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   <title>ファンサイト通信｜カワムラ リュウイチ</title>
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   <title>第314号『矜持と諦観』</title>
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   <published>2008-12-18T22:15:10Z</published>
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   <summary> 【彩のある植物】 不器用なのか、仕事と遊びを分けることが出来ない。 仕事のなか...</summary>
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【彩のある植物】

不器用なのか、仕事と遊びを分けることが出来ない。
仕事のなかに遊びがあり、遊びのなかに仕事がある。
与えられたすべの時間が仕事と切り結ばれている。
だから、仕事場は遊び場でもあると思っている。

これと似た場がある。
学校、あるいはもっと小さい規模の塾。
子供達が、遊び学ぶ場である。
ファンサイトもそうした意味では、塾でもある。

今年、このファンサイト塾から２人の塾生が巣立った。

ひとりは田中滋。
長年の目標だったスポーツライターの仕事に専念すべく、準備してきた。
その彼に、チャンスが訪れた。
Jリーグ公認サイトJ’sゴールで、鹿島アントラーズ専属ライターに起用された。
さらに、サッカーに特化した新聞「エル・ゴラッソ」でも執筆の場を得た。

もうひとりは柳澤史樹。
彼は、３年前、まったくの異業種からこの世界に飛び込んできた。
石の上にも３年、全体が見渡せるようになってきた。
そして、自らの足りない部分が気になりはじめた。
いま、その部分を埋めるべく、次の場へと進む決心をした。

成功するには、基本的な素質と運が必要だ。
ただし、運は努力した者のみが引き寄せることができるものだ。
そうした意味では、彼らはファンサイトで必死に努力を積み重ねてきた。
次の場でチャンスを活かし、更に活躍することを期待している。

来る者は吟味し、去る者は追わず。

新たに、ファンサイトの塾生になった者もいる。
文屋潤。
通信キャリアの営業職からの転職である。
これから、ファンサイト塾での仕事を通して何を学び獲得していけるか、彼の成長がいまから楽しみである。

好きな言葉に、矜持と諦観がある。
矜持、プライドというよりは、自分を信じること。
諦観、あきらめというよりは、自分を知ること。
ふたつのバランスが理想である。

バランスをとりつつ、ファンサイトという仕事と遊びの場を、もっともっと多くの才能がおもしろがれる場にしていきたい。

お知らせが２つ。
1．今年最後のファンサイト通信です。
　この１年、ファンサイト通信をご高覧いただきありがとうございました。
　来年は、１月9日（金）配信予定です。

2．来年１月、さらに機動力ある展開をすべく神田オフィスを浜町アトリエに統合します。

ゆく年、来る年、皆様にとって良い日々でありますように。
来年もよろしくお願い申し上げます。

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　ファンサイト代表　川村隆一

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   <title>第313号『怪物的なもの』</title>
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   <published>2008-12-11T11:30:19Z</published>
   <updated>2008-12-11T21:45:34Z</updated>
   
   <summary> 【覆われた建造物と空】 私たちの回りはあまりにも多くの哀しみや、憎しみが蔓延し...</summary>
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【覆われた建造物と空】

私たちの回りはあまりにも多くの哀しみや、憎しみが蔓延している。
リストラ、倒産、年金破綻の予感と老後不安、それを決定付けるかのような政治の無策と停滞。
そして、行き場のない怒りが幼い子供たちや無差別で荒唐無稽な殺戮行為へと連鎖していく。
まるで、得体の知れない「怪物的なもの」が覆い被さっているかのようだ。

「怪物的なもの」とは何か？
制度化され、工場化された人間性の尊厳の軽視と抹殺。
この軽視、抹殺の業務を受け入れ執行する者とその手先。
そして、何万もの人たちが、なにひとつ知らない状態に置かれ、いつまでも置かれ続けている状態にあるという事実。
なにひとつ知ろうとしなかったのは、なにひとつ知ろうとしなかったためであり、それは実のところ、知ろうとする思考を停止した私たちのことでもあるのではないか。

想像力や責任能力が減少し続け、それがある一定の規模を超えると、人は思考を停止し無能に至る。
つまり、私たち自身も得体の知れない「怪物的なもの」の一部であるのかもしれない。

しかし、たとえ無能という状態のなかにあっても、人は最後の最後に責任という道か無責任という道かの、どちらかを選ぶ。

あまりに厚顔無恥で無責任な行為を、単なる事務処理として捉えることで済まそうとする不実な人たち。
私たちの周辺にも、この種の人びとの想像力と主体性の欠如による悲劇が今日も続く。

