徒然草

2017年01月24日第63回 浪漫飛行

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 初めて、沖縄に。僕にとっては、1990年代の良い時代にTVCMで流れる流行りの曲と緑色の海が勝手に頭の中でシンクロしていただけの琉球諸島を県域とする県でした。常に米軍基地の移転問題や安全保障の問題が伴い、ことあるごとにニュースとなるのですが、その実感は東京で暮らす身には正直なところ皆無です。地理的な要因によって、1月下旬の肌寒い風の中、その風が止めば暖かい日差しに身を包まれ異国情緒漂う島は、人々の言葉や仕草、建物や景色が普段見聞きしているそれとは異なり、まさに外国に感じます。

 美しい海を汚さないためにベッドメイクを3~4日に1度しかおこなわないホテルの方針には素直に感心しましたし、実に産業の8割が第三次産業であるというこの地方の特徴を表しています。自分たちの美しい自然という資産を守ろうとするローカルの姿勢は、とかく東京だけが日本であると勘違いしがちな日常に一石投じてくれます。ワシントンとニューヨークだけが合衆国であるという誤解に疑問をなげかけた大統領選で大統領となったドナルドトランプの就任式の中継が、僕の気持ちをより一層そう思わせるのかもしれません。同じ国でありながら「大切なもの」が違うと感じてしまうのです。

 資本主義社会の発達でこれだけ価値が多様化した世の中なので、大切なものが各々異なるのは、必然なのでしょう。一説には人が自然の驚異から自由になったときから、身を守るために群れをなす必要性は希薄になり、家族という概念も次第に薄れて「個」を尊重するように価値がシフトしたといわれています。「個」か「組織」か、という議論については、高められた強靭な個の集まりこそが強い組織になると僕は結論付けていましたが、それこそ価値観のあまりに異なる個の組織化は極めて難しい作業だと思うのです。

 逆に言えば、価値観や理念を共有した質の高い「個」の集まりは、強いということです。ハッピーエンドへの道筋はいくつもあると思われるし、方法論は千差万別だといえます。「勝てば官軍」なのかもしれません。そのいくつかある道筋のベクトルを共有することこそが大切で、どの道を選択するかは議論し決めればよいと思うのです。つまり各々の大切なものを共有して、個をぶつけ合い方法論を導けば、強い集団が生まれるということです。
 終戦後70年以上経った今なお、戦争について語る売店のお年寄りの話を聞き、同じ国にいながら、あまりにこの地について知らなすぎる自らの歴史的認識の浅薄さを省みるとともに、勝負事に勝利するためにどうすればよいか、考えてみた初めての沖縄でした。

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執筆者

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南谷 康宗

経営家・個人投資家・事業戦略家

慶應義塾大学法学部卒
幼少を欧州で過ごし、帰国後サッカーに没頭。

中学からエスカレーター校に入学し、順調にスポイルされ大学卒業。 10年の金融機関勤務経験を経て独立。
現在は複数社で取締役を務め経営に携わるとともに自らも投資家として複数企業に資本投下。

クライアントの依頼に応じて事業ごとの戦略策定と起業にも携わる。
小さな成功と大きな失敗を繰り返し、不惑40歳を超えても迷い続ける人生の旅人。

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