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2010年02月 アーカイブ

2010年02月05日

第33回 ♪ My Funny Valentine/Chet Baker

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Stay, little Valentine, stay

2月といえば、バレンタイン・デーだ。
今回はバレンタインにちなんだ英語表現や楽曲をテーマに紹介しよう。
題して「男と女と愛と英語」。
英語で一番よく出てくるのは主語+動詞+目的語というパターンだ。
これはわかりやすく、インパクトのある文型として覚えておきたい。
この対極にあるのが、受身形だ。もちろん英語にも受身形はある。
あえて、オブラートに包んだ物言いをしたい場合などに意識的に使うことはある。

しかし、愛の告白となれば話しは別だ。
「好きよ」「愛してるよ」をYou are loved by me. と言う人はいない。
やはり”I love you.”だ。もう少し情熱的な表現も覚えておこう。
”I adore you.” Adore は「崇拝する、礼賛する」という意味で、
“敬愛する、大好きだ”ということ。”I worship you.”も同様だ。
”You are my everything.” (あなたは私のすべて)とか
”Without you, I am nothing.”(あなたなしでは、私は何の意味もない)とか、
だんだんエスカレートしていく。

とにかく、アメリカ人などは親子間、恋人同士、友だちにさえ、
しょっちゅうこの” I love you.”を連発する。
今週紹介するのは、タイトルもズバリMy Funny Valentineだ。
ジャズの大御所マイルス・デイビスの同名のアルバムがあまりにも有名だ。
もともとは1937年に制作されたミュージカル”Babes in Arms”のために
書き下ろされた曲だが、映画版で歌っているのはジュディー・ガーランドだ。
フランク・シナトラ、バーブラ・ストライサンド、
そしてこのチェット・ベイカーのカバーもいい。
  
My funny valentine  私のおちゃめな恋人
Sweet comic valentine       愛しい、こっけいな恋人
You make me smile with my heart  心から微笑ませてくれる
Your looks are laughable, unphotographable  笑いを誘うあなたの顔、
写真移りは決してよくないけれど
Yet you’re my favorite work of art  あなたは私の大好きな“芸術品”   
~中略~
Stay, little valentine, stay  そのままでいて、私のかわいい恋人、そのままで
Each day is Valentine’s Day   毎日がバレンタイン・デーだから

ここではバレンタインということばが“恋人”の意味で使われている。
歌詞に出てくるsweet だが、「やさしい」の意味でよく使う。
That's very sweet of you. (まあ、なんて優しい人なんでしょう。)
“親切”の意味で使うこともある。もうひとつsweetと似たことばでsweetie がある。

「恋人」や「聞き分けのよい子供」といった意味で使う。
「おねだり」をするようなニュアンスを含むときに使うのだ。

Be a sweetie and turn on the radio. (お願いだから、ラジオをつけてくれない?)

2010年02月11日

第34回 ♪ A Lover's Concerto/Sarah Vaughan

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i love Sarah

今回の曲、ラバース・コンチェルト/サラ・ボーンだが、
まず出だしの歌詞を読んでほしい。

How gentle is the rain
That falls softly on the meadow
Birds high up on the trees
Serenade the flowers with their melodies, oh, oh, oh

なんて優しい雨なの  静かに草原に降り注ぐ雨
梢の鳥たちが 花々のためにセレナーデをさえずる

ちょっと古風で、とても詩的な表現だ。
実はgentle(やさしい)とrain(雨)は
コロケーション(言葉と言葉のむすびつき、相性)が良い。
第1文は話し言葉を使って書くと、こうなる。
 Look, how gentle the rain is! このlook は呼びかけを表す。
「見て、ごらんよ」という感じだ。 
もう一つ例を。 Look, how fast he runs!(彼、とても早く走るね)

Serenade the flowers with their melodies. 日本語では「セレナーデ」は名詞として
使うことが多いが、英語の場合は動詞として使うことの方が多い。
serenade(動詞):恋人に捧げる歌を歌う 

さて、平原綾香の”Jupiter”もそうだが、このラバース・コンチェルトは
もともとクラシックの曲をモチーフとしている。 
原曲はバッハの「アンナ・マグダレーナ・バッハのための音楽手帳」という曲。
「アンナ・マグダレーナ」はバッハの2番目の妻の名だ。 
この曲が効果的に使われた映画がある。リチャード・ドレイファス主演の
『陽のあたる教室』だ。
音楽教師としてある高校で教え始めるグレン(ドレイファス)が
授業に全く興味を示さない生徒達に向かって言う。
『君たちはクラシック音楽なんて、、、と思うだろうが、
実は既に聞いているんだ。』そして、ピアノでバッハの原曲に続いて、
ラバース・コンチェルトを弾いて聞かせる。
当然同じメロディだから、生徒はびっくり。

