花期花会

2019年03月13日第36回『地域イノベーター紹介-その3』

折込広告文化研究所の鍋島です。

 前回に引き続き、我が関心事、地域をデザインしているイノベーターを紹介します。

へぇ~、こんな面白い人が、こんな素晴らしい人が、いるんだ~と軽く受け止めていただければ幸いです。

「地域イノベーター」シリーズその3

今回の地域イノベーターは、五月女圭一(そうとめ けいいち)さん。

<五月女圭一さん>

 

今回の地域イノベーターは、居酒屋くろきんなどの飲食店を営んでいる株式会社ゲイトの社長、五月女 圭一(そうとめ けいいち)さんです。

五月女さんは1972年生まれの45歳。ご本人の生きるスタイルは、走って辿り着いた時の達成感と、そこからの新しい視界が拡がるワクワク感が、たまらなく好きだそうです。

現在は、株式会社ゲイト代表取締役社長で、飲食店やリラクセーションサロンなど、東京都内を中心に約20店舗のストアビジネスを展開しています。

最近の関心事は、農林水産業、加工業などの六次産業化や地方創生、事業承継、空き家問題、ヘルスケア、シェアリングエコノミー、ロボット、バイオ、先端技術などに関心があり、少しずつ実践してきているそうです。

しかし、初めから成功したのではなく、挫折もあり、26歳という若さで東証一部のベンチャー・リンクに経営コンサルタントとして所属していましたが、猛烈に働いた結果、30歳を前にして過労で倒れ、数年の闘病生活も経験しました。

その後、東京で居酒屋中心に数店舗を経営する株式会社ゲイトを創業しました。本社は東京の墨田区に置き、正社員は20人くらい、フリーランスや契約社員、アルバイトなどを含めると150人くらいと一緒に仕事をしています。

五月女さんがスゴいのは飲食店の社長しながら食材の生産者に成ってしまうことです。山梨で農業部門を、三重で水産部門を立ち上げ、第一次産業から飲食業までを一気通貫で事業展開していることです。

何故、水産業を始めたのでしょう?それは、知人から三重の水産業の衰退を知らされ、何とかしなければという考えから三重県の尾鷲市で定置網漁を始めたのです。

やることを決めてから行く、という順番ではなく、まずは、現地に何度も行ってみる。漁業をやってみる。家を買って、現地に住んでみる。その地域や状況で本当に何が起こっているのか観察して、知って、理解する。そして実践する。本当にスゴいです。

また、巻き込み方も半端ないです。現在の漁業の実態を多くの人が知り、理解することが必要だと考えた五月女さんは、取引先を現地に連れて行き200人以上の人が、その地を訪れています。また、墨田地域の子どもたちに、第一次産業を理解する教育として現地見学をする働きかけも行っています。

以下は、そんな五月女さんの活動を紹介する新聞の記事(2017年11月)です。

【尾鷲】居酒屋などを経営する「ゲイト」(東京都、五月女圭一社長)が12月下旬から三重県尾鷲市須賀利町で定置網漁を操業する。定置網漁船「八咫丸(やたまる)」(8トン)のお披露目を兼ねた出航祈願祭が、藤吉利彦尾鷲市副市長や県、市などの関係者らも出席して、近くの高宮神社で神事と定置網漁船の披露、もちまきが行われた。

同社の戸田聡水産事業部長(41)が熊野市二木島町で漁師をしていた縁で、2016年から、後継者がいない同所の水産加工場を受け継ぎ、アジフライや干物などを自社店舗で提供している。2017年に入り、三重外湾漁協紀州支所須賀利の組合員らと話し合い、定置網漁の準備も進めてきた。漁船は志摩市の廃業した漁業者から買い取り、修繕した。同町に須賀利支社を構えて、漁船の乗組員は同社の「パートナー制度」を活用して地元の漁師に業務委託する。現在、40代の3人が海底の清掃などを行い操業準備を進めている。

五月女(そうとめ)社長(45)は「後継者不足に悩む漁業者の実態を目の当たりにして漁師の育成や確保などに取り組もうと決めた。まずは漁を安定させ、ゆくゆくは大型定置網漁も操業し、将来的に東紀州地域に本社を移転したい」と語った。

同町は人口238人、高齢化率は84・5%(10月31日現在)と過疎高齢化が進む。同組合の三鬼晃常務理事(76)は「若い人に来てもらうには一定の収入を確保する必要がある。漁業存続のために県外の企業が携わることは全国的に増えていくのではないか」と期待を寄せている。

東京都内で居酒屋などを営むゲイト(五月女圭一社長)が三重県外湾漁協の小型定置網の漁業権を取得し、早ければ12月にも操業を始める。五月女社長が準組合員として尾鷲市の空き漁場で権利を得た。「当社は飲食店、加工、物流など全てを行いトータルで事業をつくれるのが強み。食材を安定的に得るだけでなく、漁業者の減少防止にも貢献したい」(五月女社長)という。

単に飲食店会社の経営者ではなく、提供する食材の生産者として、第一次産業の現状を理解し、何とか自分事として動く五月女さん、共感します。

居酒屋くろきんで食べた尾鷲市から水揚げされた名もない小魚、美味しかったなぁ~。

<操業中の船>

次回また、素晴らしい地域イノベーターをご紹介したいとおもいます。

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「鍋島」のプロフィール

鍋島裕俊(折込広告文化研究所 代表)

*1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。

*1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティング、社長室、メディア戦略を経て、無事に卒業(2015年)。

*折込広告全国大会の研修会や本会議の基調講演講師のプロデュースを業界への恩返しと考えサポート。

*研究テーマは、①折込広告の全般研究、②折込広告史の研究、③地域メディアの研究、④地域づくり、など。

*2014年に「折込広告文化研究所」を設立。

*折込広告に関する執筆は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」など、過去に掲載。

*印刷会社の“街おこし” 一般社団法人マーチング委員会の渉外部長。

*全日本印刷工業組合連合会(全印工連)CSR認定委員会の委員。

*オリケン・セミナーを定期的に主宰(達人シリーズ、著者シリーズ、今が旬シリーズ)。

*facebookでの発信は、多岐に渡る。

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執筆者

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鍋島 裕俊

(自称:折込広告研究所所長)

1950年、佐賀県佐賀市に生まれる。
1980年に朝日新聞社系の折込広告会社に営業で入り、その後、出版、マーケティングを経て、現在、メディアの方向性を考える戦略セクションに所属。
折込広告全国大会の分科会やセッションのプロデュースを担当(2000年の横浜大会、2008年の東京大会、2010年の東京大会)。
研究テーマは、(1)折込広告の全般研究、(2)折込広告史の研究、(3)新聞販売店のイノベーション研究など。特に新聞販売店のイノベーション研究は、2011年9月から早稲田大学ソーシャルアントレプレナー研究会で新規講座を開催。
折込広告に関する過去の著作は、「商業界」「食品商業」「宣伝会議」「販促会議」「物価資料」などに掲載。

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