ファンサイト通信

2018年08月30日第788号『泣ける花火』

【花火「白菊」】

今年の夏、一番のイベントは「長岡まつり」大花火の観覧だった。
話には聞いていたが、実際この目で確かめてみなければ分からない
ことは、ある。

昨年から長岡に本社を置く米菓メーカー、岩塚製菓様のファンサイ
ト構築のお手伝いをさせていただいている。

2017年開始の子供用おせんべいのファンサイトは、子育て中のお父
さんお母さんを応援するサイト「おこせん」

そして、この夏から始まったのが大人のおつまみシリーズのファンサ
イト「大人のぽりぽりクラブ」

弊社では、この2つのファンサイトのコンテンツ制作とサイト運営を
担当している。
ご縁をいただいた当初から、是非一度長岡の花火を体験してみてと、
お声がけをいただいていた。

この大花火を通して長岡の人々の心情や、ものづくりに対する熱さを
理解してもらえるから・・・。
そして、部長が一言「ともかく泣ける花火なんですよ」と。
「泣ける花火?ですか」と、僕は曖昧な受け答えをした。

まつりの当日、8月2日(木)東京から長岡へ。
長岡駅は人、人、人で溢れていた。
なにしろ、このまつりの2日間だけで人口27万人の街に、103万人の観
覧客が訪れるという。

そもそも、この花火の由来は、73年前に遡る。
昭和20年8月1日。
その夜、闇の空におびただしい数の黒い影―B29大型爆撃機が来襲し、
午後10時30分から1時間40分もの間にわたって長岡市街地を爆撃。
旧市街地の8割が焼け野原と変貌し、燃え盛る炎の中に1,486名の尊い
命が失われたという。
見渡す限りが悪夢のような惨状。
言い尽くしがたい悲しみと憤りに打ち震える人々。

この空襲から僅か1年後の21年8月1日に開催されたのが、「長岡まつ
り」の前身である「長岡復興祭」だった。
毎年8月1日長岡まつり前夜祭、2日及び3日の長岡まつり大花火大会に
おいて、長岡花火の持つ「慰霊・復興・平和への祈り」の想いを広く
伝えるため、1日は午後10時30分、2日及び3日は花火大会冒頭に「白
一色の花火」が打ち上げられる。

夕方、駅近くの宿から、徒歩で会場となる信濃川の土手へと歩く。
会場に到着し、指定された桟敷席に着く。
ビールや缶チューハイとともに、おつまみの枝豆やのお煎餅も用意され、
準備万端。

そして、宵闇とともに最初の花火、真っ白な「白菊」の打ち上げからス
タートした。
ここから、2時間余、これでもかというくらいに、(180度以上の視界が
花火に埋め尽くされ、その規模もこれまで観てきた花火大会でいうなら
フィナーレ級が連続して打ち上げられる)想像をはるかに超えた打ち上
げ花火の連続であった。

僕は、夜空に打ち上げられる花火を観ながら、しだいに溢れる涙を止め
ることができなかった。
それは花火の光を通して、これまでの自分の人生を走馬灯のように、浮
かんでは消えていく様にも思えた。

この状況をどう言えばいいのか?
ふと「閾値を超える」というコトバが浮かんだ。
物質だけでなく感情さえも、一定の量を超えるとある種の質に転換する
のだと。
そして、理解した。
ただ、美しいだけではなく、「泣ける花火」とはこのことなんだと。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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