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2010年02月 アーカイブ

2010年02月04日

第368号『3分間プレゼン』

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【IKEAディスプレイ】

どうしてもアプローチしたいと思っていたメーカーの役員に、幸運にもプレゼンをする機会を頂いた。
入念に準備し、その場に望んだ。

ところが、プレゼンが始まってすぐ、緊急の連絡が入った。
秘書からのメモに目を通した後、役員の表情が曇っていくのが見て取れた。
「直ちに、此処から出発しなければならないことが起きた。」
非を詫び、再度予定を組むからと丁寧に言われた。
「勿論!」と答えたが、この後再びプレゼンの機会をいただけるとすれば、かなり先になりそうな予感がした。
そこで、役員が出かけるために秘書が準備をしている間の時間をいただき、プレゼンさせてくれと頼んだ。

「では単刀直入に」と前置きし、「ファンサイトとは何か?」と問われた。
「時間もないし、一言で答えて」と。

「ウム」と息を呑み、「ファンサイトとはファン=お客様を集めてから、ビジネスを考えるというマーケティングの方法です。」と答えた。
「つまり、集まっていただいファンに、どんなサービスや商品なら欲しいか、と聞いてからアイディアを練り、提示する。」のだと答えた。

企業が予め用意したサービスやモノを提供するための方法を考えることが、いままでのマーケティングだとすれば、その真逆の仕組みを提示することなのだ。と。

役員は「なるほど・・・」と云い、足早にエレベータに乗り込んだ。
役員室に一人取り残された格好になった。
慌ただしさの中で、予め用意していたことではなかったが、この時、確かに「ファンサイトとは何か」がポロリと生まれ落ちたと感じた。

2010年02月11日

第369号『みぢゃげど』

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【みぢゃげどの暖簾】

ビクターエンタテインメントのプロデューサー、牧元裕之さんとの待合せで、谷中にある料理屋に向かった。
はたしてこの道で間違いないのかと、少し不安なりながら、地図を片手に15分ほど歩く。
街灯も疎らな細い路地沿い、藍染めの暖簾に「みぢゃげど」の白抜き文字を見つけ、くぐった。

縁あって、ある日、牧元さんと酒を酌み交わした。
僕が津軽の出身だと告げると、「みぢゃげど」って店を知っているか、と問われた。
記憶が一気に甦った。

津軽郷土料理店「みぢゃげど」は今年32年目。
津軽ことばで「みぢゃ」は水場(台所)「げど」は道の意である。
女将の北澤美枝さん、旧姓、石場。
石場家は津軽藩の御用商人として、わら製品や、津軽一帯の魚市場を仕切っていた。
弘前城の裏手にあるご実家は、現在、国の重要文化財でもある。
その直系の長女として、石場家代々の台所の味を受け継いだ。
だから、正確に言えば津軽料理であり、且つ石場家の振舞い料理ということになる。

食材はすべて津軽からの取り寄せ、水も岩木山の伏流水を使っていたというが、さすがに今は、その水の味にちかい富士山の伏流水を使用しているという。
口にする一々が、紛れも無く、かつて食べたことのある味の記憶を甦らせる。
ひょっとしたら、地元の津軽でも、この味を再現できないし、味わえないのではないか。
その石場家の味をいまは、女将からお孫さんが守り受け継ぎ、板長として腕を振るっている。

じつは二十数年前、従兄弟と、この店に来る機会があった。
従兄弟の結婚相手が、女将と従姉妹という関係にあり、挨拶に伺うはずだった。
理由は忘れたが、その折の訪問は叶わなかった。
それ以来、従兄弟との酒の席で、今度「みぢゃげど」に連れていくからと、何度か空約束が交わされた。
その従兄弟も亡くなり、「みぢゃげど」は幻の店として頭の中から忘れ去れていた。

そして、この日、遂に僕にとって幻の店「みぢゃげど」の席に座ることができたのだが、不思議なことに初めて、という気がしなかった。
ずっと昔から変わらないものの心地よさ、味も、女将との津軽弁での会話も。
それは、酒で酔ったせいばかりではないと、感じた。

2010年02月18日

第370号『絆再生プロジェクト』

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【出番を待つ椅子とテーブルたち】

有楽町西武、吉祥寺伊勢丹、四条河原町阪急など、百貨店の閉鎖が止まらない。
伊勢丹吉祥寺店では、衣料品の在庫が集積し、あたかも「アウトレット」のような店内に連日買い物客が溢れた。
わずか1ヶ月間の閉店セールで、前年の2ヶ月分に相当する売り上げだったという。
閉店間際の活況は、皮肉にもこれまで百貨店が提供していた商品とお客様のニーズとのズレを露呈させる結果となった。

