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2008年04月 アーカイブ

2008年04月03日

第279号『さくらさく』

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【さくらさくら】

高校3年の時、弘前市五十石町にある叔母の家に下宿していた。
五十石町は弘前城公園の裏手に位置している。
高校までの通学路に、公園の中を横切っていくのが近道だった。

弘前城の観桜会は例年200万人以上の観光客が訪れる。
真っ直ぐに歩くことが出来ないほどの混雑になり、この時期は、公園を通ることを避けた。
桜も散り観桜会が終わると、公園は元の静かな通学路に戻る。
そして、お堀の水面は散った花びらでびっしりと覆われる。
それは、まるで桜色の絨毯が敷かれたようにも見えた。

50歳の時、ファンサイト有限会社を創ることを決断した。
「随分と思い切った決断ですね」と多くの方々から励ましのことばと同時に、半ば呆れたような声も頂いた。
大志があったわけではない。
それまで勤めていた会社が、二進も三進もいかなくなったからだ。
明らかに、起業するには遅い年齢だとも思った。
しかし、飛ぶしか他に方法がなかった。

あれから、7年目の春。
いまファンサイトは、日々悪路を仲間たちとドライブしているような気分だが、行くべき先はしっかりと見えてきた。

あの日の、弘前城のお堀を埋め尽くした桜を思い出す。
枝に咲く桜も良いが、水に咲く桜もなかなかである。
人それぞれ、咲く時も場所も違う。


水面には 散って花咲く さくらかな  隆一
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お知らせです。

今年も、ファンサイト創立記念観桜会を開催します。
場所は浜町公園(都営新宿線浜町駅下車すぐ)
日時は来週4月11日(金)午後から

僕は4時ごろからボチボチ飲んで場所を確保しておきます。
葉桜でしょうが花びらの絨毯を敷いて、皆様のご参加をお待ちしております。

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2008年04月10日

第280号『モノ語りづくり』

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【語り部を待つベンチ】

サブプライムローン問題、日銀総裁人事の停滞などを背景に株式市場が低迷している。
しかし、世界全体として経済はいまだに適正な成長率を超えて拡大しつづけてる。

一方で異常気象を含め環境破壊の警告も、もはや無視できない状態まできている。
それでも、私たちは「成長率の適正化」という課題に真剣に取り組んでいるとは言い難い。
それは、「経済を拡大することによる問題解決の力」への指向がいまだに強すぎるからだ。
自戒を込めて言えば、僕自身、金で全てを解決することはできないが、大方のことには対応できるという呪縛に絡めとられている。

私たちはこの常識を転換することができるのだろうか?

本来、ひとり一人の幸せにとって経済にできることは、ごく限られたものであろう。
問題は肥大する経済成長がいつ下落するかと心配するよりも、せっかく手に入れた経済の力をどうのように活かすか、という智慧を身につけることを怠ってきたことなのだ。
その事実を、多くの人は薄々感じ始めている。

そして、(経済的に勝者になることが、すべてに優先されるといった)広い意味での教育が、これまで脇においてきたこのテーマに取り組み、経済成長にこだわる常識の転換を企業も私たち消費者も直ちに始めることが必要ではないか。

例えば、企業にとっては自社のサービスや商品に対する強いこだわりと質の管理、そしてファンとの密度の濃い関係が不可欠となる。
だから、企業が1つのサービス、1つの商品を通して、お客様に向き合うことが途轍もなく重要であり、原点にもなる。

それは、価値の中心軸をモノの大量生産、流通、消費によって成長してきた「モノづくり」から、関係、情報、意味による「モノ語りづくり」へと移動することである。

簡単なことではないが、いま、新たな「物語」が必要なのだ。

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お知らせです。

今年も、ファンサイト創立記念観桜会を開催します。
場所は浜町公園(都営新宿線浜町駅下車すぐ)
日時は来週4月11日(金)17時ごろから予定しています。
雨の場合、アトリエにて18時ころから始めます。
皆様のご参加をお待ちしております。

