花期花会

2019年09月19日第44回『地域イノベーター紹介-その11』

折込広告文化研究所の鍋島です。

前回に引き続き、我が関心事、地域をデザインしているイノベーターを紹介します。

へぇ~、こんな面白い人が、こんな素晴らしい人が、いるんだ~と軽く受け止めていただければ幸いです。

「地域イノベーター」シリーズその11

今回の地域イノベーターは、「人を幸せにできる医師になりたい」と東京で在宅医療をしながら、九州と東京で「互いに助け合う健康なまちづくり」を進めるNPO法人「Needs」の代表である進谷 憲亮(しんたに けんすけ)さんです。

< 進谷憲亮さん >

 

進谷さん(愛称は進ちゃん)は、現在32歳で、出身は福岡県京都郡苅田町です。

その進ちゃん、実は、昨年4月から1年間、カンボジアでボランティア医療してきました。

何故に進ちゃんは、新婚半年だったのにカンボジアに行ったのでしょう。

また、何故に行こうと思い立ったのでしょう。

ところでカンボジアについて、ご存知でしょうか?

カンボジアは、貧しい国と言われています。

過去にポルポト政権で、多くの知識人を中心とした大虐殺があり、生き残った医師は数十名とも言われ、医師不足の国です。

その後、カンボジア政府は、医師不足解消として、1年間という短い就学を経た未熟な医療者を大量に排出しましたが、結果、知識や経験の浅い医療者では病院に行っても適切な治療を受けられないのが現実でした。

そんなカンボジアの現況を知り、飛び込んで行った進ちゃん、彼を突き動かした背景は、彼が、どんな気持ちで医師になったのかがわかると理解できます。

< カンボジアの子どもたちに囲まれた進ちゃんの写真 >

 

進ちゃんが、医師に成ろうと思ったのは、中学校の時でした。

中学を卒業したバスケ部の先輩が亡くなったのです。

優しくてリーダーシップのある部活のキャプテンで、誰からも慕われていました。

進ちゃんも大好きでした。

その先輩の葬儀の日、棺に取りすがって我が子の名を叫ぶお父さんの姿がそこにあり、「人が亡くなると、家族はこんなにも悲しいのか」と初めての体験をしました。

そこで進ちゃん、考えました。

人生で一番つらい目に遭うのは人の死の瞬間なんじゃないか。

仮に自分がその最期の時間に関わっていたとしたら、「長い間お疲れさま」と言葉を掛けて見送ることができるんじゃないか。

残された家族に対しても、いくらかの力になることができるんじゃないかと。

進ちゃんが医師に成ることを決めた瞬間です。

それからの進ちゃんは猛勉強をします。

家族や友人たちに支えられながら。

医師に成るために、地元の高校よりレベルの高い、少し離れた高校への進学を目指します。

そして合格します。

次は九州大学の医学部医学科です。

しかし、成績は思う様に伸びず、冬になって塾通いします。

下の弟は「一度きりの自分の人生、自分の思う様にしたらいいやん。落ちたら浪人してもいいやん。」と応援してくれます。

結果は、九州大学の別の学科に合格します。

医学部ではありません。

迷っていると、上の弟が「大学から今日までに入金しないといけないって電話があったけど、兄は来年、医学部医学科を受け直すから、今年は行きません。」と断ったそうです。

二人の弟、家族の応援で、ついに進ちゃん、翌年、念願の医学部医学科に合格します。

そして医学科に入って、専門を選ぶ際に、進ちゃんは考えました。

自分が医師を目指したのは、大好きな人達の力になりたかったから。

リアルに感じられる人生で一番大きな不幸は、死。

だから、死に際した人やその家族のサポートがしたい。

救急医療を専門にしました。

大学に通いながらアルバイトもしました。

縁があったカフェバーTAO(※)では、カウンター越しにお客さんと話す機会が多々あり、進ちゃんが医学生だということも常連さんたちは知っていて、医学生として相談を受けることもありました。

※カフェバーTAOのマスターは、私のファンサイト通信を読まれている方ならご存知の、身長191cmの良いか漢、全国を飛び回っている林田暢明さんが開いた博多にある店です。

多くの人たちと会話することで、だんだんと患者さんの求めるものと医療者の提供するものに微妙な違いが生まれていることにも気づき、大学の講義では教えてもらえない、生身の人と接して初めて気づく事が多いことがわかりました。

進ちゃん、6年間の大学時代の経験から「病気じゃなくて人を診る医者になりたい」と強く想うようになりました。

今の日本の医療を良くするために、「病院に運ばれる前」、「病院での治療が終えた後」、「病院の外=地域」、医療者も非医療者もみんな幸せになれる社会の仕組みづくりがしたい、地域医療という概念に関心を持ちました。

「困っている人がいるのに手の挙げられない医者になってはいけない」

「病気ではなく、人を診ることのできる医者になる」

「色んな人との出会いを大切にする」

進ちゃんのこの考えが、全くの未知なところで自分が実践できるかどうかを試すために、カンボジアに飛び込ませたのでした。

カンボジアで進ちゃんを受け入れてくれた組織は、特定非営利活動法人ジャパンハート。この組織については皆さん、各自、調べてください。

ジャパンハート

https://www.japanheart.org/

ジャパンハートの創設者 吉岡秀人さん 情熱大陸の1と2

https://www.youtube.com/watch?v=LBXvos_aXM4

https://www.youtube.com/watch?v=sZG5wiLKDUY

カンボジアの経験を踏まえ、ひと回りも大きくなった進ちゃんが、この先、どういった地域医療のネットワークを構築するのか、が本当に、たのしみです。

< 進ちゃんの名刺 >

次回また、素晴らしい地域イノベーターをご紹介したいと思います。

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「鍋島」のプロフィール

鍋島裕俊(折込広告文化研究所 代表)

*1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。

*1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティング、社長室、メディア戦略を経て、無事に卒業(2015年)。

*折込広告全国大会の研修会・分科会や本会議での研修講師や基調講演の講師をプロデュースしている。これは業界への恩返しと考えてのサポート。

*研究テーマは、①折込広告の全般研究、②折込広告史の研究、③地域メディアの研究。

*お節介していることは、全国各地のまちづくり・地域づくりの当事者やそれを紹介するメディアの編集者たちを、勝手に紹介・繋いだりすること。

*2014年に「折込広告文化研究所」を設立。

*折込広告に関する執筆は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」など、過去に多々掲載された。

*印刷会社の“街おこし” 一般社団法人マーチング委員会の渉外部長。

*全日本印刷工業組合連合会(全印工連)CSR認定委員会の委員(前認定委員長)。

*その他、数店のお気に入り店舗(飲食店&本屋さん)の口コミ宣伝部長の名刺がある。

*オリケン・セミナーを定期的に主宰(達人シリーズ、著者シリーズ、今が旬シリーズ)。

*facebookでの発信は、多岐に渡る。

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執筆者

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鍋島 裕俊

(自称:折込広告研究所所長)

1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。
1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティングを経て、現在、メディアの方向性を考える戦略セクションに所属。
折込広告全国大会の分科会やセッションのプロデュースを担当(2000年の横浜大会、2008年の東京大会、2010年の東京大会)。
研究テーマは、(1)折込広告の全般研究、(2)折込広告史の研究、(3)新聞販売店のイノベーション研究など。特に新聞販売店のイノベーション研究は、2011年9月から早稲田大学ソーシャルアントレプレナー研究会で新規講座を開催。
折込広告に関する過去の著作は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」などに掲載。

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