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2019年08月01日第42回『地域イノベーター紹介-その9』

第42回『地域イノベーター紹介-その9』

折込広告文化研究所の鍋島です。

前回に引き続き、我が関心事、地域をデザインしているイノベーターを紹介します。

へぇ~、こんな面白い人が、こんな素晴らしい人が、いるんだ~と軽く受け止めていただければ幸いです。

「地域イノベーター」シリーズその9

今回の地域イノベーターは、兵庫県尼崎市を拠点に、尼崎ENGAWA化計画/場を編む人、の代表の藤本 遼(ふじもと りょう)さんです。

<藤本遼さん>

藤本さんは1990年4月の生まれで現在29歳。

地元尼崎市の出身で、まちをおもしろがるためのさまざまなイベントや企画をプロデュースしています。

では、まちをおもしろがるためのイベントとは、どんなものなのでしょう。

閉店した喫茶店を、のべ228名の人が関わりながらセルフ・リノベーションで2015年8月に完成させたコミュニティ・スペース「amare(あまり)」。

この場を拠点にして、週2~3回のペースでイベントを開催しました。

その中の一つが、「オトナテラコヤ」です。

「オトナテラコヤ」は、「あまがさき市民、みんなが先生」をキーワードに、気軽に楽しく、デザイン、建築、アート、法律、ICTなど様々なことを、関心に沿って学べる機会を提供する大人のための寺子屋。

2017年10月末までに100回を数え、1200名以上の市民に知らない世界に触れるきっかけを提供しました。

2016年7月から年に1度、尼崎市内にある浄土真宗本願寺派の清光山西正寺の副住職の中平さんと一緒に「カリー寺」を企画・運営しました。

<カリー寺>

お寺を会場に、様々なカレー屋さんの出店や、アジア各国のパフォーマンス、仏教やカレーにまつわるトークイベントなどを用意して、日頃は訪れる機会のないお寺に足を運ぶ機会をつくりました。

もちろん、カレー寺は今でも続いています。

2016年10月には「尼崎ぱーちー」を開催。

ものづくりのまちとして栄えてきた尼崎の特色を活かし、工場で製造している材や、使用している機械などを会場にオブジェとして設置して、尼崎市内のお店や作家、パフォーマー、アーティストさんたちと尼崎ならではの「場」をつくり、参加した市民が1万人と賑わいました。

2016年2月には、もう一つの拠点、阪神「尼崎駅」から徒歩10分のところに、「尼崎傾奇者(かぶきもの)集落」を誕生させ、新しい集落の形を実験中。

<傾奇者>

集まる人が、みんなどこか世の中の普通からちょっと“傾いた”人、個性的な人が集まり、相乗効果を創り上げています。

「関わることで人に出会い、世界が拡がり、自分を高められる。気づき、学び、楽しみ、そして救いがある場をつくり続けたい。」・・・と考える藤本さん、彼がそう熱望する背景には、彼の個人的な理由がありました。

尼崎に生まれ、尼崎で育った藤本さん。

小さい頃に母親がいなくなり、高校に入る頃には父親もいなくなったそうです。

離婚した両親に代わって育ててくれたのは祖父母でした。

藤本さんは、考えます。

「祖父母がいなかったら、どうやって生きてきただろうか。生きていくための責任が全て、家庭や家族に求められる現代は、成熟した優しい社会なのかな?と疑問に思う。そういう意味で、コミュニティづくりってリスクの共有だなぁ。」

そして、藤本さん、

「つながりさえあれば救われる可能性や、生きていける可能性が高まる。

自分がドロップアウトしなかったのは、運が良かっただけかも。」と。

さらに、

「マイノリティとしての自分の身を守るためにどうするか。

苦しんでいる人たちの身を守るために、どうすればいいのか。

「おもろいやん」と納得している自分の生き方を、どう活かすのか。

考えた先に出てきたものは、『余白』をつくるということ。

『余白』をつくるとは、正しさを持たないこと、決めつけないこと。

多様性を認め合うこと。」

これらの藤本さんの思考に、私は共感しました。

そして、藤本さんの結論は、

「血縁関係も大切だけれど、それだけじゃなくてもいい。

家族以外とつながれる場所やつながる方法があっても良い。

名前が分かって、顔が分かって、何かあった時にふと頭に思い浮かぶ。

そんな関係があれば良いですね。」

昨日も、今日も、明日も、藤本さんは、常に魅せる笑顔で、人と人を繋ぐ場のデザインに全力を注いでいます。尼崎に会いに行くぞ!

 

次回また、素晴らしい地域イノベーターをご紹介したいと思います。

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「鍋島」のプロフィール

 

鍋島裕俊(折込広告文化研究所 代表)

*1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。

*1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティング、社長室、メディア戦略を経て、無事に卒業(2015年)。

*折込広告全国大会の研修会・分科会や本会議での研修講師や基調講演の講師をプロデュースしている。これは業界への恩返しと考えてのサポート。

*研究テーマは、①折込広告の全般研究、②折込広告史の研究、③地域メディアの研究。

*お節介していることは、全国各地のまちづくり・地域づくりの当事者やそれを紹介するメディアの編集者たちを、勝手に紹介・繋いだりすること。

*2014年に「折込広告文化研究所」を設立。

*折込広告に関する執筆は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」など、過去に多々掲載された。

*印刷会社の“街おこし” 一般社団法人マーチング委員会の渉外部長。

*全日本印刷工業組合連合会(全印工連)CSR認定委員会の委員(前認定委員長)。

*その他、数店のお気に入り店舗(飲食店&本屋さん)の口コミ宣伝部長の名刺がある。

*オリケン・セミナーを定期的に主宰(達人シリーズ、著者シリーズ、今が旬シリーズ)。

*facebookでの発信は、多岐に渡る。

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執筆者

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鍋島 裕俊

(自称:折込広告研究所所長)

1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。
1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティングを経て、現在、メディアの方向性を考える戦略セクションに所属。
折込広告全国大会の分科会やセッションのプロデュースを担当(2000年の横浜大会、2008年の東京大会、2010年の東京大会)。
研究テーマは、(1)折込広告の全般研究、(2)折込広告史の研究、(3)新聞販売店のイノベーション研究など。特に新聞販売店のイノベーション研究は、2011年9月から早稲田大学ソーシャルアントレプレナー研究会で新規講座を開催。
折込広告に関する過去の著作は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」などに掲載。

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