川村の携帯:090-6498-6611

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2008年04月18日

第281号『事件と伝統』

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【植物図鑑】

今月4日、歌舞伎座で「勧進帳」を観た。
高校生の時、父と行ったことがあるがほとんど記憶に無い。
切っ掛けは、友人でクライアントでもあるKご夫妻との会食の席で誘われ、興味が湧いた。

席は、最前列ほぼ中央。
役者の微細な表情は勿論のこと、吐息まで聞こえてくる距離である。
K夫妻の計らいに感謝し、席に着く。

最初の演目「将軍江戸を去る」が終わり休憩を挟んで、「勧進帳」に移った。

弁慶を仁左衛門、義経を玉三郎、富樫を勘三郎が演ずる。
役者の所作、化粧(隈取り)、衣装の色と柄の組み合わせ、長唄囃子の音、舞台美術など、すべてが新鮮で映画や、演劇とは一味も二味も違う世界を楽しんだ。

弁慶と富樫の丁々発止の掛け合い、その後に続く弁慶の舞い。
6時48分。
まさしく、この弁慶の舞が始まってすぐ、事件が起きた。
一瞬、席から腰が浮く。
次の瞬間、グラリと館内が大きく揺れ、客席から驚きの声があがった。
地震だ。

最前列にいた僕は、後ろを振りかることも出来ず、舞台で舞う仁左衛門を見続けた。
彼は動揺していないか、舞を止めてしまうのではないか、動いている仁左衛門は気が付かないとしても、富樫の勘三郎や長唄囃子連中は驚いて席を立つのではないかと、ドキドキしハラハラしながら目を凝らした。

仁左衛門は力強く緊張感溢れる舞を続け、勘三郎は微動だもせず、長唄囃子連中は何事も無いかのように唄い続けている。
その時、舞台という空間は、数百年前、関所を通るために、弁慶と義経が役人富樫と遣り取りをしている時空にタイムスリップしているかのようにも思えた。

地震にも動じない彼らの姿に、改めて感服した。
今年、歌舞伎座は120周年。
多くの優れた先達が築いてきた歴史がこの聖地を支えている。
そして、僕はこの小さな事件を通して、プロ魂と伝統を継承する彼らの覚悟を、垣間みることができたような気がした。

2008年04月24日

第282号『パワールーム』

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【門をくぐれば】

何かが必要になったら情報を集め、専門の人に任せれば良い。
食事、洗濯、掃除、英会話、育児、雑務・・・。
こうして、あらゆる分野でアウトソーシングが進んだ。

結果、時間を買い、余裕が生まれた。
反面、日々コツコツとやることが出来にくくなっている。
身に付いていないことを習慣付けるのは難しい。
では、習慣はいかにして身に付けるか。
考えたことを人に言い、出来ればその人とともに定期的に行動する。
そして、まずは中身ではなく、カタチを決め、ともかく数多く実行する。
数はいずれ質に変わる。

ファンサイトは企業のウェブサイトの提案とその制作・運営実施を通して、企業とファン(お客様)のコミュニケーションの場を作ることを生業としている。
当然のことながら、私たちはお客様の要望を実現するための最善策を提案しなければならない。
しかし、現実にマーケティングプランもウェブも、その最新情報を網羅的に把握することは至難である。
ではどうすれば良いのか。

自らが勉強することは勿論、その知を共有するための仕組みを作ることにした。
こうして、昨年1月「ファンサイトパワールーム」は誕生した。
毎週月曜日9時から1時間、全員で勉強会を続けた。
効果は直ぐには現れない。
でも、夏を過ぎ秋になるころには毎回掲げるテーマに、メンバーひとり一人の意見がでるようになった。

今年3月、50回目の「パワールーム」を開催した。
ひとまず、ファンサイト内での初期の目的は達成できた。
そして、これを期に新たな試みを考えた。

それは、他流試合である。
この「パワールーム」に、盟友であるオライリージャパンの伊藤篤編集長、さらにクライアントのご担当者も、参加いただての勉強会を始めることにした。
この他流試合、いかなることになるか。
「パワールーム外伝」として、近々ご報告させていただく。

◇◇◇【お知らせ】◇◇◇
5月2日金曜日は休刊し、次号ファンサイト通信283号は、9日金曜日に配信させていただきます。

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