知識が「ない」よりは「ある」ほうが良いことは自明である。
しかし、さりとて「知識がある」こと自体にあまり意味を感じない。
なぜならば、好奇心や行動を喚起されるのは、もうすでに「わかっていることがら」を確認するためよりは、「わからないことがら」に出会い、その解明にワクワクしている時のほうが圧倒的におもしろいからだ。
それは自問自答する時ではなく、誰かと共同作業のなかで発見することが多いように思う。
経験則的にいえば、自らが知りたいと思うことは書籍であれ、人であれ私と他者との対話のなかからしか生まれえないからだ。
昨年立ち上げた私的な勉強会「一揆塾」は、商品にしても、サービスにしても、発想と行動のいわば、コモディティ化し、硬直化した現状を打破するための施策をさぐるものだった。
だから05年度のテーマは「欲望の一元化を越えて」とした。
第1回目はその基調講義として、弊社顧問でもある、コミュニケーションプランナーの宇田一夫氏によって行われた。
以下、昨年行われた講義一覧である。
第1回
講師:宇田一夫氏(弊社顧問・コミュニケーションプランナー)
テーマ:「欲望の一元化を越えて」
第2回
講師:平野信介氏(元産能大学教授)
テーマ:「人生に必要なお金の考え方」
第3回
講師:藤居穣太郎氏(藤居事務所代表・元ファーストキッチン社長・元日本サブウェー社長)
テーマ:「これからの外食産業の行方」
第4回
講師:野村秀之氏(株式会社博報堂ニュービジネス開発推進部部長)
テーマ:「これから広告は何処へ向かうのか」
第5回
講師:島本和彦氏(NHK BS NBA解説、元月刊バスケットボール編集長)
テーマ:「スポーツ新リーグプロバスケットボールbjリーグの光と陰」
第6回
講師:清永浩文氏(SOPH代表取締役)
テーマ:「SOHP.ファッションを越えて」
毎回、すごい講義http://fun-site.weblogs.jp/が展開された。
そして、ぎらりと光る刃のような言葉が飛び交った。
ひょっとすると「一点突破、全面展開」できるのではないかと思った瞬間もある。
しかし、ことはそれほど単純でもなければ簡単でもなかった。
だから、もう一度、愚直にテーマ設定から見直し「一揆塾」を再開したいと考えている。
06年版「一揆塾」はいよいよ6月開講である。