ファンサイト通信

2017年05月18日第733号『止まるという方法』

【レースで着用したスイムキャップ】

先週、14日日曜日、横浜で2017世界トライアスロンシリーズの大会が開催さ
れた。

毎回のことではあるが、最初の関門はなんと言ってもスイム。
これは、思いのほか難関である。

難関の理由その1:プールではなく海で泳ぐこと。
難関の理由その2:制限時間内で泳がなけれタイムアウトとなり、その先のバ
イク・ランに進めない。

では、海で泳ぐこととプールとの違いをいくつか上げてみる。

・うねりを伴った波がある
・海流がある
・この季節、水温が18度以下と冷たい
・コースロープがない
・足が着かない
・海水が濁っていて手先が見えない
・真っ直ぐに泳ぐことが困難である

海で泳いで心拍数が上がり、パニックになることは、それほど珍しいことでは
ない。
誰にでも起こりうる。
ボクもかつて数回、パニック状態で、過呼吸になったことがある。
だから海で泳ぐことに、いまでも薄っすらとした不安と恐怖心がある。

人は希望や理想など、明るい動機に劣らず、不安・恐怖・懐疑心など暗い情念
によっても突き動かされる。

怖いから、練習する。
4月の中旬から、横須賀の走水の海で、この大会に向けてオープンスイムのトレ
ーニングを重ねた。

実は、今回もちょっとしたパニックになった。
山下公園に特別設置された浮き桟橋からスタートし、氷川丸に向かって、ブイ
が3つ浮いている。
その最初のブイまで、300メートルある。
合図とともに数十人がいっぺんいスタートをきる。
当然、海中ではバトルが繰り広げられる。
手や足がバシバシとあたり行く手が遮られる。
こうして呼吸のタイミングが狂いだし、ちょとしたパニックに至るのだ。
今回、ある方法を採ったことで、このパニック状態からうまく脱出することが
できた。

その方法とは、止まること。
とてもシンプルなことだが、意外と人は止まれない。
先を急がず、その場で数十秒フローティングしながら、周囲にいた競技者との
間合いをとった。
これは、何度も何度も繰り返し、真剣に練習してきたことの成果である。

振り返って見れば、仕事にも当てはまることのように思う。
パニックに至るような状況の時、さらに状況を悪化させることになるのは火を
見るより明らかなのに、闇雲に前へと進もうとする。
でも前に進むのではなく、勇気を持ってその場に立ち止まり、周囲の状況をみ
ること。
これこそが、危機から脱することのできる最良の方法ではないか。

ともあれ気分を落ち着かせたことで、スムーズに後半を泳ぎきることが出来た。
この日、こうしてスイムを終え、バイク、ランと続くトライアスロンの醍醐味を
存分に味わうことができた。

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執筆者

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川村 隆一

ファンサイト有限会社
代表取締役

1952年1月生まれ。
日本大学芸術学部卒業。
日活株式会社、日本工学院専門学校映像デザイン美術科(現)グラフィックデザイン科専任教師、株式会社Cカンパニー、株式会社ナガセ等を経て、ファンサイト有限会社を設立。
資生堂・イオングループ・キリンビール・マツダ等の企業コミュニケーション/広報活動のためのディレクションとプランニングを手がけてきた。

【書籍】「企業ファンサイト入門」日刊工業新聞社刊 2006年
【賞】経団連海外広報センター最優秀デザイン賞(横浜銀行アニュアルレポート)

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