サラ・ボーン(1924~1990)は長いキャリアを誇るジャズ、
ポピュラー音楽を代表する女性ボーカリストだった。

2010年02月19日

第35回 ♪ In My Life/The Beatles

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ベスト・カバー

ひさびさのビートルズ・ナンバーである。録音は1965年10月。
ジョンがリード・ボーカルをとる曲だが、ダブル・トラック(重ねて歌うこと)で
録音されている。メロディもしっとりして、良いのだが
イン・マイ・ライフのハイライトは何と言っても、
間奏としてチョロッと流れるバロック風のピアノだ。
これを弾いているのはビートルズ・サウンドの仕掛け人、
プロデューサーのジョージ・マーティンだ。
彼は決してピアノのプロではない。それでもプロのピアニストを雇わずに、
彼にやらせてしまうあたりがいかにもビートルズだ。

繰り返すが、この曲はあの間奏があるから、全体がしまってくるのだ。
他のアーティストにカバーされる曲が多いことでは間違いなく、
ビートルズはダントツ一位だろうが、この曲も例外ではない。
私が好きなカバーは、ふたつある。石垣島出身のグループ、ビギンが。歌うものと、
米女優/歌手のベット・ミドラーが映画『For the Boys』の中で歌うものだ。
ミドラーは戦場の兵士を慰問する歌手として登場するが、
兵士たちを前にアカペラでこの曲をしっとり歌い始めると、
男達は故郷に残してきた家族や恋人達を思い、
しんみり聞き惚れてしまう。

There are places I remember
All my life, though some have changed
Some forever, not for better
Some have gone and some remain
All these places had their moments
With lovers and friends
I still can recall
Some are dead and some are living
In my life I've loved them all

心に残る 場所がある
もう変わってしまった場所
苦い思いがつきまとう場所
忘れ去ったり 心に留まり続ける場所
それぞれに大切な瞬間がある
大切な かけがえのない人達とともに 今も思い出す 
すでに逝ってしまった人 元気でいる人
僕が心から大切に思うすべての人達

There are places I remember. このremember は状況に応じて、
「覚えている」「忘れないでいる」「思い出す」「心に残る」など
ニュアンスの異なるさまざまな日本語に対応することばだ。 
I can remember people's faces, but not their names.
(人の顔は覚えていられるが、名前は覚えられない。)
面白いのは「よろしくお伝えください」という意味があることだ。
Remember me to your parents. (ご両親によろしくお伝えください。)

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2010年02月26日

第36回 ♪ Change the World/Eric Clapton

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愛は世界を変えるか

海外から来日するロック&ポップスの大物アーティストのうち、
エリック・クラプトンは私が最も足繁く通い、見つめてきた
ミュージシャンだ。白人のブルースギター・プレイヤーとして
神のような存在となっている。

超絶テクを売りにするギタリストなら他にもたくさんいるが、
伸びと艶のある独特のフレージングはほかの誰にも真似できない。
“泣きのギター”と言われる。

クラプトンは幼い頃、親の愛情に恵まれず、祖父母に育てられたが、
寂しさを紛らわせるために手にしたギターのとりこになる。
そのキャリアは、まず伝説的バンド、ヤードバーズから始まった。
65年に結成したクリーム(Cream)は60年代を代表する革新的、
実験的バンドだった。

1974年にリリースしたボブ・マーリイの名曲”I Shot the Sheriff”の
カバーがヒットし、その人気は不動のものとなった。
そしてチェンジ・ザ・ワールドは1997年にグラミー賞を獲得し、
ロックの殿堂入りを果たした。間違いなく、世界最高のギタリストだ。

If I can reach the stars
Pull one down for you
Shine it on my heart
So you could see the truth
That this love I have inside
is everything it seems
But for now I find
It's only in my dreams
*And/That I can change the world
I would be the sunlight in your universe
You would think my love was really something good
Baby if I could change the world

もし、あの星に手が届くなら、君にひとつ取ってあげよう
ボクのハートで輝けば、真実の愛をわかってもらえるだろう
口にすれば、赤面しそうなバリバリのラブ・ソングだ。

実はこの曲のポイントは「聞こえなくなる音」だ。
歌詞にたびたび登場する助動詞の音に注目。
can やcould , would などの助動詞は特に強調される場合を除いて、
「クン」「クッ」のように発音される。
I can do it. は(アイクンドゥイット)、That would be great.は
(ザッウッビーグレイト)と聞こえる。
しかし、否定形になると、逆に強く、はっきりと発音される。 
I can’t do it. は(アイキャーン・ドゥイット) となる。

助動詞は強く聞こえたら否定形と思って間違いない。

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