これが、２００８年暮れに私たちが立たされている風景だ。

所在ない明日への焦燥感と不安。
それとは裏腹に、抜けるような青空が青くひろがる。
だからこそ、いま、寺山修司のこの詩を口ずさんでみる。

「空だけが素敵に晴れている。あすも天気にちがいない」

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   <title>第312号『些細な方法』</title>
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   <published>2008-12-04T09:58:39Z</published>
   <updated>2008-12-05T00:14:16Z</updated>
   
   <summary> 【千の粒の実】 朝、目が覚めると、なんとも息苦しい。 原因はわかっている。 こ...</summary>
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【千の粒の実】

朝、目が覚めると、なんとも息苦しい。
原因はわかっている。

ここ１ヶ月の間に、幸運にも立て続けにプレゼンが通った。
そして、忙しさが増し加わった。
身内の祭事や壊れたステレオプレーヤーを修理に出さなければならないし、PCを開ければ返事を書かかなくてはならないメールが並ぶ。
その上、もうすぐクリスマスツリーも飾らなければならない。
仕事の上でも生活の上でも、事の大小を問わず、やらなければならない問題が山積し、身動き出来ない状態になっていた。

何から手を着ければいいのか途方に暮れた。
「自分が本来やるべきことは何か」と、もっともらしいことを自分自身に問いかけてみたりもした。
なんとなく、一日一日と先送りしながら気分は暗く、重くなるばかりであった。
不思議なもので、こんな状態の時に限って小説を読みたくなったり、深夜のTV番組を見入ったりもする。
当然のごとく、事態は更に混迷していった。
小説を読もうと本箱を眺めている時、書籍と一緒に並べていたノートの束に目がいった。
手に取り、パラパラとページを捲る。
そこには数年前に書いた日々の行動予定が記されている。
内容はその日やるべきこと、例えばこんな具合にである。

□ 歯を磨く
□ 水を飲む
□ ストレッチをする
□ 筋トレをする
□ メールをチェックする
□ 朝食を摂る
□ ファンサイト通信用テキストを書く
□ ●●氏にTELアポ確認
□ ●●さんと撮影打ち合わせ
□ 等々・・・

事の大小に関わらず、チェックボックスを付け、その日やるべき項目を順に並べて書くだけである。
これだと思った。
早速、忘れていたこの方法を再開してみた。
事の大小に関わりなく、その日一日するべき項目を書いてみた。
書き終わると、なんとなくスッキリとした。
そして、これで動けるなと思った。

身動きとれない状況を動かすきっかけは、「本来、何をなすべきか」と大上段に構えた正論などではなく、たった１枚の紙に、その日一日、すべきことを書くことだった。
この些細な事実に驚き、素直に感動できた。

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   <title>第311号『作法と躾け』</title>
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   <published>2008-11-27T08:00:47Z</published>
   <updated>2008-11-27T08:09:19Z</updated>
   
   <summary> 【セッティングされたテーブル】 夕方、食事をしようと日本料理店に入った。 あい...</summary>
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【セッティングされたテーブル】

夕方、食事をしようと日本料理店に入った。
あいにく席が一杯だったので相席となる。
相席の客は30代前後の女性二人組。

注文をし、料理を待つ。
見るともなく、向かいに座る女性たちの動作が目に入る。
その一人が、野菜の煮物を箸で切り分けようとしているが、固いのか、なかなか切れない。
やおら、煮物を持ち上げ口でちぎった。

「もぎ箸」。
これは箸で料理をもぎ取るという、タブーの１つである。
女性は致し方なく、潔く豪快に作法を犯したのであろう。

この店の料理人の力量が気になった。
本来、日本料理は箸で一口サイズにしてから口に運ぶのが作法の基本。
そのため隠し包丁という、見た目は切れていないが箸で簡単に切れるよう、予め料理の裏に切り込みを入れておく。
こうした客に対する配慮が、料理人の技であり力である。

たった2本の棒で、つまむ、切る、運ぶ、押さえるなど多様な役目を担う箸という道具。
とんとん箸、にぎり箸、寄せ箸、移り箸、迷い箸、押込み箸、重ね箸、刺し箸、なみだ箸、さぐり箸、なめ箸、振り上げ箸、もぎ箸。
これほど、箸のタブーはある。
自分でも気付かないうちにマナー違反をしていることが多々ある。
例えば、箸で器を引き寄せる「寄せ箸」は食器もテーブルも傷つけることになる。

作法とは何だろう。
それは、さりげない他人に対する思いやりの心や、食材、食器への気遣いから生まれたしぐさである。
そして、作法を守ることは美しい所作を生む。

つまり、美しい身を得るために躾けがあるのだ。

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   <title>第310回『嫉妬』</title>
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   <published>2008-11-20T11:54:17Z</published>
   <updated>2008-11-20T11:57:56Z</updated>
   
