ファンサイト通信

2018年02月01日第763号『しきたりという居心地』

【岩塚製菓「大人のおつまみ」】

つい先日、自分が何気なくおこなう行為にも、意外と、しきたりのようなものがあるこ
とに気がついた。

例えば、映画館で席を選ぶとき(もちろん空いていればだが)、真ん中より2列後ろで、
且つ、スクリーンに向かって中央から3つ左の席を選んでいることが多い。
例えば、朝、水を飲むグラスは食器棚の左端に置かれているものを使う。

そんな、どうでもいいようなしきたりの1つに、品川駅発京急ウィング号に乗る、とい
うことも含まれる。

ウィング号は、座席指定制(乗車券の他に指定券料として300円必要)の快速で、横浜駅
には停まらず上大岡、金沢文庫、横須賀中央、三崎海岸の4駅のみに停まる京急線の特別
通勤快速列車である。

この、しきたりを満たすために僕なりの一連の流れがある。

・東京で複数の仕事を重ね、且つ20時を越えた夜のみ利用する。

・座席券を購入した後、速やかに駅の売店で(数年前から京急線の売店は、すべてセブ
ンイレブンになった)缶ビールとつまみ(弊社の大切なクライアント、岩塚製菓様の
「大人のおつまみ」)を購入する。
余談だが、僕の最近のお気に入りは、オリジナルガラムマサラ使用のえびカリである。

・乗車後、通路を挟んで、2人掛けの座席が左右に並んでいるが、進行方向(横浜)を背
に、右座席の窓側に座る。
すると、窓からオレンジに輝く東京タワーの姿が見える。

・発車と同時に、ビール缶のタブを開け、東京タワーに向かって、もごもごと呪文のよう
に「お疲れさまでした!」と唱える。

そもそも、しきたりとは、標準的で持続的な行動の型として守られる習慣や伝統を伴う決
まり事のことである。
時には、仲間内での厳しい罰や裁きを課されることもある。
もちろん、自分にのみ適応するしきたりには、なんの罰則もなければ制裁も課されるわけ
でもない。
しかし、仮に、なんらかの制裁があろうがなかろうが、僕はおそらくしきたりを守る。
なぜなら、それをしないのは、とてつもなく居心地が悪いから・・・。

大人のつまみをぽりぽりしながら、ビールをグビリとやる。
気が付けば、ウイング号は蒲田を過ぎ、多摩川を渡っている。
そして、なんともいえず居心地のいい安堵感が心を満たしてくれていた。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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