同様の状況は、TV・新聞・ラジオ・雑誌など従来のメディアでも確実に進行している。
『テレビCM崩壊』(Joseph Jaffe著/翔泳社刊)『2011年新聞・テレビ消滅』(佐々木俊尚著/文春新書)と、昨年から唯ならぬ現状を裏付けるような書籍も相次いで上梓されている。

百貨店では、商品というコンテンツを物流で集つめ、場所=プラットホームを貸すことで成立させている。
かたや、各メディアも紙面や、時間といったカタチで場所(プラットホーム=広告枠)を売っている。
しかし、ウェブの登場によりプラットホームは無限に拡がっていき、しかも限りなく無料に近い状態で利用することが出来る。
百貨店にしろ、メディアにしろ、いわば場所貸し利権と、マスを握ってのビジネスモデルが立ち行かなくなったということである。
加えて、永きにわたりマスで生産されたモノによって個が消費する経済的仕組みが、結果として共同体を破壊してきた。
こうした現状への異議申し立てと、共同体回帰は必然の理である。

長蛇の列に並ばなければ、見ることの出来ない催事も、国民的な流行歌も、お茶の間を独占する番組も、もう生まれ得ないだろう。
こうした、コンテンツのマス化が減少していくなかで、どのようにメディアは変容するのか。

おそらく数千から数万人の規模で且つ、特定の信頼関係で結ばれた集まり=共同体(つまりファンサイトなのだが)に情報発信するミディアムなメディアが、これからの中心になる。

それに伴い、これから当然コンテンツビジネスの有り様も変わってくるだろう。
ふさわしいカタチとしては、コンテンツを供与する者と、そのコンテンツを享ける者との信頼関係が維持担保できる程度の商いが、頃合いとして良いのではないか。
それは、これまでの「消費」に向かって欲望を駆り立てる「(顔の見えない)ビジネス」から、個人として自立し、共に生きることで絆を再生する「(顔の見える)商い」への変貌を模索することではないか。

【コラボレーションイベント開催のお知らせ】

「andparty(アンドパーティ)」はファンサイトが運営する[食]のコミュニティーファンサイトです。(スタート2ヶ月余、現在マイスター(先生)21名 メンバー370名登録)
今回、その活動の一環として「andparty(アンドパーティ)」に参加しているお料理の先生、らーぷさんと、フジテレビ「ハピフル」や各種メディアでもおなじみの麻布長江オーナー、田村亮介氏によるコラボレーションイベントを開催します。
イベント申し込み枠を開催事務局から3名分、手に入れることができました。
ご興味あるかたは、下記メールにて、川村まで。
r-kawamura@fun-site.biz

日時:3月3日 19:00(開場)19:30〜22:00 立食形式
場所:麻布長江(西麻布) 
料金:¥6,000-(お料理10品、ワイン、ビールなど飲み物含む)

2010年02月25日

第371号『100人プレゼン法』

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【語り合うおやどりとひな】

ほぼ毎日、自己満足的なアイデアを思いつく。
大概は、思いつくだけで忘れてしまうか、自分で却下してしまう。
しかし、そんな中で、渋とく生き残るアイデアもある。
決まって、生き残るアイデアには共通する行動が伴っている。

それは、思いついたアイデアを紙に書き、しばらく眺めている、という一連の動作である。
アイデアは、何もしなければ「単なる思いつきの願い」でしかない。
アイデアを「目標」に変えるためには、「目標」に対する具体的なイメージが必要になる。
つまり、イメージをよりリアルに描くために書く。
しかし、書くことで、あたかも「願い」が実現したように錯覚し、満足してしまうこともしばしばある。
当然のことであるが、書いただけで「目標」が実現するわけではない。
ではどうするか。
「目標」を実現させるため、環境を整えることが必要になる。
僕のやり方はシンプルである。

「100人プレゼン」と命名した方法だ。
まずは、男女、年齢に関係なく、プレゼンする相手を100人選びノートに書く。
そして、翌日からアポをとり、プランを話す。
相手に指摘され、論破された点をノートに書き、考え、修正する。
ただただ、それを繰り返す。

ところが、80人を超えたころには、否定的な意見も少なくなり、「なるほど」という賛同を引き出すことが出来るようになる。
さらに、この方法の良いところは、プレゼンをしている自分自身が「実現」したい「目標」に飽きていないかも確認することができる。
「願い」を書き記すことで「目標」を明確にし、その「目標」を飽きずに、多くの方々に語ることで「実現」へと近づくことができる。

数は質を凌駕し、本質へと迫るのだ。

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