ファンサイト通信

2018年05月31日第778号『モンスター?』


【映画シェイプオブウォーター】

2年前、(住まいと仕事場に使っている)共同住宅の管理組合の理事に選出
(持ち回りなので、逃げられない)された。
そして今月、ようやくその任から開放された。
毎月定例理事会で、いろいろな事案が立ち上がり、利害が絡み(まるでモン
スターではないかと思えるような人との)面倒な手続きと話し合いで、とも
かく着地点を見つける作業をしてきた。

この2年間で、感じたことである。

もともと、日本人は、お互いを似たようなものだという前提からコミュニケ
ーションを始める。
そんな認識だった。

「話せばわかる」「腹を割って話す」「胸襟を開いて話す」「無礼講」とい
った言葉は、きちんと話せば心と心は通じ合うという私たち日本人が(美し
い信仰として)長らく採用してきた方法である。

ところが、昨今、話せばわかるとも言えなくなってきた。

例えば、住宅内にある木は一本たりとも切るなと景観重視を主張する人たち
と、木を撤去し、自転車置き場を設置したいという利便性を志向する人たち
の間では、相互に理解することはなかなかできない。

例えば、子どもがスマホばかりいじるというお母さんの嘆きを耳にする。
スマホをいじる時は、さぼっているように感じるのだろう。
子どもがスマホで何をやっているのか、その実態がわからない。
親としては、どうせゲームでもやっているのだろうと決めつけている。
しかし、子どもはもっといろいろなことをやっているのかもしれない。
ユーチューブで動画を見たり、ネットニュースをチェックしたり、友だちと
SNSでつながったり、アプリで勉強しているかもしれない。

例えば政治では、リベラルと保守の間で言葉が通じない。
これは、日本だけでの問題ではない。
世界的な傾向だ。
リベラルと保守の立場の人たちが、お互いに相手を攻撃的な言葉で非難する
姿は、世界各国に存在する。
話せば話すほど、SNS上でやりとりをすればするほど、対立が深まる。
そして、どんなに意を尽くしても、その壁を乗り越えることは難しいように
思える。

だとすれば、僕たちはどのように生きていけばよいのだろうか。
言葉をどれだけ尽くしても、コミュニケーションが成立しないというのは悲
しい現実である。

しかし、あえてキレイゴトを言う。

どうであれ、決めつけない。
何かを「正しい」としたら、残りすべてが「間違い」になってしまう。
何かを「美しい」と決めたら、残りが「醜い」ものになる。
人間でも、モンスター(そんなふうに見える人)でも、その存在を認める。
互いに認めれば話し合いの中で、何からしの解決の光は必ずあるはずだ・・。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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