   <summary> 【車内にて】 久しぶりに週末、友人と食事をした。 楽しい時間はあっと言う間に過...</summary>
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【車内にて】

久しぶりに週末、友人と食事をした。
楽しい時間はあっと言う間に過ぎ、終電ぎりぎりの電車に乗った。
車両はほぼ満員。
しばらくして、なんだか居心地が悪い。
理由は満員ということだけでなく、なんとなく周囲から苛立ちのようなものを感じた。
理由もなく、殺傷事件に巻き込まれることが特別なことではなくなって久しい。
少し不安を感じたが何事もなく帰宅できた。

ふと思った、あの不安と苛立ちはなんだったのだろう。

米国の投資アドバイザーでもある、ウィリアム・バースタイン著「『豊かさ』の誕生」（日本経済新聞社）によれば、所得格差が限界を超えると、平均的な市民の幸福感が損なわれ、人々は社会の一員であるという気持ちを失ってしまうと、言及している。
例えば、20世紀初め、最も豊かな国の１つだったアルゼンチンの没落も、貧富の差の拡大がその原因といわれている。

幸福感の欠落と反社会的な萌芽。
格差は嫉妬を生み、不安と苛立ちを醸成する。

人が嫉妬を感じるとはどういうことか。
自分を脅かしているのは、相手に刺激された自分の感情である。
したがって、焦りや不安を払いのけるために、その原因を作った人や事柄を否定し、拒否しようとする。
その結果が、数々の理不尽な事件の要因になっているのではないか。

事件になるようなことはないまでも、嫉妬心から隣人との関係がぎくしゃくすることは稀ではない。
僕にも、誰にでも、普通に起こりうることだと思う。
ではそんな時はどうするか。

立ち止まって深呼吸をしてみる。
そして、自分に聞いてみる。
なぜ焦るの？
何が不安なの？と。

人に嫉妬する時、それは自分に足りないものや、必要なものに気がつくチャンスでもある。
嫉妬は自分を成長させるバネにすることもできるのだ。

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   <title>第309号『共感(empathy)』</title>
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   <published>2008-11-13T13:10:45Z</published>
   <updated>2008-11-13T22:52:14Z</updated>
   
   <summary> 【記憶の中の光】 例えば、食べたことのないものや、訪れた場所の印象を人に伝える...</summary>
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【記憶の中の光】

例えば、食べたことのないものや、訪れた場所の印象を人に伝える時、どう言えば良いのだろうか。
「上手く言えないのだが」「筆舌につくしがたい」「言葉にできないが」こうした言い回しもある。
しかし、これでは何も伝わらない。
いや、むしろ他者との間に溝を作り、情報を共有することを拒んでいるともとれる。

では、どうするか。
僕はしばしば記憶の中にある、「共感」を利用する。

「共感(empathy)」とは、他者の感覚、考え、体験などを、気が付いたり、感じとったり、擬似的に追体験することで生まれる。
その時、記憶は何かを思い出すためだけではなく、目の前に現れた様々な事柄を、理解するための道具として使われる。
なぜなら、人は自らが保有している記憶で肉付けしながら、与えれた情報を解釈しているからだ。
ゆえに、こちらから何か情報を伝える時には、その情報をより分かりやすく、豊かなものにするためにも、受け手の頭の中にすでにある記憶を呼び覚まさなければならない。

世界は言葉に出来ないことで溢れている。
それでも、できるだけそれに近づき、そして、その中にある事柄をすくいあげてみたい。
たとえ、それが稚拙な言葉であったとしても懸命に探す。
少なくとも、その努力を惜しまないようにと肝に銘じている。

僕はモネの絵が好きだ。
MOMAで、ブリヂストン美術館で何度となく観た。
でも、その美しさが何に由来するのかわからなかった。

ある時ふと思った。
晩年、自宅の池に浮かぶ「睡蓮」を描き続けたというモネについて。
絵の中にあるのは、移ろい行くものの、その一瞬を記憶に留めてみたいという意志と、永遠という時間を手に入れたいと願う画家の想いではなかったか、と。

僕は、老いることの意味と、モネについてほんの少しだけ語れるような気がした。


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   <title>第308号『出し惜しみ無しの法則』</title>
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   <published>2008-11-06T08:23:08Z</published>
   <updated>2008-11-06T08:35:16Z</updated>
   
   <summary> 【垂れ込めた雲】 青森県つがる市は津軽平野のほぼ真ん中に位置する本州北端の市で...</summary>
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【垂れ込めた雲】

