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A Horse With No Name

アメリカは1971年にロンドン駐留の米国軍人の子供たちが
3人集まって結成されたグループだ。当時はまだ3人とも
アメリカンスクールへ通う高校生だった。1972年に発表された
シングル『名前のない馬(A Horse With No Name)』が全米チャート第1位の
大ヒットとなる。勢いでグラミー賞最優秀新人賞も受賞した。
活動拠点がロサンゼルスだったせいもあり、さわやかな
アコースティック・サウンドと抜群のハーモニーが魅力だ。

当時独学でギターを学んでいた私は必死になってこの曲をコピーした。
コードはいたってシンプルで、2つのコードだけでOKだ。
演奏には少しばかり、カッティングのテクニックが必要だが、
それ自体は難しいことはない。難しいのは歌いながら、
この単純なリズムをキープすることだ。

私が第66回のピースボート地球一周クルーズにスタッフとして、
乗船した際、船内バーでフィリピン人シンガーがこの曲をギター弾き語りで
歌ってくれた。とても雰囲気があり、弾き語りというシンプルな
表現方法の持つパワーに驚いたものだ。

On the first part of the journey
I was looking at all the life
There were plants and birds and rocks and things
There was sand and hills and rings
The first thing I met was a fly with a buzz
And the sky with no clouds
The heat was hot and the ground was dry
But the air was full of sound

旅の始まりでは
あらゆる命があふれていた
植物があり、鳥たちがいて、岩があり、他にもいろんなものがあった
砂があり、丘がありそして環のようなものがあった
最初に出会ったのは、ブンブンとうるさい一匹のハエだった
空には雲ひとつなく
えらく暑く、大地は乾いていた
だが大気は音楽で満ちていた

とても哲学的な歌詞だ。バースが進むにつれて、タイトルの
名前のない馬が登場し、さらに進むと、砂漠がとぎれて、海へとつながる。
日本のはやり歌では考えられない内容だ。愛だ、恋だとは無縁の世界である。
5行目にmeet ということばが出てくる。The first thing I met ここまでが主語で
「私が最初に会ったのは、、、」続いてwas a fly with a buzz.
「ブンブン飛ぶハエだった」と続く。本来Meet は人にしか使わないことばである。
日本語では「犬やねこに合う」という言い方をするが、それをそのまま
英語にしてしまうと違和感がある。でもあえて、“ハエ”にmeetするという
言い方をしている。 ここはsaw を使うべきところだ。
同じリズム、同じメロディ、同じコードの繰り返しが生んだ名曲を聴いてみよう。

日頃「だって、ピースボートですから」をお読みいただきまして、ありがとう
ございます。来週号はお休みさせていただきます。新年1月8日から再開いたします。
2010年が皆さまにとって、すばらしい年になりますように。