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アカバの商人

あっという間にひと月が経ってしまった。明日はいよいよエジプト入りである。
昨日と一昨日の二日間はアカバに滞在していた。アカバはヨルダン唯一の港町で、
紅海を北上し、さらに南北に縦長のアカバ湾を進んだ位置にある。

早朝、船は着岸したが、デッキから見えるのは全く樹木のない、岩ばかりの山肌
であった。ふと日本に生まれ、育ったことの有難さを思った。街の至るところに
緑があふれ、はっきりとした四季がある国、それが日本である。聞けば、ヨルダン
は国土の80%近くが砂漠で覆われ、目に飛び込んでくる色は砂漠や建物の茶色
のみである。海外に出ると改めて、日本の良さがわかるとはよく耳にするが、
しみじみそのことを感じた。

中東を旅するなら、買い物の際の値段交渉は間違いなく楽しみのひとつである。
町の中心部の、とあるみやげ物屋での体験である。中に入ると置物、ジュエリー、
ラグ、その他さまざまな装飾品がところ狭しと並べられている。その中に素敵な
色のターコイスのネックレスを見つけた。プライスタグはない。値段を尋ねて
みた。US$40という返事が返ってきた。ここで40ドルで買うのは相手に対して
失礼というものだ。値段交渉はりっぱな商いの一部なのである。相手もそれを
楽しんでいるのだ。そこで、半額の$20から始めてみる。何回かやり取りが
あって、$27で落着。英語ではこの瞬間 “That’s a deal.” の一言で交渉が
終わる。人々の暮らしぶり、食べ物のこと、家族のこと等々ひとしきり会話を
楽しみ、店を後にした。27ドルが高いか安いかはわからない。でも値段交渉と
いう日本ではあまり経験できない素敵な時間を過ごした。

後日談だが、多くの日本人は言い値で買うらしい。語学力の問題もあろう。
それでも臆せず交渉してみることをお勧めする。せっかく一般の旅行では
訪れる機会の少ないヨルダンに来たのである。郷に入りては、である。

だって、ピースボートですから。

いよいよ明日は下船します。ブログはここで一旦おしまいとさせていただきます。
つもる話は帰国後とさせていただきます。皆さん、最後までお読みいただきまして
ありがとうございました。