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第63回「小沢一郎の踏み絵」

先日、代表辞任の記者会見をした小沢一郎氏が、辞任を撤回する意向を示しました。一連の騒動には、小沢氏のしたたかな戦略が見え隠れしているような気がします。

小沢氏は、福田首相より自民党との大連立を持ちかけられ、民主党の役員会に持ち帰ったものの、6人全ての役員から否定され「信任がない」という判断から辞任を決意したわけです。当初、このニュースを聞いたとき、呆れて開いた口がふさがらない状態でした。参院選で民主党に投票した人たちは、民主党が「選挙で自民党以上の得票を集め、政権を担う」ことを期待したのだと思います。連立を組んで政権政党になることを望んだわけではありません。

そうした期待を裏切り、相変わらずの密室政治。会見でも国民に対する視線はまったく感じられず、結局は前首相と「同じ穴の狢」という印象がぬぐえませんでした。

しかし、いま思うと、その結論はあまりにも短絡過ぎた気がしています。


小沢氏の願いは政権を取ることです。連立を組めば、簡単に政権政党になることができます。つまり、政権政党になる可能性を現実的に民主党議員たちに突きつけたわけです。ライフカードのCMのように、「どうするのよ?」と問うたわけです。

参院選での圧勝で、政権が少し現実的なものとして近づいてきたとはいえ、本気で自民党を倒すと決意していた議員は少なかったことでしょう。「あわよくば」と淡い期待しか持てていいなかった人たちを、小沢一郎は平手で殴りつけ「死ぬ気で政権を奪え」と突きつけたのではないでしょうか。

田中角栄を筆頭として、過去に名を残した政治家はアクが強く、似顔絵にしやすかったというイラストレーターの話を聞いたことがあります。そのイラストレーターが、現在の政治家でそうした政治家がいるかと聞かれたときに出て来た名前は小沢一郎でした。


ひと癖もふた癖もある彼なら、連立を組めば国民の反感を買うことくらいは重々承知していたはずです。そこを敢えて強行し、党内からの再信任を取り付けたことは、ある意味で彼が踏み絵を踏ませたと取れます。民主党議員たちは本腰を入れざるを得ないでしょう。対する自民党も、そのことは脅威なのではないでしょうか。

まだまだ、幼さを感じさせていた日本のの政治がオトナになっていくのだとしたら、今度は選挙権を持つ我々がオトナになる必要があると思います。

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