青森県つがる市は津軽平野のほぼ真ん中に位置する本州北端の市である。
木造町、柏村、森田村、車力村、稲垣村と1町4村の合併、いわゆる平成の大合併によって誕生した。
今回、つがる市商工会主催の「経営革新塾」という勉強会の講師としてお声掛けいただいた。

講義は午後6時から。
水曜日、午前9時、アトリエのある浜町から東京駅へ。
東京駅から9時56分発、東北新幹線「はやて13号」で八戸駅まで。
ここから弘前行き「特急つがる13号」に乗り換える。
弘前駅に到着するころには、どんよりとした雨雲が空を覆っていた。
弘前駅で、目的地、五能線木造駅行きへの乗り継ぎを待つ。
待つこと1時間、３両連結のディーゼル車、「しらがみ6号」に乗車する。
車窓からは、リンゴの木々と垂れ込めた雲の先に泰然と山裾をひろげる岩木山が見える。

16時54分、8時間をかけてようやく木造駅に到着した。
駅から車で、シャッターの降りた商店街を行き過ぎ、会場へ移動。
「この街も人口が減り、老人ばかりが目に付くようになりました」と、商工会のご担当の方から話しを伺う。

5時半を過ぎたころから、受講される方々が次々と会場に集まってきた。
夕方、仕事を終えてからの参加であるが、ほぼ会場は満席。

この日のテーマは「中小企業のウェブの戦略と活用法」。

感心の度合いの高いことが、参加者ひとり一人から伝わる。
なんとか、自分たちが生まれ育ったこの地で生きていくためのヒントになるものがないか、と。

受講生の方々に何をどんなカタチでお伝えするかと考えた。
まずは、したくないことを考えてみた。
知ったかぶりで要領の良い講義にならないようにと、心がけた。

僕にできることは、ただ１つ。
「出し惜しみ無しの法則」に従うことだ。

「出せば，出すほど次々とアイディアが出てくる、そして、やりたいことがどんどん湧いてくる」これが「出し惜しみ無しの法則」だ。
だから、出し惜しみをせず、いままで経験したことをわかり易くドンドン発露することである。
そして、これが、垂れ込めた雲のような気分を吹き飛ばす方法でもあるのだ。

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   <title>第307号『ファンの聖地-2』</title>
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   <published>2008-10-30T08:14:50Z</published>
   <updated>2008-10-30T09:19:07Z</updated>
   
   <summary> 【待ち人】 ニッチ【Niche】とは直訳すれば「隙間」や「くぼみ」のことである...</summary>
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【待ち人】

ニッチ【Niche】とは直訳すれば「隙間」や「くぼみ」のことであるが、もともとは生物学で生態ごとに生きて行くうえで、自分にとって優位なポジションを表す意である。
例えば恐竜など爬虫類が栄えていた頃、哺乳類はネズミのような姿で、活動も夜行など目立たず隙間を縫うようにして生きていた。
哺乳類にとって、それがその時の生きて行くうえで優位な位置だったのだ。

先日、友人のA氏からB級グルメの聖地で「食べ歩き」をしないかと、誘いを受けた。
そんな場所が存在するのか、少しワクワクした。
しかして、平日の夕方５時、聖地の入口、京成立石駅に降り立った。
駅の階段を降りるとすぐ目の前に古いアーケードのある商店街が広がる。
アーケードの一角にあるホルモン焼き「宇ち多“」からスタート。

店の前にはすでに数人が順番待ちをしていたが、あまり待つことなく暖簾をくぐり店内に入れた。
ほぼ満席だったがすんなりと細長いテーブルに付くことができた。
しばらく店内の様子を窺う。

「ツル、テッポウ、コブクロ、シロ、ガツ、ハツ、カシラ、焼酎の梅割」とお客が注文する。
「お客さん、梅割もう３杯目だからこれで止めときな！」

お客と店のおやじとの注文の遣り取りにもリズムとルールある。
僕もこの「梅割」を飲んでみた。
３杯飲んだら倒れる、聞きしに勝る効き目である。

30分足らずで、次の店「ミツワ」へ移動。
ここでは、刺し盛り三種と蒲焼きがお目当てである。
どれもこれも、安い旨い。
もっと！と思いながらも後ろ髪引かれつつ、3軒目、立ち食い寿司屋「栄寿司」に入る。
店内は女性客が多い。
カウンターを挟んで職人に次々に注文をしている。
A氏お勧めの、つぶきも、白子、ぼたんえび、とこぶし、穴子、煮蛤の中から穴子を口に放り込んだ。
しゃりと穴子がとろけ、混ざり合う。
このままもう少し食べたい、が、気持ちを押さえ次の店へ移る。

