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2007年07月 アーカイブ

2007年07月05日

第115回「嫌われ者、マーケティング。」

どのような会社でも、いつまでも企業活動を続けていくには顧客を獲得し維持しなければならないと言うことに異を唱える人は少ないと思います。

しかし、こうした単純な事実を実践する唯一の方策であるマーケティングの必要について、実際に会社ぐるみ、しっかりと認知されているか、と言うとおおいに疑問です。
それはなぜでしょうか?
この点について、かつてT.レービットは以下の理由を、「経営者の近視眼」で挙げています。
(1)目的の取り違えによる機会損失
(2)事業のコアとそのポテンシャリティを限定的に見ること
(3)自信のある製品への過信
(4)成長が永遠に続くものという思いこみ
(5)必需品であること、また代替えがないとの確信
(6)生産中心の考え方、企業文化
(7)技術偏重
(8)セールスとの混同
などなどです。まさに今とどれほどの違いがありますか?

サラリーマン経験者なら誰でも判っていることですが、以上のことは、企業やその経営幹部が絶対的な自信をもって自らの経営・行動指針としているものばかりです。
しかし、マーケティングに求められるのは、顧客から発想した「客観性」に他なりません。
またマーケティングの効果は即効的ではありません。
したがって短期的な答えを求める経営幹部には、効果も不透明な、かつ経営者から見れば「傍観者的な」マーケティングの提言は「おもしろく」ありませんし、さらには、成功体験があり、過信の罠に嵌っている場合、さらに「不愉快」でさえあることでしょう。
まさに、マーケターは嫌われ者と言えます。

サラリーマンは、生きていく以上、そうした経営幹部や組織の空気への「配慮」と「事実」との狭間で、せめぎ合いをするものです。
その結果、リスクを冒すことを避けるのが人の常。
昇進の可能性のある人材なら、「無難」な方向に与しがちでしょう。
要は「もの言えばくちびる寒し」です。

有名な3Mはポストイットの成功に10年かかったそうですが、マーケターの「配慮」を排除するための制度を設けると言う、遠回りとも思える努力と時間も必要であったとのことです。
マーケターの声に耳を傾けるには、組織人の心の壁がいかに厚いかを示している逸話でしょう。
こうしたことを熟知している「大人」のマーケティングサービス業の人々は、クライアントに逆らったりしません。

そして、心を砕くのはクライアント優先の四方丸く収める提案です。
そうした見事な成果は、およそ60年に渡る広告会社の変わらない姿と業界内においての勢力の構図だと言ったら言い過ぎでしょうか?
そして同時に「顧客は無視」されたままです。

以上の諸々は、まさに「嫌われ者」が好かれるために行ってきた涙の軌跡なのでしょう。

2007年07月19日

第116回「プロなんていらない!?」

マーケティングに「プロ」なんていらない、と言うと自らの首を絞めることになる気もして恐ろしいのですが、これって本当の気持ちです。
なぜならマーケティングは、本来経営トップの仕事であり、入社したての若い社員のようなぺーぺや外部の訳知り顔のちんぴらの手には余る仕事だからです。

確かにマーケティングにはそれを業とする学者やコンサルタントなど専門家は掃いて捨てるほどいますが、こうした人々が「プロフェショナル」かと言うと話は別でしょう。かつてマスコミを賑あわせた「プロ」が、自ら起業したオフィスの経営に行き詰まり自らの命を絶ったという悲劇を目の当たりしました。
これは極端な例ですが・・・。

どんな会社でも、その使命の第一は、いつまでもその活動を続けることで、そのためには顧客を維持し続けなければならないことは自明です。
そしてこの大切な顧客を維持するには、顧客の不満をできるだけ少なくし、さらに彼等の本当のニーズやウォンツを発見することで、それによって、はじめて、より多くの売り上げと顧客の増大を図ることができるわけです。こんなことはマーケティングを少しでも齧った人なら常識でしょう。
そしてこの常識を実践して、その成果を実例をもって全社に示すのが経営トップの仕事だと思います。
そんなわけで洋の東西を問わず創業者は、自らが顧客を知るために売り買いの現場を歩き回り、そこから得た顧客への理解をもとにして製品を開発しプロモーションを考え、あるいは広告コピーまで構想しました。

しかし、事業規模が拡大し変化が加速化するにつれ、こうした経営トップは少なくなり、本来のこの「マーケティング」を組織に、いわば丸投げ的に移譲してきたのです。
そこではびこるのが、官僚主義と「プロ」と称する内外の集団です。

その結果、売り上げと利益がリンクしなかったり、十分な顧客満足度を獲得できないでいるという困った状況が目につくようになったのだと思われます。

彼らが顧客情報をいい加減に収集しているからとか、創造力が不足しているわけではありません。そればかりか、プロとしては優れた能力の持ち主だと思います。

それでは問題はなにか?彼らは創業者ではない、会社の未来に責任がないことです。
そして会社の目標と本来やるべき活動とをごっちゃに考えてしまうことでしょう。このことは、広告賞はたくさん獲得したけれど、売り上げには貢献しなかったという有名なコカコーラの話を思い出すだけで十分でしょう。

会社が集めたプロは話題づくりのプロ、販売促進のプロ、調査のプロー、マーケティング計画のプロではあっても「変化を先取りし創造していく」プロではなかったのです。そしてこのことを本当に追求できるのはトップにおいてしかないのだと思います。

もし仮に広告会社やコンサルタントがマーケティングの成功をもたらせたとしたら、それは偶然か、またはトップが聴く耳をもっていたと言う幸運に支えられたものに他ならないと思います。

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