ファンサイト通信

2018年11月15日第799号『写本のすすめ』

【ノートと万年筆】

事務所を神田に移したので、仕事場と兼用で使っていた横
浜の住まいの模様替えをした。

本箱の移し替えと整理、書類を処分したりと、結構な大仕
事に(現在進行中)なっている。
本を整理していてあることを思いついた。
困ったことというか、面倒なことというか・・・
思いついてしまった(煩雑で忙しい時に限って)ので、や
りたい気持ちが止まらなくなった。

僕は本に線を引く派だ。
読みながら、気になる箇所にボールペンで線を引く。
さらに、書き込みをすることもある。

本を整理しながら、時々ぱらぱらとページをめくる。
すると、線を引いた箇所に目が行く。
あらためて読み始めると、なるほどと納得したり、新たに
疑問が湧いてきたりする。

そして、思い(閃いた)ついた。
この、線を引いた部分を読み返し、気になるセンテンスを
ノートに書き移すことを。
こうして、週に数回ノートに万年筆で筆記している。

書き写したセンテンスを幾つか、並べてみる。

”ふつうであることは難い。
ふつうでないことは、いくらでもある。
けれども、ふつうでないことはたいがい持ちこたえること
ができない。
いずれ壊れる。
壊れに向かうことは易い。
ふつうのことを持ちこたえることが、いちばん難いのだ。”
「真鶴」川上弘美著

”私たちが世界を認識するときには必然的に、種としての偏
りが生じている。
私たちは目ではなく、心で世界を見ている。
現実の体験というのは選択的で主観的なものだ。
「エレファントム」ライアル・ワトソン著

”個人的にどれほど強健であっても「自分さえよければそれ
でいい」と思っている人間たちは「一人では生きていけな
い」状況を生き延びることはできない。
だから「危機に備える」ということは、貯金することでも
他人を蹴落として生き延びるエゴイズムを養うことでもな
い。
それは「自分利益よりも公共的な利益を優先させることの
必要性を理解できる程度に知的であること」である。”
「街場の憂国論」内田樹著

こうして、何回か書き写しているうちに、気がついたこと
がある。
それは、書くという身体的な行為を通過することで、言葉
を理解することの意味が、単にわかるということではなく
身に沁み、腑に落ちるように収まるということを。

お知らせ
来週金曜日は勤労感謝の日。
祝日となりますので、ファンサイト通信もお休みです。
次回の配信は、11月30日(金)です。
引き続きご高覧のほど、よろしくお願いします。

ファンサイト有限会社
川村隆一

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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