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アンクルチャーリーと愛犬テディ

60年代後半にデビューした「ニッティー・グリッティー・ダート・バンド」(NGDB)
というグループがある。NGDBは素朴なメロディにギター、バンジョー、フィドルといった
アコースティックな楽器で創り出されるブルー・グラスやカントリーミュージックに
ロックの味付けを施し、カントリーロックという分野を切り開いたアーティストとして
ファンに記憶されている。

もともとカントリーフレイバーを持つ曲が好きだった私はすぐに彼らのファンになり、
日本公演に出掛けたこともある。たしか新宿厚生年金会館でのコンサートだった。
彼らが70年にリリースしたアルバム『アンクルチャーリーと愛犬テディ』に
収められていたのがミスターボージャングルで、『プー横丁の家』とならぶ
NGDB最大のヒット曲だ。あのボブ・ディランやニルソンもカバーした名曲だ。

曲は静かなワルツで始まり、アコーディオン、マンドリン、ピアノ等が絡み、
味わいのあるボーカルを引き立てている。オリジナルはソングライターJ.J.Walkerが
ニューオーリンズの下積み時代、ある酒場でハメをはずしすぎて一晩、
留置場で世話になった際、“同室”となった実在のボードビリアンをモデルにしている。

NGDBの演奏はこちらで。

http://www.youtube.com/watch?v=6MQYn-GvGOM&feature=related

I knew a man Bojangles and he danced for you
in worn-out shoes
Silver hair and ragged shirt and baggy pants
The old soft shoes

Jumped so high, jumped so high
Then he lightly touched down

Mr. Bojangles, Mr. Bojangles, Mr. Bojangles, dance

ボージャングルという男を知っていた。擦り切れた靴を履いていたけど、
めっぽう踊りがうまくてね。
白髪頭にボロボロのシャツとダブダブスボン、そして古びたタップ靴。
なんども高く跳んでは軽やかに着地するんだ。
ボージャングル、ボージャングル、さあもう一度踊っておくれ。

…he danced for you IN worn-out shoes
ここでin は誰でも知っている前置詞だ。(~の中に)と覚えている人が多いと思う。
でも(~の中に)というのはある文脈でたまたまそう訳されるだけだ。
ここでは「~を身につけて」の意味である。
前置詞は日本人が苦手とする品詞だが、コアの意味で覚えれば、
こんなに使い勝手のいい単語はない。
(~の中に)なら場所を表し、(~以内に、~に間に合って)なら時間を表す。
(~の状態にある)と状況説明にも使う。つまり、時間・空間・状況などが
ある範囲内におさまっていることがコアの意味だ。
Bojangles is wearing worn-out shoes.
=「ボージャングルは擦り切れた靴を履いている。」と同じ意味を
Bojangles is in worn-out shoes. で表せるわけだ。

前置詞は日本語でいえば、大和ことばにあたる。だから前置詞がわかると一時的にせよ、
(英語で考える)ことができる。これはとてもステキなことだ。

日本人は難しい単語に目を奪われがちだが、簡単な単語をもっと深く知ることが
上達への近道なのだ。