今度は、京成線の踏切を渉り、駅の反対側へと向かう。
駅裏の路地に入り込むと蛍光灯の明かりに照らされた「のんべ横町」の看板が現れた。
まさしく「昭和」の世界への入口をくぐり抜ける。

40人ほどが座れるカウンターのみの店「江戸っ子」は煮込みとホルモン焼きが売りだ。
ここでは、白みそ仕立ての煮込みを食した。
確かにその通り、納得いく味である。
もう1杯を我慢し、焼き鳥と焼きそばが旨い家庭料理の店「三平」に移る。
早速、焼きそばと焼き鳥で日本酒を飲む。
そして最後の店、京風おでんの店、その名も「おでんや」。
おでんの旨さと、イモ焼酎の品揃えに嬉しくなった。

店を出て、時計を見れば時間はまだ10時を少し回ったばかり。
５時間におよぶ京成立石の食べ歩きの旅は終わった。
メンバー５人と、この日の清算をする。
締めて一人、5000円と少々。

どの店も共通していたのは、安くて旨くて、常連客が多い。
そして「過ぎたるは及ばざるがごとし」と、飲み過ぎを禁める店主がいた。
明日も来てほしいから、「今日はここらで止めときな」と間の手を入れる。
ほっこりとした温かさがある。
これが常連客＝ファンが付く理由だ。

なるほど、ニッチとは居心地が良い場所のことであると納得した。



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   <title>第306号『ファンの聖地-1』</title>
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   <published>2008-10-23T22:07:29Z</published>
   <updated>2008-10-30T08:29:22Z</updated>
   
   <summary> 【スタジアム】 「アメリカでクリスマスと同じくらい大切なイベントが明日あります...</summary>
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【スタジアム】

「アメリカでクリスマスと同じくらい大切なイベントが明日あります。僕のオフィスに遊びに来ませんか？」M氏のオフィスはロスアンゼルスのダウンタウン、ピコにある。
誘われるまま翌日、彼のオフィスを訪ねた。
すでに数人が大型テレビの前に陣取っている。
そして、直径7〜80センチはありそうな巨大なピザとビールが用意され、なんだか皆ワクワクしながらその時を待っている。
間もなく、アメリカンフィットボール最大のイベント「スーパーボウル」のキックオフの笛が鳴ろうとしていた。

このイベントによる経済効果の大きさや、この日のためにだけ流すTVCMが毎年話題にもなるという。
そういえば、オフィスに来るまでの間、道行く車には応援するチームの旗が掲げられ、クラクションを威勢良く鳴らしていた。
スポーツバーには人集りができていたし、ホテルの部屋でつけていたTVには、どのチャンネルを回してもこの話題ばかりが目に付いた。
なるほど、全米が「スーパーボウル」で盛り上がっているなと、肌で感じた。

なぜ、これほどまでに凄まじく熱狂するのか。
興味が湧き、調べているうちにさらに凄い事実を知った。

「グリーンベイ・パッカーズ」。
人口わずか10万人の街、ウィスコンシン州グリーンベイをフランチャイズにしているNFL（ナショナルフットボールリーグ）所属のチーム。
1919年設立。
当初、創立者カーリー・ランボーが勤めていた地元の缶詰会社"Indian Packing Company" がスポンサーだった。
ニックネーム「パッカーズ」の由来は、その缶詰会社のためにつけられた。
しかし、すぐにこの会社はスポンサーではなくなり、資金難にいたった。
そして生まれたアイデア、それは「株式を発行することによってファン所有のチームにする」 というものだった。
いまや、NFLばかりではなく、全米４大プロスポーツ唯一の「市民が所有するチーム」がこうして誕生した。

NFL（ナショナルフットボールリーグ）36のチーム中、スーパーボウル出場最多という古豪である。

「グリーンベイ・パッカーズ」は大都市の巨大な資本を持つチームに立ち向かう小さな勇者のようにも見える。

視聴率もグッズ売り上でも、常にトップを争い、本拠地ランボーフィールドは44シーズン連続でチケットが完売。
シーズンチケットのリストには65,000人以上が順番待ちをしている。
現在、シーズンチケット入手までの待ち時間は、およそ35年。

1923年に非営利法人となり、理事会によって運営され理事会は、地元の財界人を中心に、元パッカーズ選手、判事、大学の学長など、地元の人々が名を連ねる。
球団社長を除き、理事全員無給。
1923年、1935年、1950年、1997年、1998年に株が発行され、合計4,749,925株、 111,921人が所有している。
この株を売買することは禁止されており、配当金もなし。

