徒然草

2017年03月14日第65回 土曜日の恋人

 世界のリーダーがいなくなり、なんとなく混沌とした雰囲気の日々を過ごしている気がしています。目にするニュースも国内外問わず、今一つピリッとしないものが多く、経済も政治も向かうべき方向が定まっていないかのように感じてしまいます。気のせいか、天気まではっきりしないここ最近です。こういう時代なのだなと実感するのです。多様化する価値の中で自らの責任と意志により人生を歩んでいく時代なのだと。指し示された進むべき道を歩むわけでもなく、自身の物質的な満足へ向けて歩むわけでもない時代なのでしょう。

 ただ、そのような環境下であってもヒトがもつ根本的なものは変わらないのだなと体感することもあるものです。いま僕は、いただいたご縁で念願のプロスポーツの仕事に関わっております。プロスポーツの良さについては多くを語る必要もないでしょうが、勝敗があること、それ故にトップアスリートが人生をかけて凌ぎを削ること、そして結果が必然的であり、ときとして無情であること、挙げればキリがありません。大のオトナが勝てば感涙に咽び、負ければ悔し涙を流す世界は、当然多くの人々に感動を与えます。時代や価値観、環境が変わってもヒトの根本が変わらないことをプロスポーツは教えてくれるのです。

 関わる以上は、チームには当然良い結果をもたらしたいですし、1分1秒を大切にして、少しでも勝利に貢献したいと思うものです。選手でもないのに節制してみたり、監督でもないのに戦術書を読みあさったり、強化部でもないのに次節の対戦相手をスカウティングしたり。意味もなく少しでも精進したいと思うものです。おもしろいもので、そういった情熱は伝播します。自分の言動が周囲に影響をあたえ変化をもたらせることができます。勝利すればあたたかいお祝いの言葉をいただけたり、そうでなければ批評が待っていたり。関心が広がり、応援の輪は広がっていきます。

 およそ真のファンとは、そういうものなのだと、僕は思います。それがチームであっても個人であっても、自分の人生の一部として存在させるのでしょう。勝利の抱擁も敗戦の落胆も自分自身に帰結するわけです。だからこそ精魂を傾けることができ、その姿勢が影響力を持ち、新しいファンをも創造するのでしょう。
 小さな一人も十分に影響力を持てるということです。僅かな一歩、半歩の前進が、やがて大きな前進になり、集団に力を授けられるのではないかと、僕は希望をもっているのです。週末にスタジアムへ足を運べば、そこには土曜日の恋人が待っています。

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執筆者

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南谷 康宗

経営家・個人投資家・事業戦略家

慶應義塾大学法学部卒
幼少を欧州で過ごし、帰国後サッカーに没頭。

中学からエスカレーター校に入学し、順調にスポイルされ大学卒業。 10年の金融機関勤務経験を経て独立。
現在は複数社で取締役を務め経営に携わるとともに自らも投資家として複数企業に資本投下。

クライアントの依頼に応じて事業ごとの戦略策定と起業にも携わる。
小さな成功と大きな失敗を繰り返し、不惑40歳を超えても迷い続ける人生の旅人。

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