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2009年07月 アーカイブ

2009年07月02日

♪ Please Please Me

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言葉あそび

ビートルズの楽曲を取り上げるにあたり何を一番はじめに持ってくるか、大いに悩んだ。
この曲のメロディが特別好きというわけではない。他にも魅力的な曲はたくさんある。惹かれたのはタイトルである。
初めてこの曲を聴いたのは英語を習い始めた中学生の頃だが、PLEASEプリーズ: 間投詞(どうぞ、ぜひ)と覚えていた私には「どうぞ、どうぞボク」というタイトルの意味がどうしてもわからなかった。後に最初のプリーズは確かに「どうぞ」だが、次のプリーズは「~を喜ばせる」という意味の動詞だと知った時の驚きと賞賛を想像してみてほしい。なるほど「お願いだ、ボクを喜ばせておくれ」か。英語って面白い!素直にそう思った。

当時デビューしたばかりの新人であるビートルズは楽曲のタイトルを決めるに際しても驚くべき才能を開花させていたのだ。
1963年2月に一日で録音されたデビューアルバムのB面トップを飾るのがこの曲である。

Last night I said these words to my girl      昨夜 あの娘にこう言った
I know you never even try, girl           君は試してみようともしないんだね
Come on, come on, come on, come on     頼むよ ねえ お願いだってば
Please please me, woh yeah             僕を喜ばせておくれ
Like I please you                     僕が君を喜ばせてあげるみたいに

とりたててどうってことのない歌詞である。でもカモン、カモン、カモン、カモンとジョンとポールが掛け合いをしながら昇っていくところがたまらなくかっこよかった。それにverse(楽節)最後のlikeの使い方だ。このライクは「~が好き」ではなく、「~のように」の意味だ。

You can do it like this. = こういう風にやるとできるよ。
Don’t look at me like that.= そんな風にオレを見ないでくれ。
She behaved like a child. = 彼女、まるで子供みたいだった。
そしてもちろんこのplease こそが ~を喜ばせる の意味だ。
Please please me like I please you. = 僕がキミを喜ばせるみたいにボクを喜ばせておくれ

こうしてひとつの歌詞は普遍性を持つ“使えるフレーズ”として身体の一部になった。

 

2009年07月09日

♪ Fly Me To the Moon

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Anita Sings The Most

この曲は1954年に発表された当初はバラードだった。後年ボサノバにアレンジされ、
あのフランク・シナトラが唄って大ヒットとなった。
メロディを聴けば誰でも知っているだろう。その後、数多くのミュージシャンが
カバーしているが、私はアニタ・オディのバージョンが好きだ。
ゆったりとしたバラード調で入り、途中からアップテンポで小気味よく
スイングしていく、とても洒落たアレンジなのだ。
日本人では若手ナンバーワンの小林桂がいい。
インストナンバーとしても聞きやすいものが多い。
オスカー・ピーターソン、ウエス・モンゴメリー等がお勧め。
機会があればぜひ聴いてみてほしい。

Fly me to the moon                    
Let me play among the stars
Let me see what spring is like
On a Jupiter and Mars
In other words, hold my hand
In other words, darling, kiss me

私を月まで連れて行って
星たちに囲まれて遊ばせてほしいの
木星や火星の
春がどんなものか見せてほしいの
それはつまり、私の手を握ってほしいってこと
言い換えれば、それはね、キスしてほしいの

なんともロマンチックな歌詞ではないか。
その昔、鼻歌でこんなステキな歌を口ずさめるような大人になりたいと
真剣に思ったことがある。演歌でなく、フライ・ミー・トウー・ザ・ムーンを
歌えるオヤジ。いいナア。

さて歌詞に登場するLetは会話ではとてもよく使う基本中の基本動詞のひとつで、
使役動詞と呼ばれる。 Let +人+動詞というカタチを取り、人に何かをさせる
という意味合いを表す。この場合、その人がそのコトをしたがっているので
許可して(~させる)という意味合いになる。
その点、同じ~させるでもHave やMakeやGetは相手の都合はおかまいなく、
~させるというニュアンスがある点で大きく異なる。
歌詞を見れば明確だ。 
(私は遊びたいの。だから遊ばせて)、(私は見たいの。だから見せて)となる。