毎年夏にグリーンベイで開催される株主総会には多くの株主が集まる。
ちなみに2006年には2万人以上が集まった。
ただ「グリーンベイ・パッカーズの株主＝ファンである」ことを人々は楽しんでいる。

真のファンの姿を観に、この聖地を尋ねてみたい。

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   <title>第305号『「しないこと」をもつ』</title>
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   <published>2008-10-16T23:40:17Z</published>
   <updated>2008-10-16T23:46:35Z</updated>
   
   <summary> 【天上に向かう】 「しないこと」をもつことで身を律する。 そんなことを思いつい...</summary>
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【天上に向かう】

「しないこと」をもつことで身を律する。
そんなことを思いついたのはファンサイトを立ち上げる時のことであった。
会社を始めるにあたり、知人から「事業計画書を作ると良い」とアドバイスを受けた。
事業計画書という言葉は知っていたが、具体的になにをどうすればよいのか分らない。
それでも、分らないなりに書いてみた。

・ 会社としての意義や社会的責任は
・ 仕事への取り組みは
・ 年間売上目標と達成方法は

書いてはみたものの、なんだかしっくりとこない。
腑にも落ちない。
理想とする目標を掲げ、それを達成するための道筋を描いてみる。
このことの大切さは十二分に理解できる。
しかし、なんだか他人事のように感じてしまった。

これからスタートする会社はわずかばかりの自己資金と友人からの借入金、そして中古のPCが一台あるだけ。
やれることも、できることも限られていた。
だったら、せめて、「やりたくないこと」「しないこと」をハッキリさせてみようと考えた。

・ いやな会社や、いやな人と仕事はしない
・ クライアントにへつらうことはしない
・ 無料でアドバイスすることはしない

そして、「しないこと」を裏返すと、やるべきことや、とるべき態度がスッキリと分った。

・ 仕事を通して尊敬できる関係を築くこと
・ スタッフやお客様と共に成長すること
・ 十分な利益を共有すること

「YES」と「NO」をはっきりさせる。
「すること」と「しないこと」をはっきりさせる。

つまり、身を律するための基準を持つことを決めたのだ。

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   <title>第304号『名称』</title>
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   <published>2008-10-09T12:58:53Z</published>
   <updated>2008-10-09T20:23:02Z</updated>
   
   <summary> 【飾り】 いま、世界で権勢をふるってきた米国の老舗企業が次々と危機に至っている...</summary>
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【飾り】

いま、世界で権勢をふるってきた米国の老舗企業が次々と危機に至っている。
AIGは政府の管轄下に入り、GMは救済法でなんとか延命している。

AIGの正式名称は「アメリカン・インターナショナル・グループ」訳せば、「米国国際集団」か。
GMの正式名称は「ゼネラルモーターズ」、こちらは「総合自動車」。
ちなみに、IBM「インターナショナル・ビジネス・マシーンズ・ コーポレーション」は「国際産業機械」。
２０世紀のはじめに創業し輝かしい歴史を刻んできたこれらの企業名は大仰である。
アメリカンドリームと世界制覇の夢がこうした名を冠せさせしめたのだろうか。

方や、いま元気の良い企業をみればなんとも軽快である。
「Google」は１０乗の１００乗の数を表すgoogolを変形させた造語。
「Yahoo!」はといえば、二人の開発者、デビッド・ファイロ（David Filo）とジェリー・ヤン（Jerry Yang）が自らを、ならず者（yahoo）だと思っているからこの名前を選んだのだと主張している。
そして、「Apple」は果物のアップル。
昨年、もともとの「Apple Computer Inc.」から、さらにシンプルに「Apple Inc.」と名称を変えている。

迷走する大人たちと遊び心に満ちた童たち。
時代の終わりと始まりが見え隠れしている。

----------お知らせ----------
企業ファンサイト2.0ともいえるサイトが、２つ続けてカットオーバーしました。
１つは株式会社ウテナ様、2008年10月8日発売の新商品「マジアボタニカ」のファンサイト「マジアボタニカ・ カフェ」そしてもう１つは生花販売、株式会社アベニューグループの「フラワーアベニュー」です。
ご高覧ください。

ご意見、ご感想をただければ幸甚です。

マジアボタニカ・カフェ　<a href="http://www.magiabotanica.jp/cafe/" target="_blank">マジアボタニカ・カフェ</a>
http://www.magiabotanica.jp/cafe/

フラワーアベニュー　<a href="http://flower-avenue.jp/" target="_blank">フラワーアベニュー</a>　　　
http://flower-avenue.jp/

