ファンサイト通信

2021年03月11日第900号『900回目の深呼吸』

【Number】

僕たちは普段、無意識に息を吸いそして吐いている。
考えるまでもなく、それが当たり前であり寝ている間も休むことなく血液は巡り心臓は動き呼吸は続けられる。
呼吸は心臓や血液循環などと同様に生命を維持するための活動であり、自分で意識して動かしたり止めたりすることは本来、出来ない。
しかしながら、これらの生命維持活動の中で、唯一意識的にコントロールできることがある。
それは呼吸である。

昨年から週2回、YTRI(横浜トライアスロン研究所)主催のストレングス(筋トレとストレッチを組み合わせたメニュー)のリモートトレーニングに参加している。
その内容は、火曜日は下半身の強化、そして金曜日は上半身の強化に分け、様々なプログラムを行っている。
ストレングスの初っ端は、毎回呼吸トレーニングからだ。

まずはストレッチ用のマットに仰向けになり、ながく強く息を吐き、次に深くたくさん息を吸う。
この動作を2分ほど続ける。
さらに、吐き切り吸い切る呼吸(口からハッハッハー、鼻からスッスッスーといった感じで)をリズムよく2分ほど続け、最後に両肩、腹筋を意識して背と脹脛を地面に軽く押しつけるようにしながら深く呼吸を繰り返す。
いずれの場合も、一度口から息を全部吐いて、次に鼻から深く吸って、口から長く吐く。
うまく腹式呼吸をするコツは、息を吸うときに背骨側の内蔵を床に軽くグーッと押し下げることだ。
こうすると横隔膜が下がる。
そして、吐くときはできるだけ均一に、お腹の筋力を保ちながら空気を出していく。
この呼吸を少なくとも5分から10分間行う。

この呼吸トレーニング続けて、気がついたことがある。
呼吸をして2.3分も経つと、いつもは冷えたままの手足の末端がぽかぽかしてくる。
肺から酸素の濃い血液を身体の末端まで巡らせることで、驚くほど暖かくなり、そして元気が湧いてくる。

普段パソコンに向かっていると、知らず知らずのうちに背中が丸みをおび、胸の幅が狭くなる。
そして、思いのほか浅い息をしていることにも気づかずに過ごしている。
そのまま放置すれば、間違いなく年々歳々筋肉量も低下し、呼吸に使う筋力や肺の弾力性、収縮力も衰える。
その結果、肺で息を吸う量も減り、息を吐く力も弱くなる。

ところが、こうした血液中の酸素濃度が多少薄くなっても、人はその状態に慣れてしまう。
だから、急ぎ足や階段の上り下りに息切れや動悸が起こる。
さらに怖いのは食事中、食べ物を飲み込むたびに呼吸を一時止めるので、血液中の酸素がさらに薄くなり、疲れを感じ食欲そのものが減退する。
この現象は、なにも高齢者に限ったことではない。
いまや、20代30代にもこうした症状がみられると聞く。

間違いなくこれからは、喉、胸、横隔膜、腹の筋肉を鍛えることが重要になる。
そして、一番手軽で効果があるのが、呼吸トレーニングだ。

この呼吸トレーニングをしていて感じたことがある。
何かに似ていると、そして、分かった。
そうか!、ファンサイト通信を書くことに似ているんだ。

概ね、何事もなく過ぎていく平坦な日々。
それはそれで、なんの問題もない。
でも、ほんの少し立ち止まり、一週間の、その時々にあった事柄や感じたことを見つめ直してみる。
何事もなく過ぎてゆく(浅く息を吸っているかのような)日々を立ち止まり、注意深くみれば驚くほど様々な彩りに満ちている。
そうした事柄を、自分なりの言葉を紡いで書き続けている。
それはまるで、一週間という時間と空間の呼吸をして僕の頭と身体の隅々まで酸素を送り、心の有り様を整えているかのようだ。

今回、900回目の深い呼吸をして心の有り様を整えた。
そして、901回目へと、ながく強く息を吐き、深くたくさん息を吸う。

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執筆者

川村隆一

川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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