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第14号『裸の王様』

元来、生産と消費は一体であった。

働かざる者食うべからず。なのである。

中世の王侯貴族は庭の隅に吐きながらご馳走を食べ続けたという話しを阿部謹也氏の本で読んだことがある。 いま私たちがいる2002年日本の状況は消費者が働かず食い続けるという中世王侯貴族的風情である。 (そういえばいつのころからか消費者は王様と呼ばれるようになっていたな)

消費者consumerはconsumeする人なのである。 つまり「食い飲み尽くす、使い果たす、消滅してくれる」人、なのである。

企業が作ったものをともかく食い飲み尽くし、使い果たしてくれる からこそ企業は発展し成長してきたわけである。 それは日本がかりそめのお金持ちになったという20世紀最後の寓話でもある。そしてその前提を変えることなく消費者にとって安くて良いものを提供することが企業の使命といまだに信じ、人件費の安い地域で大量に生産し日本で消費する仕組みを続けているのである。

それゆえ衣料や食料、機器生産のため多くの日本企業が中国を はじめとしてアジアにその拠点を日本から移行している。

去年の春、中国から輸入される野菜に関税をかけるセーフティガード発動がニュースになった。 しかし、よく考えてみればそのほとんどの野菜は日本の企業が中国で生産し日本に輸出し日本が消費しているわけである。 つまりこれは「中国と日本の問題」などではなく 「日本と日本の国内事情、あるいは日本と日本企業の問題」なのである。

友人や知人、そしてぼくの回りの少なくない人々の現状は生産のベ ースを消滅させられ働く意味と場を奪われ立ち尽くすしかない状態に置かれている。

「不景気になったとはいえ日本の消費者は世界でも有数の金持ちだ」と言い続ける人たちの根拠が見えない。 金融とかサービスとか知的生産者になれという話も聞こえてくるがまさかラスベガスのように日本中が国家としてギャンブル産業でもやれということなのであろうか?

すこし大げさに言えば日本人が「いま他者との関係」で本当に必要とすることとはなにか?

本来、他人の本当の需要を満たすことが仕事であるとすればその問いの先に一度、王様になった日本人のこれからの仕事が見えてくるのではないかと思う。

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