第72回『ハンドボール狂騒曲』
この間の水曜日、友人のN編集長からお誘いを受けプラチナチケットと化していた「男子ハンドボールオリンピック予選再試合 日本対韓国」を見てきました。
再試合までの経緯は、散々、ニュースで報道されていたのですでに皆さんご存じかと思います。アジアハンドボール協会を牛耳るクウェートによる「中東の笛」のおかげで不公正な試合が行われていたためでした。というような、簡単な知識は前日の「報道ステーション」の特集で頭に入れてから会場へ。
会場は1万人強の大観衆。そのほとんどの人がハンドボールを生で見るのは初めてだったと思います。ご多分に漏れず、私も見るのは初めてでした。高校の体育の時間にちょろっとやっただけ。バスケ部だったので、他の人よりは巧かった記憶くらいしかありません。ハンドボール部ってあったのかな。すでに忘却の彼方へ…。
試合は25─28で敗れてしまい、日本はオリンピック出場の大チャンスをものにすることができませんでした。実力的には韓国の方がずっと強かったです。得点を取る方法をたくさん持っている韓国に対し、日本はディフェンスでものすごく頑張っていました。敗れはしましたが、胸を張って良い試合だったと思います。
そして単純にハンドボールはスピーディで迫力もあり、なにより得点シーンがたくさんあるエキサイティングなスポーツだということがよくわかりました。同じマイナースポーツのラクロスは、フィールドが広い上にボールも小さく、初心者には敷居が高いスポーツです。それにくらべると「にわか」である私でもずっと簡単に試合に入り込むことができました。エンターテイメントとしても見せ場が多いため、bjリーグやFリーグよりも楽しい可能性もあると思いました。
今回、試合を見ていて感じたのは韓国の方々の精神的な強さです。一発勝負の試合を、男女ともにものにして五輪出場権を獲得しました。それもアウェイの地での一発開催。日本と韓国の2ヶ国しか出場しないことが確定した時点で、ホーム&アウェイの2試合開催に切りかえるのが筋だと思いますが、それをもろともせず実力を発揮しての勝利はさすがだと思いました。
日本人の特性として、「試合に勝つ」という自信を持つには、実際の試合で何試合か勝つ経験をして初めて「勝てる」と思うような気がします。ですが、壁を厚くしてしまっているのは本人たちのメンタリティなのかなと思いました。ある程度の点差が離れてしまうと「やっぱり無理か…」と思ってしまうことで、どんどん壁が厚くなってしまっているのではないか。
別の件でお会いした元日本代表サッカー選手は、「メンタルが弱い弱いと言ってるから弱くなってしまう」と仰っていました。どんなに負けても「次は絶対に勝てる」「俺の方が強い」と心の底から思える人が、最後に勝利を勝ち取るものなのかもしれません。