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   <title>第303号『好奇心』</title>
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   <published>2008-10-02T21:22:18Z</published>
   <updated>2008-10-02T21:27:08Z</updated>
   
   <summary> 【馬力】 「人気ケータイ小説、筆者は瀬戸内寂聴」このタイトルが目に入った。 日...</summary>
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【馬力】

「人気ケータイ小説、筆者は瀬戸内寂聴」このタイトルが目に入った。
日経新聞のコラム「文化往来」から引用する。

--------------------
「ぱーぷる」という筆名で、五月から四ヶ月間ケータイ小説サイト「野いちご」に投稿された「あしたの虹」という作品がある。
現在も公開されており、既に二十五万回以上閲覧されたこの作品の著書は瀬戸内寂聴。（中略）
瀬戸内は「ケータイ小説が文学をダメにするとかいろいろ言われるけれど、これだけ読まれるからには何かがある。
自分で書いてみなければわからないと思った」と執筆の動機を語る。
携帯端末での執筆はすぐ断念したが、若い世代のチェックで徹底的に「ケータイ文体」に手直しした。
「こんな単純でいいのなら、文章を選び抜いてきた今までの修行は何だったんだろう」とも考えたが、数々の作品を読み、自ら執筆したことで「この文体でしか表現できないものがあるなら無視できない」と思うようになった。
「千年前の源氏物語は今、そのままでは読めない。いろんな日本語ができても、文学原点はなくならない」。
八十六歳の好奇心による再発見である。
-------------------

凄い。
瀬戸内寂聴といえば、すでに功成り名を遂げた大作家である。
ケータイ小説、というだけで眉を寄せてしまいがちなジャンルであるが、垣根を作らず多くの読者に受け入れてもらうための文体を探し、手直しを惜しまない。
それだけではなく、閲覧回数二十五万回以上という成功を勝ち取るために、具体的に何をすれば良いのかを徹底的に研究し、実践している。

どうすればこんな凄い先達に近づくことができるのだろうかと自問自答した。
自分が出来ないと言わない限りは、やれないことも、出来ないこともない。
好奇心というエンジンをブンブン回して、躊躇なく前に進むことだ。

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   <title>第302号『信者』</title>
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   <published>2008-09-25T09:38:58Z</published>
   <updated>2008-09-25T09:42:50Z</updated>
   
   <summary> 【貝殻のタペストリー】 今年、ライブで聴いたアーティストたち。 ポリス・チープ...</summary>
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【貝殻のタペストリー】

今年、ライブで聴いたアーティストたち。
ポリス・チープトリック・忌野清志郎・シンディローパー。
それぞれに素晴らしい舞台を味わうことができた。

コンサートに行く度に思うことがある。
彼らは、どうしてこれだけの人を集めることができるのだろうか。

集まるファンもファッション、年代、ノリ、それぞれに特徴があり、雰囲気も違う。
それほど大々的に告知しているわけでもないのに、わずか数人のメンバーで武道館を、東京ドームをファンで埋め尽くす。

「言う」に人（にんべん）が付くと「信じる」になる。
「信じる」に者が付くと「儲かる」になる。
つまり、音楽であれ、宗教であれ、ビジネスであれ基本は信ずる者が集まることにある。

勿論、自分だけの利益だけを考えている者の回りに、人が集まるはずもない。

ファンとは何か。
１つの言葉から曲が生まれ、その音が共振して輪が広がる。
そして、人々のこころが共振し、共感に変わるときファンが誕生する。

喉頭癌を克服して２月１０日ステージに立った清志郎が、今度は腸骨への転移が見つかった。
この夏、予定していたすべてのライブ活動を中止した。
さぞかし無念と思いきや、「このくらいのことは覚悟してたんで、ぜんぜん凹んでないから」と、本人は淡々としたメッセージを寄せている。
２年前、闘病生活を「新しいブルースを楽しむように」と言っていた。
そして、こんどは「ブルースはまだまだ続いている」と。

清志郎のこの前向きな姿勢に共感する。
そして、まぎれもなく僕はかれの信者である。




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   <title>第301号『突破力』</title>
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   <published>2008-09-18T01:44:08Z</published>
   <updated>2008-09-18T21:15:50Z</updated>
   
   <summary> 【蔦の絡まるハウス】 船井総研でIT企業のコンサルタントをしている、友人の長島...</summary>
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【蔦の絡まるハウス】

船井総研でIT企業のコンサルタントをしている、友人の長島淳治さんが日経BP社から<a href="http://www.amazon.co.jp/dp/4822215806" target="_blank">「IT一番戦略の実践と理論」</a>を上梓された。

