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第521号『言い訳』

【並んだ風情がいいんだな】
【並んだ風情がいいんだな】

一年ぶりの人間ドックである。
姑息とは分かっているが、酒を抜いた。
一週間前、思いもよらず風邪に罹り、その流れでプラス3日、計10日も飲まずにいた。
ここ数年、いや、十年以上こんなにも体内に上善たる液体を入れずにいたことはなかった。

驚いた。
この間の体重の減り方にだ。
朝、昼、晩と食事を普段と変わらずに摂っていたにも関わらず、75キロから72キロまで落
ちていた。
普段でもその日の体調で、朝と夜では1キロ前後は簡単に変動していたが、それにしても、
わずか10日余りで3キロの減。
ダイエット療法のようなものは一切していないのにこの変化。

要するに、酒である。
食事の量に時間が増し加わり、結果として体重に反映していたのである。
いかに、酒が食べ物を旨くし、且つ語らいの時を楽しく、長時間にわたり手と口を動かせ
ていたかということの証左である。

しかも、気になっていた血圧も見事に下がっているではないか。
まだ、検査結果がすべて出たわけではないから、どうということも言えないが、それにし
ても身体的な問題の大凡の根源が白日の下に判明した。

しかし、なんというか、ここ数日の食事はつまらなかった。
酒のない食事は、あっという間に終わるのだ。
腹が満ちて、本を読んでいてすぐに眠くなるのである。

あえて言えば、色・艶・輝きの欠片もないのである。
独りぼっちな気分になる。
除け者にされた感まである。
教養を身につけていない者にとって、酒なしで時間を潰すことは至難である。

故中島らもはこの事態を看破していた。
「自分一人で時間を潰すことができる能力のことを教養というのだ」と。
けだし、名言である。

しかるに、教養とは縁のない僕は酒を片手に、妻や友と語らい食事を伴にしたい。
これ以上、極上の時間があるはずがない。
さて、今晩、久々に杯を酌み交わすとするか。

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