それでは下記の例文でlet が使えそうなのはどれだろうか? 
正解は本ブログの一番最後に。 
   1.きっと君を幸せにするよ → I will ( )you happy.
   2.明日電話するよ → (  ) me call you tomorrow.
   3.代わりに妻を行かせます。→ I will ( ) my wife come instead.
もうひとつの便利な表現はIn other words = つまり、言い換えると、
といった意味で、前述の内容をよりやさしく言い換える時などに使う。
 Our company has to reduce its labor costs.
In other words, some of us are going to lose our jobs. =会社は人件費を削減せねばならない。つまり、我々の何人かは失職するということだ。
使役動詞let の使い方を学ぶには最適の歌だ。  

 *回答= 1=make 2=let 3=have

2009年07月16日

♪ Have You Never Been Mellow? 

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オリビアを聴きながら

この曲が発表されたのは1975年。歌っているオリビア・ニュートン・ジョンが
祖国イギリスからアメリカに拠点を移した直後のことだ。
1992年に乳がんと宣告され、一時活動を休止していたが、98年に完全復活し、
その後2003年には来日も果たしている。

タイトルにあるmellow とは「くつろいだ、落ち着いた」の意味である。
同じ意味のlaid-back(レイドバック)という言葉もはやったナ。
当時若者に人気のあった雑誌『宝島』でもさかんにレイドバックという
ことばを取り上げていたのを思い出す。70年代を写すことばだった。

タイトルは英文としては本来Have you ever been mellow? と表記
すべきところだ。(穏やかな気分になったことってあるの?)
つまりever の代わりにnever (絶対~しない)と言っているところ
がミソなのだ。逆説である。サビの部分を見てみよう。

Have you never been mellow?
Have you never tried to find a comfort from inside you?
Have you never been happy just to hear your song?
Have you never let someone else be strong?

もっと穏やかな気分にならない?
内なる安らぎを求めたことはないの?
自分の心の歌に耳を傾けて幸せになろう
肩の力を抜いて人に甘えることも大切なのよ

歌詞にはすべて現在完了形が使われている。
現在完了はたしか中学2年くらいで習う英語独特の時制のひとつだ。
日本語にはない概念なので、ここでつまづき、
そのまま英語嫌いになる人も多い。

英会話にそれほど難しい文法は不要だが、現在完了までは
復習しておいた方が良い。会話に歌に映画に、とにかくよく出てくるのである。
現在完了はよく過去形と比較され、HAVE+動詞の過去分詞が基本形だ。

I lost my watch a week ago.(過去形)=一週間前に時計をなくした。
I have lost my watch for a week.(現在完了形)=時計をなくしてしまって一週間になる。

過去形は過去の出来事を切り取って~だった。~した。と言っているにすぎない。
話をしている今現在、その時計がどうなったかはわからない。もう見つかったかも
しれないし、見つからないので、新たに購入したかもしれない。
でも現在完了は時計をなくしたという過去の出来事を経験として持っている(haveしている)という
意味なので、まだなくした時計はでてきていないことがわかる。つまり過去の出来事を常に現在と
のつながり、視点でコメントする時に使う。経験を話す時によく使われる時制なので、~したことが
ある という日本語があてはまることが多いというわけだ。 

Q) Have you run a marathon before ? =マラソンを走ったことがありますか?
A) Yes, three times. = はい。3回あります。


2009年07月24日

♪ Teach Your Children

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銀色のハーモニー

いい曲はいつ聴いてもいい。落ち込んだ時に聴いてもそれなりにいい。
気分がいい時に聴くともっといい。ティーチ・ユア・チルドレンはそんな曲だ。
親しみやすいメロディと銀色に輝くアコースティック・ギターの音色。
ロック史に名曲は多いが、70年に発表されたこの曲は
傑作アルバム”Déjà vu”に収録されている。

スーパーグループCrosby, Stills, Nash and Youngが歌っているが、
彼らは当初C,S & Nの3人で活動しており、後にニール・ヤングが加わって完璧な
ハーモニーに緊張感が増した。4人は2006年に”Freedom of Speech”と
題する再結成ツアーを行い、ブッシュ政権とイラク戦争を痛烈に批判する
反戦メッセージをアピールした。4人とも既に孫がいてもおかしくない年齢だが、
自分の信ずる道を歩む表現者としての姿勢には本当に頭が下がる。