彼との交流は２年前の５月、一通のメールから始まった。
06年４月に出版したばかりの僕の著作<a href="http://www.fun-site.biz/company/book.html" target="_blank">「企業ファンサイト」</a>を読み、会いたいのとメールをいただいた。
読者の方からいただいた最初のメールでもあった。
明るく率直な発言と、柔らかな言葉のなかに鋭い観察眼を併せ持つ若者との印象を受けた。
そして別れ際、「僕も数年後に本を書いて出版します。」
と、きっぱりと言ったことがとても印象的だった。
はたして、きっぱりと言い放ったそのことを見事に実現した。

その長島さんから、最近もっとも感銘したという本を紹介された。
山口絵里子著<a href="http://www.amazon.co.jp/裸でも生きる――25歳女性起業家の号泣戦記-講談社BIZ-山口-絵理子/dp/4062820641" target="_blank">「裸でもいきる」</a>である。

山口さんのプロフィールを紹介する。
１９８１年埼玉県生まれ。小学校時代イジメにあい、その反動で中学時代非行に走る。その後、強くなりたいと高校の「男子柔道部」に自ら飛び込み、女子柔道で日本のトップクラスに。偏差値４０から受験勉強３ヶ月で慶応大学に合格。大学のインターン時代、ワシントン国際機関で途上国援助の矛盾を感じ、アジア最貧国「バングラデシュ」に渡り日本人初の大学院生になる。必要なのは施しではなく先進国との対等な経済活動という理念のもと２３歳で起業を決意。ジュート（麻）を使った高品質バッグを現地で生産し輸入販売する「株式会社マザーハウス」を設立。あらゆる苦難を乗り越えビジネスを軌道に乗せた彼女の生き方やビジネス理念は、多くの学生から若い社会人に感動を与えており、社長業の傍ら講演で飛びまわる。「フジサンケイ女性起業家支援プロジェクト２００６」最優秀賞受賞。

このプロフィール通り、まるでジェットコースターのようにスリリングな内容で、一気に読み終えた。

そして、僕が常々敬意と賞賛をもって接している人たちに共通するものがあることに気が付い。
それは、常識では無理だと思われる問題や、困難という壁を、愚直に突破していく姿勢だ。

例えば、大手金融コンサル会社を辞し、ストリートバスケやストリートダンスを組織するK氏。
地方から上京し、販売員からはじめ、いまや圧倒的なブランド力をもつファッションデザイナーのS氏。
政府系バンクを辞し、中小企業支援のコンサルをやりながら自らも数店のショップ経営を展開するM氏。

彼らから一様に出た言葉がある。
「やってみなきゃわからないじゃない！」
なるほど、突破力とは自分を信じる力のことだと思った。

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   <title>第300号『10000時間』</title>
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   <published>2008-09-11T06:36:18Z</published>
   <updated>2008-09-11T06:43:21Z</updated>
   
   <summary> 【数】 福岡伸一氏は『生物と無生物のあいだ』でサントリー学芸賞に輝いた気鋭の生...</summary>
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【数】

福岡伸一氏は『生物と無生物のあいだ』でサントリー学芸賞に輝いた気鋭の生物学者である。
骨子の野太さとは似つかわしくない、流麗で且つ、リズム感のある文体で思わず引き込まれた。
その福岡氏のコラムを8月21日付け日経新聞夕刊で、読んだ。
以下、コラムからの引用である。

「こんな調査がある。スポーツ、芸術、技能、どんな分野でもよい。
圧倒的な力量を誇示するプロフェッショナルというものが存在する世界がある。
そんじょそこらのアマチュアなどまったくよせつけないプロフェッショナルたち。
そのような人たちがいかにして形成されたか。
それを調査したものである。
（中略）
プロフェッショナルたちの多くは皆、ある特殊な時間を共有しているのである。
10000時間。
いずれの世界でも彼ら彼女らは、幼少時を起点として少なくとも10000時間、例外なくそのことだけに集中し専心し、たゆまぬ努力をしているのだ。
10000時間といえば、1日3時間練習レッスンを受けるとして、1年に1000時間、それを10年にわたってやすまず継続するということである。
その上に初めてプロフェッショナルが成り立つ。
DNAの中には、ピアニストの遺伝子も将棋の遺伝子も存在しない。
DNAには、人を生かすための仕組みが書かれてはいるが、いかに活かすかについては一切記載はない。」

拳拳服膺。

量は質を凌駕する。
蓋し，腑に落ちた。
はたして、自分はどうか。

『ファンサイト通信』を書き始めて6年6ヶ月。
そして300号、まだまだ道半ばである。

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