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第769号『映画雑感』

【サントラ盤】

週末、映画『シェイプ・オブ・ウォーター』を観た。
ギレルモ・デル・トロ監督はこの作品で第90回アカデミー賞、監督賞
・作品賞・美術賞・作曲賞と今回最多の4つの賞を獲得、加えて第74回
ベネチア国際映画祭で金獅子賞にも輝いた。

ストーリーについては観てのお楽しみだが、舞台は米ソ冷戦下1960年代
のアメリカ、発話障害で声が出ない主人公イライザと、人ならざる不思
議な生き物(彼)とのラブ・ファンタジーである。

声を出せない主人公イライザ、人ならざる不思議な生き物の彼、さらに
イライザの友人たち、その一人がアパートの隣室に住むイラストレータ
ーでゲイのジャイルズ、そして仕事場の同僚で不器用なイライザを気遣
ってくれるアフリカ系女性のゼルダ。
監督は、いわば虐げられた側の人々の心象風景を描いている。
そう言えば、監督のギレルモ・デル・トロ自身もメキシコからの民で
ある。

そして、先月観たミュージカル映画『グレイテスト・ショーマン』マイ
ケル・グレイシー監督作品もサーカスを舞台に、様々な個性をもちなが
らも日陰で生きていた人々にスポットライトをあて、成功を収めていく
という展開である。

これも、前評判のいい映画『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』
マイケル・ショウォルター監督作品、(第90回アカデミー賞において脚本
賞へのノミネート)この作品は、パキスタン出身の男性コメディアンとア
メリカ人女性のカップルが、結婚に向けて様々な障害を乗り越えいくさま
を実話をもとに描いた作品である。

いま、話題になっているこれらの作品のポイントは何かと考えてみた。
共通するのは、多種多様(異形)な人々の智慧と才能によって、そしてな
によりも他者に対する愛によって成り立っている点である。

穿った見方かもしれないが、トランプ政権(白人至上主義的な発言や排他
的な移民排除などの政策)に対する、映画界(ハリウッド)からの否とい
うメッセージのようにも感じた。