第63回 女性社長の悲劇

070622

先日渋谷で起きたスパの爆発事故。渋谷の街中で爆発、6人が死傷するという惨事。
管理体制が不十分であったことから人災である疑いが色濃くなっています。

このスパの社長は女性起業家としてこの会社を立ち上げ、成功したことで大手企業の子会社として更なる事業拡大を図り、順風満帆にやってきたのに、このような事態に遭遇してしまったようです。

気になったのはその「順風満帆な」道のり。今回のような事態を招く危険性があることを、彼女が認識していなかったことが最大の原因であることは間違いないけれど、出資した大企業側の人間がどこまで真剣に考えていたのだろうか、ということです。

殆ど手弁当で始めたらしい彼女が大手の企業から出資を受けて事業拡大に乗り出した、それは勿論彼女の才覚が非常に優れていたことが原因なのでしょう。

しかし出資する側の企業が、新しい事業の業態に関して詳しく、しかも若くて見栄えのする彼女が「一タレントとしての価値がある」というような「無意識」が先行し、街中で爆発の危険性があるような事業を始めることに対しての危機管理意識は実は薄れていたのではないのでしょうか。本当に彼女のことを考えていたなら、厳しく彼女の事業計画に関して調査するべきだったのではないのでしょうか。

世の中には若くて容姿端麗、しかもビジネス、特に「起業家」としても非常に優秀な女性がたくさんいます。時代が変化し、優秀な女性がどんどん社会で活躍することはもう何も珍しくないし、すばらしいことですよね。

でも乗っているときはちやほや持ち上げ、過信と誤診に対して厳しく見る目をもった社会の先輩としてのアドバイスはせず、何か起きたらしらんぷり、ではあまりにもひどくないかな。

決してあの社長をかばっているわけじゃないですよ。でも今回の事件は若い女性が看板を背負いながら社会でやっていく中で「タレント扱い」すること、されることに対しての警鐘のような気がしてしまったのでした。

注意:写真は本文と何ら関係のあるものではありません。

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