ここ3週間ほど生来の段取りの悪さと新しいプロジェクトで忙殺され、このブログをお休みしていました。
4月20日に原発事故により故郷を追われて被災者として埼玉県の廃校に暮らす福島双葉町の人を追ったドキュメンタリー「フタバから遠く離れて」の横浜上映に併せ企画した「LINKS VOl.2 Two Leaves」からすでに1カ月。時間の過ぎる早さに驚くばかりです。
さて、遅ればせながらこのイベントの結果報告をしたいと思います。
ゲストとして同映画の舩橋 淳(あつし)監督、元NHKアナウンサーで市民メディア8bit News代表の堀潤さん、双葉町と同じく故郷を追われた富岡町の避難者 坂本建さんをお招きし、映画について、原発事故の現状について、そしてこれからのメディアの在り方について語ってもらおうというものです。

オープニングでは「フタバ~」の音楽を担当していた坂本龍一さんのビデオメッセージで第一部 舩橋監督と堀さんのトークが開始。
監督は、原発事故により、クランクイン直前だった映画がすべて振り出しに戻ってしまったことから、まさに奇跡的なラッキーが重なり、破滅的な事故にならずに済んだこと、そして日本の政治・地方自治システムの問題などをお話しされました。
今「フタバ~」の2014年公開の続編に着手されており、その予告編も国内初公開で見ることができました。
堀さんは原発事故を通じて、これから市民が原発問題に限らず真実を追求し、意識を高めていくための「市民ジャーナリズム」の醸成が必要であり、それをマスコミと繋げていく役割として自分が立っていきたいとお話しされました。

第二部は福島 富岡町から横浜に避難している坂本建さんを交えて4人でトーク。
一向に進まず先の見えない被災者支援の現状から、そしてこの事故責任の追及を子供たちのためにも続けること、被災者救済の活動への決意、そしてそのための組織として立ちあげた「避難・支援ネットかながわ」の活動についてお話しされました。

盛りだくさんなテーマでも、皆さんの話したいこと、それぞれの立場からどの話も非常に興味深いし、考えさせられました。
興味深かったのは「映画とニュース」という異なるメディアの役割の違い。
映画で見せるのは「時間の経過」であり、言葉にならないものを伝えるのが映画であり、ニュースは言葉で伝えるもの、という舩橋監督の言葉に、いろいろなメディアに関わる人が、それぞれの立場で事実を発信していくことの重要性を感じました。
気がつけばあっという間に終了の時間になり、その後は来場者の方を含めた懇親会へ。多くの方の交流が生まれました。
主催者である私は、日本が直面している終わりのないこの現実を見つめていくために、この繋がり LINKSをこれからさらに拡げていくことの使命感も感じました。
過去の「LINKS」は2回とも震災・原発をテーマにしたトークセッションや展示イベントになりましたが、それだけに留まらず、今後もいろいろな側面から、繋がることの価値を感じることのできる場つくりをしていきたいと思っています。
ご来場いただいた皆さん、舩橋監督、堀さん、坂本さん、そしてこのイベントに協力してくれた多くの皆さまに改めてお礼を申し上げます。
ありがとうございました。

○参考
堀潤さんの主宰する「8bit News」に掲載されたイベント及びイベント後のインタビュー映像(横浜市民放送局協力)
・イベント映像「堀潤 × 舩橋淳トークセッション」
http://8bitnews.asia/wp/?p=11762#.UZ687Jzjstk
・イベント後のインタビュー「舩橋淳さん、坂本建さん、堀潤さん、柳澤史樹さんに市民の情報発信を聞く」
http://8bitnews.asia/wp/?p=11766#.UZ69Y5zjstk
・イベントをきっかけに東京新聞に取材、掲載された坂本さんの記事
http://www.tokyo-np.co.jp/article/kanagawa/20130430/CK2013043002000106.html