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2008年02月 アーカイブ

2008年02月07日

128回「まず「世の中貧乏だ!」を認めよう!」

08年になって景気は失速常態を加速してきたようです。
期待の「新富裕層」も多くは株や不動産などのお金転がしが富の源泉であるためアメリカ発のバブル崩壊の波をもろに被っていますし、また優良企業も円高、原油高で一挙に先行きは暗い見通し。
オマケに国の舵取りの責任者たちはアメリカが不況の大本だから仕様がないと能天気。
海外投資家は日本を見放して、いまや「日本経済は一流ではないこと」が裏付けられてきています。
お金持ち、つまり自由に際限なくお金をばらまいてくれる人々は、これから日本を去っていくことでしょう。
なぜなら日本はお金の使い甲斐がないし、景観も生活環境も決して良いわけではないからです。
したがってこれから日本にいる人は、日本を脱出できない貧乏な人ばかり。
貧困列島日本です。
黄金のジパングではなく灰色のジャパンです。
新春早々景気の悪い話です。
でもおよそ良いことの予測ははずれるものですが、悪いことは的中するモノです。
これからは「貧乏」を常態と覚悟しなければならないでしょう。
そこで「貧乏」を前提の暮らしのデザイン仕直しが急務となってきています。

現在の消費市場のほとんどは長年にわたって豊かさに浸ってきた世代です。
このことはこれからの「貧乏」時代には幸いなことかも知れません。
何故なら彼らは真の貧乏を知らないし、また現在が実は「豊かさを偽った貧乏」であることもさえ知らないからです。
例えば食事。
飽食がもたらしているものを考えれば、食事がいかに貧しいか、理解できます。
自分のクルマがなければ本当に暮らしていけませんか?
都会はいいけど地方ではムリだという声もありますが本当でしょうか?
マイカーは豊かさをもたらしましたか?
人間関係でも同様です。
お金を払えば優しさも温かさも購えると思うほどの貧しさ。
例を挙げたら切りがないほど貧乏いっぱい日本です。
 
某元気印の野球監督は「日本はユタカ」と言っていましたが、所得格差の大きさを示す総体的貧困率は世界でアメリカに次いで2位、また絶対的な貧困*が上昇した世界唯一の国という事実を知らないのでしょうか?
でもこれって私たちの多くが表面の華やかさに幻惑されて、ほんとうは「貧乏」になっていることを知らない、または知っていてもその事実から目を背けている気もするのです。

まさに私たちは童話の「裸の王様」です。
お話では子どもがその事実に気が付かせてくれるわけですが、いまや貧乏を事実として認めるのは私たち自身でなければなりません。
こうしたことについては、とりわけマーケター達の役割は重要です。
何故ならその役割は「貧乏へのソフトランディング」だからです。
人々の誇りや夢を損なわないで貧乏を「新しい豊かさ」へと導いてショックを少なくしていくためのコミュニケーターとして機能しなければならないからです。
 
かつて優秀な先人が「贅沢は素敵だ」という名言を残しました。
賛成です。
人は「貧しさ」には耐えられません。
「我慢もいや」です。
だから「貧乏」はマーケターすべての挑戦課題です。
 
成熟期を経た消費社会は、いたづらに「安さ」を求めず、「利便性」と「こだわり」がニーズとなりつつある社会です。
お金がたっぷり、資源多消費、負をより貧困国につけ回す従来発想を断ち切った「新貧乏&素敵ライフスタイル」の提案にはこうしたトレンドは追い風でしょうし、このエネルギーを離陸の力として利用出来るはずです。
貧乏を楽しむ創造性に富んだマーケター達のダイナミックな活躍を期待したいものです。

*絶対的貧困とは所得、栄養不良、不健康、教育欠如など人間らしい生活からほど遠い状況のこと

2008年02月21日

第129回『「お客様に聞く」のは愚の骨頂』

最近に気になっていることは、「当たり前」化の進行が早くなってきているのではないか、と言うことです。
こうした流れは、製品すべてに当てはまることですが、とりわけ感じるのは、サービスという見えない製品を扱う分野です。

サービスビジネスとは何か?ですが、一言で言えば「お客さまの体験」を売ると言うことでしょう。
そしてここにきて、このお客様体験が陳腐化していくのが急速で鮮度が落ち、しかもこの陳腐化が、サービスを提供する側に深刻には実感されていないことにより、売り手と買い手とのギャップが思っている以上に広がっていると思われるからです。
極論すれば、老舗、名店などサービスビジネスに自負を持つ売り手ほど、実はお客知らずの「落とし穴」に嵌りがちです。
 
理由の一つには、サービスは、日々の研鑽とそれの積み上げにより質的向上が果たされる性質があるからで、当然、老舗ではそれぞれサービス開発・向上に確信を抱いて経験を重ねてきている筈です。
しかし問題はそうした努力が「お客様」との関連で行われているかです。
冷静に眺めると老舗の伝承が、実際には狭い自社の世界だけの内部志向的な自己満足に過ぎない場合も多い。
さらに、過度な自負はお客様を見る目を曇らせがちです。
例えば老舗で言う「伝統」。
これを唱えていれば組織としては安泰ですが、しかし、その「伝統」は「お客様にとっての価値」となっているのでしょうか?
とりわけ注意すべきは、初めてのお客様と頻度高く来店されるお客様とは期待も満足度も異なると言うことです。
そしてお客様の期待と満足は、提供されるサービスを経験する度に高度になり、併せて変わっていきます。
極論すると「お馴染み」はいないと言うことでしょう。

リピーターをいかに確保するかが主戦場のいまのサービスビジネスでは、以前にまして実績と経験、そしてお客様を知っているという自負が危険なものとなりました。
それらはともすると提供する体験の変化や革新にとって障害なることが多いからです。
このことをあの国民的な番組であるNHK[紅白]は見事に証明しています。
小手先の細工のみでおおいなるマンネリを惰性的に続けている結果でしょう。
 
それではお客様の期待に応え、満足を維持し、さらに刷新するにはどうするか?
温故知新ではありますが、「街」に出ること、「自身に飽きること」そして「お客様の暮らしを見据え充たされていない何かを発見すること」以外ありません。
また人事的には古いことにこだわり、新しいことを受け入れない人の排除です。
いずれにしろお客様は自身の期待などは自覚していないのが普通です。
「どうすれば満足しますか?」などお訊ねすることは愚の骨頂です。
だから あなたのサービスと出会って体験して「あ、そうだったんだ」と思ったとき、満足が初めて充たされるのです。
こうした「お客様の体験」、あなたはどの様に取り組みマネジメントしていきますか?

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