ファンサイト通信

2018年02月15日第765号『人生を自由に歩くために』

【一歩】

ふと、ある男のことを思い出した。
二十数年前のことである。
悪い男ではなかったが、ほめられない癖(へき)があった。
それは「仕事を抱え込んでしまうこと」だった。

40歳を目前に転職したばかりで、少し焦っていたこともあったのかもしれない。
その職場で、彼は自分の能力以上の仕事を「認められたい」「失望されたくない」
という理由で引き受けてしまい、結局、後で問題が発覚するというミスを重ねた。
 
そんな彼に、業を煮やした上司が一喝した。

「安易に仕事を引き受けるのはやめろ。できないときはできないと言え。」
さらに、
「実力に見合わないことをしても、認められるどころか信頼を失うだけだ。」
そして、
「お前が、できる人間と思われたい気持ちは理解できる。だが冷静に自分を振り返
って見てみろ。焦って自分の身の丈以上に大きく見せようとするな。」と。

この男とは、僕自身のことだ。

専任教師として、15年勤めた専門学校を辞め、中堅の制作会社に転職したころの話
しである。
 
上司である社長に怒られ、我にかえった。
この時、お前は実力不足だ、とはっきり言われたことで、スッキリと仕事に集中で
きるようになった。
平たく言えば、いいかっこしを止めた。
そして、一つ一つの仕事に向き合い、しっかりと丁寧にやることを心掛けた。

時間は掛かったが、分かったことがある。

他人の評価にとらわれず、時に嫌われるかもしれないことを恐れず、誰も認めてく
れないかもしれないということを受け止めない限り、自分の人生を自由に歩くこと
はできない。
つまり、認められたい人ほど認められず、評価を気にしない人ほど認められる結果
となるのは、もはや定説だ。

実力がつけば、認めてくれる人は自然に増える。
人からうらやましがられたり、ほめられたりすることに頓着しないことが、結果的
に人の評価を受けるのだ。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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