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第54号『パラダイムシフト』

答えは常に問いの中にこそある。
例えばニュートンが万有引力を発見したのも「なぜりんごが樹から落ちるのか」という問いを設定できたからこそ、その答えを導き出すことが出来たのである。
だから、もし答えが見つからないとすれば、それは設問の立て方が間違っていると考えるべきである。

「出口の見つからない不況」というワードを見聞きする度に、この根底には「不況」は特殊な状況であり「好況」が本来の姿である。とする思いが見え隠れする。

つまり「好況」が当たり前であり、「不況」はその当たり前が一時、途切れただけなのだからいずれこの「不況」は終わりうる。と

しかし、よくよく思い返してみれば、ほんの数十年前まで経済など一部の人たちの関心ごとでしかなかったし、近代以降に限ってみても「不況」という事象はそれほど珍しいことではなかった。
むしろ発展し続ける「好況」のほうが異常な事態というべきである。

だから「どうしたら景気回復するのか」という設問が間違っていたのだ。
「不況」こそがこれからも続く現在であり前提なのである。

それはむしろ、とてつもない事態を未然に防ぐための摂理のようにも思える。
温暖化により南極の氷が溶け、水位が上がっていることをだれもただちに止めることはできないし、国家に対するテロルを根絶することも不可能である。

とてつもない事態はある日突然には起こらない。
とてつもない事態になるまで放置しておいてはじめてその現象は顕在化するのだ。

左様にみれば、正しい設問は「20世紀型思考を終わらせ、それに変わる思考をいかにして獲得しうるか」なのだ。

映画『ブレードランナー』でレプリカント(人間に模した人工生命体)を追う調査官デッカード(ハリソンフォード)の設問がレイチェルをレプリカントと見分けるのに十分だとしても、結局デッカードが選んだのは彼女との逃避行であった。

答えの先延ばし、あるいは答えのない問い。

普通、われわれは答えのない設問を「混沌」と呼ぶ。
そして「混沌」が生み出すエネルギーが、その先にある新たな次元を切り開く。

しかし、デッカードの「劇中で宴会が始まる。オードブルは生ガキ、次にゆでた犬が出てくる」という問に、レイチェルはまだ答えを出してはいない。

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