
ベスト・カバー
ひさびさのビートルズ・ナンバーである。録音は1965年10月。
ジョンがリード・ボーカルをとる曲だが、ダブル・トラック(重ねて歌うこと)で
録音されている。メロディもしっとりして、良いのだが
イン・マイ・ライフのハイライトは何と言っても、
間奏としてチョロッと流れるバロック風のピアノだ。
これを弾いているのはビートルズ・サウンドの仕掛け人、
プロデューサーのジョージ・マーティンだ。
彼は決してピアノのプロではない。それでもプロのピアニストを雇わずに、
彼にやらせてしまうあたりがいかにもビートルズだ。
繰り返すが、この曲はあの間奏があるから、全体がしまってくるのだ。
他のアーティストにカバーされる曲が多いことでは間違いなく、
ビートルズはダントツ一位だろうが、この曲も例外ではない。
私が好きなカバーは、ふたつある。石垣島出身のグループ、ビギンが。歌うものと、
米女優/歌手のベット・ミドラーが映画『For the Boys』の中で歌うものだ。
ミドラーは戦場の兵士を慰問する歌手として登場するが、
兵士たちを前にアカペラでこの曲をしっとり歌い始めると、
男達は故郷に残してきた家族や恋人達を思い、
しんみり聞き惚れてしまう。
There are places I remember
All my life, though some have changed
Some forever, not for better
Some have gone and some remain
All these places had their moments
With lovers and friends
I still can recall
Some are dead and some are living
In my life I’ve loved them all
心に残る 場所がある
もう変わってしまった場所
苦い思いがつきまとう場所
忘れ去ったり 心に留まり続ける場所
それぞれに大切な瞬間がある
大切な かけがえのない人達とともに 今も思い出す
すでに逝ってしまった人 元気でいる人
僕が心から大切に思うすべての人達
There are places I remember. このremember は状況に応じて、
「覚えている」「忘れないでいる」「思い出す」「心に残る」など
ニュアンスの異なるさまざまな日本語に対応することばだ。
I can remember people’s faces, but not their names.
(人の顔は覚えていられるが、名前は覚えられない。)
面白いのは「よろしくお伝えください」という意味があることだ。
Remember me to your parents. (ご両親によろしくお伝えください。)
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