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第297号『所作』

【もののけ姫レイアウト】
【もののけ姫レイアウト】

生物学者スティーブン・ジェイ・グールドの『フルハウス・生命の全容・4割バッターの絶滅と進化の逆説』によれば「ジャンルが成熟していくと平均化する」と言及している。
かつてメジャーリーグでは4割を打ったバッターは20名ほどいた。
しかもRogers HornsbyとTy Cobb は3回、Geoge Sislerは2回も4割を越えている。
しかし、Ted Williamsが1941年に4割バッターになって以来、現れていない。
いまは、あのイチローでさえ至難である。

週末、東京現代美術館で開催中の「スタジオジブリ・レイアウト展」を観た。
いわば、現存するアニメ界の4割いや10割バッターともいえる高畑勲氏・宮崎駿氏、両監督のレイアウト展示である。

レイアウトとは、一枚の紙に背景とキャラクターの位置関係、動きの指示、カメラワークの有無やそのスピード、撮影処理などアニメで表現される全てが網羅された「手書きの設計図」である。
レイアウトを制作行程に取り入れるシステムは、1974年に「アルプスの少女ハイジ」で、この二人が本格的に導入したものだという。

PCもCGも使わず、ひたすら手書きによるレイアウト。
その数1300点、それもごく一部だという。
圧倒的な量に驚かされた。

野球にしろ、アニメにしろ、商品にしろ、いままさに私たちの身の回りに存在する大半のモノが、それぞれのジャンルで成熟し平均化している。
それも、もの凄いスピードで、だ。
次々と新しいアイデアを開発しても、直ぐに競合するモノの中に埋没してしまう。
コモディティ化された結果、差別化しにくく陳腐化するスピードも速い。
次々と現れては消えていく繰り返しだ。

しかし、こうした状況下にあって、このレイアウト展にはコモディティ化を突破するためのヒントがあるように思えた。

「ものをつくる」こととは手順にこだわり所作に拘泥すること、つまり、身体的振舞いを数限りなく繰り返し、身に付けることなのではないかと改めて感じた。

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