これまでN Young 単独公演は聴く機会があったが、4人一緒のステージを見たことはない。
今、最も聴いてみたいグループだ。

You, who are on the road
Must have a code that you can live by
And so become yourself
Because the past is just a goodbye

Teach your children well
Their father’s hell
Did slowly go by
And feed them on your dreams
The one they pick
The one you’ll know by

君は、人生という道を歩んでいるのだから
生きていくための拠り所をもたなくちゃいけない
だから、自分らしくあることだ
過去とは決別すべきものなのだから

君の子供たちにはちゃんと教えてあげよう
父親のつらさだって、ゆっくりと過ぎ去っていくものだってことを
子供たちの成長の糧として、君自信の夢を語ってごらん
子供たちが選ぶものから君自信が学ぶこともあるだろう

こうしてあらためて歌詞を眺めてみるとなかなか味わいのある
歌詞だ。be on the road とは(人生という)道を歩んでいるということ。
a code は(社会の)おきて、規範だ。hell ということばがでてくる。
hell = 地獄とあるが、とてもつらくて、苦しい状況を比ゆ的に表すこともある。
作詞をしたGraham Nash と父親との軋轢を表していると言われている。

hell のような時代にあって、聴けばheaven (天国)にいる気分にさせてくれる一曲だ。

彼等の歌声は下記で聴ける。
http://www.youtube.com/watch?v=p6pphVs8bF0

2009年07月29日

♪ Blowin' in the Wind

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Dylan in Lee Jeans

1963年8月28日、アメリカ合衆国首都ワシントンD.C. 
人種差別撤廃や公民権の獲得を訴えたマーティン・ルーサー・キング牧師が
有名な”I Have a Dream”演説をした日である。今から46年前のことだ。
同時に行われた「ワシントン大行進」の参加者から絶大な支持を受けた楽曲がある。
ボブ・ディランというひとりの若者が詩を書き、メロディをのせて歌にした。
Blowin’ in the Wind(風に吹かれて)。 いいタイトルだ。
ギターとハーモニカ一本だけで後世に語りつがれる普遍性を持った曲を書き上げた。

当時世界中にディランを気取った若者が街に溢れた。
ジョン・レノン、ジョージ・ハリスンの二人も少なからず影響を受けたミュージシャンだ。
65年J.レノン作の『♪You’ve got to hide your love away』という曲では
歌い方まで真似ている。G.ハリスンは後にB.ディラン等と組んで当時貧困に
喘いでいたバングラデシュ救済チャリティコンサートを開いている。
国内でも影響を受けたミュージシャンは多い。筆頭は現在全国ツアー中の吉田拓郎だ。
『風に吹かれて』はディランのオリジナルよりPP&Mがカバーして大ヒットした曲だ。

  How many roads must a man walk down
  Before you call him a man?
  How many seas must a white dove sail
  Before she sleeps in the sand?
  Yes, ‘n’ how many times must the cannonballs fly
  Before they’re forever banned?

  *The answer, my friend, is blowin’ in the wind
   The answer is blowin’ in the wind

  道をいくつ歩かなくてはならないのか
  一人前の人間扱いされるまでには
  海をいくつ飛び越えなければならないのか
  白い鳩が砂浜で羽根を休めるまでには
  大砲の弾が何回飛び交わなくてはならないのか
  戦争が永遠に禁止されるまでには

  *友よ、その答えは風に吹かれている
   風に吹かれている

ここまで書いてきて歌詞をすべて紹介したい衝動にかられた。
a man は黒人男性に対する蔑称として使われていた”boy”を意識して
使われたのだろうし、dove は平和の象徴だ。
cannonball はもちろん戦争を象徴している。
そう考えるとこれは反戦歌だと考えても不思議ではない。

しかし、である。ディランはありったけの“永遠に答えの出そうもない問題”を
提示して見せたのではないか。
戦争はその中のひとつでしかないのではないか。もし、そうだとすれば、ディランは
正に哲学者だ。ちなみにblowin’ in the wind とは「ある問題や疑問がさんざん
議論されてはいるが、答えはまだ出ていない」ということを意味するフレーズだ。

歌詞に出てくるほとんどの問題は今でも『風に吹かれて』いる。

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