本当なのかは分からないのですが、しかし日本は「知財 アイデア」の
価値に対する意識のなんと低い国なのだろう、と思います。
ウェブサイトも通常1ページいくら、という製作会社が多いのではないかと思うのですが、それは
制作作業であるから、その表現に関するアイデアや知財は込み、ということになるのですね。
アドバイスベースならタダで、というのが当然。以前も我々が考え抜いて提案した名前がウェブ
で無断でそのままパクられ事情を正したところ、先方は何がいけないの?といったこともありました。
 え?この業界ってそういうものなの?正直経験の少なかった私は驚きました。

しかし私達はアイデアを提示するだけでなくそのアイデアを形にしていく課程も含め
お客様と関わりたいと考えているのだ、とファンサイトにいながら分かってきたのです。

そのような社会的土壌の上に立っている日本は、特許など知財の権利訴訟においては
欧米にほとんど100%負けると以前事情に詳しい後輩から聞いたことがあります。
また、青色ダイオードを発明した中村教授が記憶に新しいですが、彼が日本の行政の
特許に対する考え方に絶望し渡米した後インタビューで非常に厳しい苦言を呈していたのが
印象的です。

彼が正しいかどうかは別としてそれは当然だと思います。

1枚83,000円もするウィキペディアを写しただけの報告書がまかり通るく●ったれ
(すみません)なお役人さまが仕組みを作っていたりするのですからね。
しかし誰がその値段を決めるんだ?しかもそれは我々の税金ですよ。

弊社は1枚ナンボでないんですよ、これは知財~アイデアに対する価値なのです、という
ことを必死に必死にお客様に分かってもらおうとメンバー全員で時間とアタマを使っているというのに。

怒りで話がずれてしまいそうですが、自分の力不足を棚にあげていわせて
頂けば「他の制作会社よりも高いね」といわれた場合の我々の
「アイデア・アイデンティファイのたたかい」はまだまだ続いていくのだろうと思います。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA