ファンサイト通信

2018年12月13日第802号『雪掻き仕事』

【陽光】

雪国(僕は高校卒業まで、青森県弘前市で過ごした)で
育った人なら誰もが感じるであろう、理不尽なこと。
それは雪掻きだ。

夜、キーンとした空気に包まれ、厳しい冷気を感じた翌
朝、しかも戸外からの物音を感じない朝、カーテンを開
けると、決まって窓の外にどっかりと雪が積もっている。

雪国らしい風情ではあるが、これが厄介者でもある。
道路では車が立ち往生し、家々の戸口が、この厄介者に
塞がれて開かなくなる。
こうして、学校にも会社へも、買い物にも行けなくなる。

だから、車が道を走り、買い物や会社や学校へ、当たり
前に通勤通学するために、誰かが黙々と雪掻きをしなけ
ればならない。
そこには、華やかさも、よくやったとの称賛の声もない。
ただただ、雪掻きをするしかない日々。
こうして、春になれば、跡形もなく溶けて消えてしまう
白い悪魔との、長い冬の付き合いが続く。

仕事をしていて、同じことを感じることがままある。

誰もが羨むような、華々しく、そしてスポットライトを
浴びるような仕事など、まずない。
いや、むしろ地道に、ひたむきに、そして丁寧に、日々、
坦々と向き合わなければならないことのほうが圧倒的に
多い。
評価もされず小さなミスを恐れ、それでもやるしかない。
誰かがやらなければならないことを黙々と対処していく。

まるで、雪掻きをするかのように。

みんなで頑張った今年も、あとわずかで終わる。
そして、新たな年を迎える。
この1年、仕事をともに戦った仲間に感謝したい。

さて、これから始まる少し長いお休み前することがある。
それは、普段使いのガラスコップの汚れをきれいに洗う
こと。
少し大きめのボールにぬるま湯をはり、少々の漂白剤を
たらす。
そのなかに、2時間ほどつけ置きする。
さらに洗剤で洗い、水で濯ぎ、最後に乾いたふきんで丁
寧に磨く。

こうして、なんの変哲もない普段使いのコップが、魔法
にでもかけられたかのようにピカピカになる。
年末年始、これで飲むビールは格別なものになる。

【年末年始、ファンサイト通信お休み期間のお知らせ】
例年通り、年末年始休みを設けさせていただきます。
12月21日(金)28日(金)1月4日(金)の3回。
次号開始は、1月11日(金)からの配信予定です。
皆様、穏やかで和やかな、年末年始をお過ごし下さい。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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